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[和訳 / 歌詞] Radiohead - No Surprises

Produced by Radiohead & Nigel Godrich
Release Date: 5.21.1997

レディオヘッド - ノー・サプライズ

Geniusに掲載されている歌詞と注釈から解釈し、翻訳したものです
記事後半に注釈ありの歌詞を載せています


前置き

レディオヘッドのファンサイト、 "GreenPlastic" によれば、この曲は、実は元々はもっと早いテンポで収録されたが、トム・ヨークがボーカルを乗せる際にスローダウンさせたという。生活がゆっくりと心を蝕んでいく様を表現するためのように思われる。

イントロは子守唄のように穏やかで、アルバムの曲順で1つ前の曲、 "Climbing up the Walls" のサウンドとは対照的。



[Verse 1]


A heart that's full up like a landfill
いっぱいいっぱいの心は
ゴミの埋め立て地みたいに山積み

A job that slowly kills you
ゆっくりと蝕んでいく仕事

Bruises that won't heal
治りそうもないキズ

You look so tired, unhappy
君は疲れて、不幸に見える

Bring down the government
政府を打ち倒せ

They don't, they don't speak for us
あいつらは俺らのために議論しちゃくれない

I'll take a quiet life
平穏な生活を手に入れるよ

A handshake of carbon monoxide
一酸化炭素と握手さ


[Chorus]


And no alarms and no surprises
No alarms and no surprises
No alarms and no surprises
Silent, silent

なんの不安も驚きもない
なんの不安も驚きもないんだ
なんの不安も驚きもないんだ
平穏だ、静寂だけなんだ


[Verse 2]


This is my final fit
My final bellyache with

こいつは俺の最後の癇癪さ
俺の最後の不満でもあるんだ


[Chorus]


No alarms and no surprises
No alarms and no surprises
No alarms and no surprises, please

なんの不安も驚きもない
なんの不安も驚きもないんだ
なんの不安も驚きもないんだ、お願いだ


[Verse 3]


Such a pretty house
And such a pretty garden

あんな綺麗な家
そしてあんな綺麗な庭


[Chorus]


No alarms and no surprises
(Get me out of here)
No alarms and no surprises
(Get me out of here)
No alarms and no surprises, please
(Get me out of here)

なんの不安も驚きもない
(俺をここから出してくれ)
なんの不安も驚きもないんだ
(俺をここから出してくれ)
なんの不安も驚きもないんだ、お願いだよ
(俺をここから出してくれ)




※注釈あり※

[Verse 1]


A heart that's full up like a landfill
いっぱいいっぱいの心は
ゴミの埋め立て地みたいに山積み

A job that slowly kills you
ゆっくりと蝕んでいく仕事

Bruises that won't heal
治りそうもないキズ

You look so tired, unhappy
君は疲れて、不幸に見える

*(ここは第三者目線のセリフのようになっているが、表面的な心配をしてくる人を表しているのかもしれない。)

Bring down the government
政府を打ち倒せ

They don't, they don't speak for us
あいつらは俺らのために議論しちゃくれない

*(不幸なのは政府が動いてくれないから、という主張ではなく、自分の人生を手助けしようとする全ての人々への皮肉を含んだ返答を表現していると考えられる。
反政府的な考え方なのではなく、不幸の原因が何なのかを他人に決められることにうんざりしていると考えられる。仕事や疲れ、精神的な痛みなど、自分の周りのことすらもどうにもできないのにそれを何かのせいにすることに疲れているように思える。
ローリング・ストーンのインタビューにて、ヨークは次のように語っている:
「このラインは変な感じになってる。この曲は最低なバス旅の道中で書かれたんだよ。イギリスの年金暮らしの老人どもとの2時間のバス旅の中だぜ。」)

I'll take a quiet life
平穏な生活を手に入れるよ

*(代弁者であるはずの政府の無力さに対する軽蔑と、静かな生活を求めるペルソナの対比を表している。また、死をもって平穏を手に入れるという表現でもある。)

A handshake of carbon monoxide
一酸化炭素と握手さ


[Chorus]


And no alarms and no surprises
No alarms and no surprises
No alarms and no surprises
Silent, silent

なんの不安も驚きもない
なんの不安も驚きもないんだ
なんの不安も驚きもないんだ
平穏だ、静寂だけなんだ

*( no alarms というラインは、単純に「不安」という意味を持っているが、一酸化炭素を検知する火災報知器の警告音のことも表している。
一酸化炭素中毒による死は静かな死であるので、静寂を手に入れたとも言えるだろう。)


[Verse 2]


This is my final fit
My final bellyache with

こいつは俺の最後の癇癪さ
俺の最後の不満でもあるんだ

*( fitbellyache , pretty などは幼児的なイメージのある語であり、曲のサウンドと相まって無力化していく様を表現している。子供の癇癪は大人には理解できないことが度々あるが、根源的な欲求を満たすための訴えであることが多い。もはやそのような欲求しか残っていないことがいかに衰弱しきっているかを表している。
bellyache には2つの意味が含まれている。1つは「腹痛」という意味。一酸化炭素中毒による腹痛の症状。2つ目は、「しつこく不平を言う」という意味。この世を去る前の最後の不満である。)


[Chorus]


No alarms and no surprises
No alarms and no surprises
No alarms and no surprises, please

なんの不安も驚きもない
なんの不安も驚きもないんだ
なんの不安も驚きもないんだ、お願いだ


[Verse 3]


Such a pretty house
And such a pretty garden

あんな綺麗な家
そしてあんな綺麗な庭

*(裕福な生活のステレオタイプ。多くの人には魅力的に見えるかもしれないが、実際はそれが完璧な人生というわけではない。)


[Chorus]


No alarms and no surprises
(Get me out of here)
No alarms and no surprises
(Get me out of here)
No alarms and no surprises, please
(Get me out of here)

なんの不安も驚きもない
(俺をここから出してくれ)
なんの不安も驚きもないんだ
(俺をここから出してくれ)
なんの不安も驚きもないんだ、お願いだよ
(俺をここから出してくれ)

*( Get me out of here は、MVのトムが水で満たされたガラス容器に閉じ込められているシーンから、より意味をなしている。文字通りガラス容器から出すよう懇願しているが、これは自殺に追いやられ、その選択をとったことを後悔しており、出して欲しいと望んでいるように思える。しかし、死を求め、存在からの解放を望んでいたとも考えられる。また、精神を蝕んでいる現在の生活そのものからの解放を願っているようにも考えられる。)

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