山田麻由美

コンサルティング会社のクリエイティブディレクターとして文章を書いていました。メルマガの…

山田麻由美

コンサルティング会社のクリエイティブディレクターとして文章を書いていました。メルマガの編集後記でわりと自己開示をしていたら意外と人の心に届くことを実感。さらなる自己開示をこのnoteでやっていこうと思います。

最近の記事

『コートが夏に届いたら、次の冬に店頭に出せばいいだけ』自分の幸せは、関わる他者の幸せが前提条件という話

先日、友人がこんなことを言っていた。 「私”今日は回鍋肉を作る”って決めてスーパーに行ったのだけど、豚バラが最後の一個だったのよ。それで思ったんだけど、スーパーに行って豚バラが売り切れてたら、そこにある他の食材を使ってできるものを作ればいいんだよね、本当は。”ダメだな、このスーパー”なんて思うの、おかしいよね」 まったく、その通りだと思う。もちろん仕事帰りに慌ただしく立ち寄ったスーパーで欲しい物がなくてイラっとしたことはある。そういう生き方をしてきた。だけど本来は、いつ何

    • もう、感謝されるためになんて動かない

      「親に感謝すべき」という言葉にずっと違和感があった。私は産んでくれと頼んだ覚えはないし、親は産んだからには育てる責任があるのだから、そりゃ育てるだろう、と思って。もちろん、愛情を注いで育ててくれたことに心から感謝している。しかし、「感謝すべき」とは思えなくて、人にそう話したら「感謝しなさい」で終わってしまったことがある。 なんでこんなことを思い出したかというと、レタスクラブという雑誌に掲載されていた山崎ナオコーラさんの連載を読んだことによる。 『私は、家事や育児への夫から

      • 前は本当に居心地がよかったか?

        社会全体が変わり始めている。変わらざるを得ないから、変わり始めている。働き方や、人との付き合い方、子どもとの時間の持ち方、家族との過ごし方… … 私の同僚が「自分にとっての不要不急って何だろう?と考えています」と言っていたけど、本当にそう。この機会に自分の暮らしや大事にしたいこと、実は要らなかったというものを見つめたい。 五味太郎さんへのインタビューをネットで拝読した。五味さんの「コロナの前、本当に居心地がよかった?」というシンプルな問いは、とても刺さる。「こうなると、世

        • 何が正しいかはわかっている。だがその道を選ばなかった。正しい道は困難だからだ。(セント・オブ・ウーマン 夢の香りより)

          久しぶりに「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」を観た。1992年の作品で、盲目の元軍人を演じたアル・パチーノがアカデミー賞主演男優賞を受賞したことでも有名な作品である。 簡単にストーリーを紹介すると、名門高校に奨学金で通う苦学生のチャーリーと、人生を半ば捨てたような暮らしを送る盲目の退役軍人のフランクが出会い、数日間を共に過ごす中で互いに人生に影響を及ぼす物語。学校でトラブルに巻込まれ、校長からハーバードへの推薦をネタに取り引きを迫られるチャーリーは、それに応じれば友人を売

        『コートが夏に届いたら、次の冬に店頭に出せばいいだけ』自分の幸せは、関わる他者の幸せが前提条件という話

          人生やるかやらないか

          「将来カフェとかやってみたいな… …」と言葉にしてみたのがきっかけで、先週からLIGHT UP COFFEE(ライトアップコーヒー)のバリスタスクールに通い始めた。 毎週土曜の夜なんて、3歳の子どもを持つ母親にしてはハードルが高いけれど、やらない理由を見つけるより、夫に協力してもらって一歩踏み出す方を選んだ。やらない・できない理由は簡単に見つかるけれど、それでやらないものは、たぶん一生やらない。 10年前に勤めていたインテリアショップの店長は、最年少で店長になった、とても

          人生やるかやらないか

          毎日会っている=コミュニケーションが取れている、ではない

          週3日、コンサル会社で働いて、残りはフリーのWebデザイナーという働き方を始めて8年目になりました。 8年前は週3日しかオフィスに行かないと軽く浦島太郎状態で、キャッチアップが難しかった。会社側からしても、私という人がよくわからなかったかもしれません。 それを乗り越えられたのは上司との対話でした。オフィスに行けば必ず話すことから1日が始まって、仕事の相談や報告は手短に、後はニュースを見てどう思ったかとか、面白い記事を読んだからシェアとか、自分が持つ背景や思想を話すことがほ

          毎日会っている=コミュニケーションが取れている、ではない

          明日人生が終わるとしても会社に行きますか?

          会社とは、何なのか。 私たちは毎日のように(毎日ではない人もいますが)会社に行き、 1日の大半をそこで過ごします。 自分の大事な時間の多くを過ごすところですが、 皆さんは会社が好きですか? 明日人生が終わるとしても会社に行きますか? 『幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える』(前野隆司 小森谷浩志 天外伺朗 共著、内外出版社)の中に、がんで亡くなった社員の話があります。 その方は自分の死期が迫っていることを感じたとき、嘘の診断書(そんなはずないのに"出社可"と書かれ

          明日人生が終わるとしても会社に行きますか?

          後悔することが一番のリスク

          2015年の話になりますが、池上彰氏講演「アジアの未来のつくり方」というシンポジウムに行ったことがあります。 ASEANの経済統合を前に、日本が発展を支援をしてきたASEAN諸国がひとつの経済地域になることでどんな未来が生まれるのか? というのがテーマでした。 言語も宗教も違うこれらの国が経済統合するのを前に日本のグローバル教育、グローバル経営とはどうあるべきなのか… …いや、グローバルという言葉自体、今となってはどうなのかと思います。 パネリストにはバングラディッシュ、

          後悔することが一番のリスク

          お前であれ

          私は最近、座右の銘が変わりました。 今までは「明日は明日の風が吹く」だったのですが、それが「お前であれ」になりました。 これは、『シング・ストリート 未来へのうた』(2016年/アイルランド/ジョン・カーニー監督)という映画に出てくるセリフです。 家庭環境の影響で荒れた高校に転入した14歳の男の子が、音楽を通して自己を確立し、自信がなさそうな子どもから、自分のスタイルを持った青年へと成長していく物語。 みんなが彼のスタイルをせせら笑う中、同級生に向かって掛けた言葉です。 人

          お前であれ

          肩書きで表現する時代は終わり

          私は肩書きが好きじゃない。”肩書き”である程度の枠ができてしまうから。と言いながら、時々”肩書き”で説明がつく利便性を活用してしまうけれど。。。 柔道の松本薫さんの引退会見がとても印象的だったのは、 「第二の人生、アイスクリームを作ります!」 という言葉と満面の笑顔。 随分畑違いのところに行くなぁと思いながらも、なんだか新しくていいなと思いました。 これまでは「柔道」を本業としてきたのだと思いますが、 これからは何でしょうか。 本業は母親で副業がアイスクリーム屋さんでしょ

          肩書きで表現する時代は終わり

          日本人はハイコンテクストなのか?

          「日本は世界一のチーム。世界一ハイコンテクストな文化です。 1を言えばみんなが10を理解できる。 欧米人は1を1としか理解できない。 だから日本人は日本以外の人と話すとき、いつもより多くの言葉を話さなければなりません。日本は国全体として言語能力が高い。 だけどコミュニケーション能力は低い」 イギリス人の異文化ビジネスコンサルタント、ジョン・リンチさんが こんなことを言っていました。 「日本人は何を考えているのかわからない」 と言われる話は昔からよく聞きます。 わかってはい

          日本人はハイコンテクストなのか?

          人間はちょっと別のことをイメージできると力が沸く

          「アーティストの特性はイメージする力です」 と日比野克彦さんは言いました。 アーティストというのは、絵を描いたり彫刻を掘ったりする人だけではなくて、 例えば美術館に足を運ぶ人も、美術館という場所や、今日の天気や、 その時見た作品から、いろいろなイメージが沸いているのだから、 アーティストと言えるそうです。 所謂アーティストは、人のそんなスイッチを入れるのが上手なのかな、とも。 日比野さんは「人間はちょっと別のことをイメージできると力が沸く。 だから災害の時、今日の夕方のこと

          人間はちょっと別のことをイメージできると力が沸く

          みんな、アーティスト

          昨年、歌手のスティングがセルフカバーアルバム『My Songs』を出しました。 67歳になってセルフカバーアルバムを出す背景には「僕の歌によって影響を受けた人が世の中を変えたらいいなと思って歌っている。移民がもたらすものは多様性だ。移民を受け入れなくなったら死んだも同然だ。」という思いがあるのだそう。 スティングの数あるヒット曲の中でも有名な『Englishman in New York』はイギリス人であり、ゲイである作家とニューヨークで出会ったことから生まれたもの。 歌

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          ウォーホールのキャンベルスープも最初はNOだった

          どれだけ制度を改革しても人の意識はなかなか変わらない、 幼稚園から始めなければ意識改革は無理だ、 とリカルド・セムラー(ブラジル、セムコ社のCEO。斬新な経営改革で有名)は言いました。 かつて缶詰や便器をアートとして見た人がいます。 当時は批判の嵐。 ミュージアムにこんなものは置けないと言われました。 (デュシャンの作品は確か捨てられたはず。) しかし今、ウォーホールのキャンベルスープを知らない人がいるでしょうか。 デュシャンの泉も世界的に有名なアートです。 2人はモダンア

          ウォーホールのキャンベルスープも最初はNOだった

          NO RISK、 NO FUN

          出産直前に見た「プロフェッショナル 仕事の流儀」(NHK)はバイオリニストの樫本大進さんでした。世界最高峰のオーケストラ「ベルリンフィルハーモニー管弦楽団」でコンサートマスターを努めています。 ベルリンフィルのコンサートマスターになるためには試験に合格するだけでなく、2年以内に楽団員全員から認められなければなりません。 樫本さんは最短の半年で、全員から認められたという素晴らしいバイオリニスト。 そんな樫本さんは「NO RISK、NO FUN」という言葉を大事にしているそうで

          NO RISK、 NO FUN

          99人が「NO」と言ったものに「YES!」と言えるか

          2007年に発売された各メーカーの携帯電話を並べて、「どの携帯がどのメーカーのものかわかりますか?」という質問に100%正解できる人は、ほとんどいないらしい。 携帯電話を作っていたメーカーの人でも、間違えるとか。 なぜか。 どれも同じようなデザインだからです。 機能も似たり寄ったりでした。 なぜか。 どこのメーカーも同じようにマーケティングをしていたからです。 ある時、「自分たちはこれがカッコイイと思っています」と言ってアメリカの西海岸からやってきた会社にあっという間にシェ

          99人が「NO」と言ったものに「YES!」と言えるか