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人の作品から今の自分を見たはなし


美大を出て、今しばらく学んできたことを生かせる仕事を
させてもらえている

2月は卒業制作展のシーズン
コロナも落ち着き、各地で一般公開されている卒展

母校ではないけれど 身近な学校の卒展を見に行った
あ〜美大ってこういう雰囲気
謎のオブジェが突然出てきたり
校舎が前衛的な建物だったり
校内を歩く学生らしき人々の独特な空気感だったり
懐かしさがあった

知らない学校の 知らない人たちの作品
コロナの時期を大学生として過ごしてきた人たちの作品

2時間ほど、学科問わず 目に留まったものから見始めた
集中力のなさは前々から分かっていたけど
社会に出て、それでも色んなものを目にし、体験して
ここまで過ごしてきた中で
自分の中の「好きなもの」の像は案外くっきりと
出来上がっていたことがわかった

ぱっと見の印象というのは 残酷なもので
もうどうにもコントロールできなくて
興味を持つ雰囲気かどうかのジャッジは勝手にされてしまう

けれど、そこを意識的に 目の前のものと向き合ってみようと思った
普段だったら通り過ぎてしまうだろう自分の好みではない作品たち

普段触れることのない分野には発見が沢山あった
自分の中で生まれる多くの疑問に段々作品を見るという行動が追いつかず
読み込んでいくことができないほどに多くの情報量を受信した

感覚的には 脳みそがいっぱい汗をかいたような時間だった

好みって もう理由も何もなくて
心地良さだったり 気持ちいい、いい感じっていう
簡単に言うと疑問も何もなくストレスフリーである
ってことに近いもののような感覚

それが分かってたり どうするとそうなれるか知ってたり
それは自分を癒すために培ってきた過去の自分の賜物なのかも
そうしてきっとこれまで自分は自分を癒してきたんだし
色んなことを乗り越えてきた部分もあるんだろう

でも

それがあるが故に 使われなくなってしまって
つるつるになった脳みそがいた事を知ってしまった

誰かが言っていた、
毎日通る道にはないけど 初めて見る景色には
多くの発見がある って

こう言う経験って きっと何かを生み出す人には
必要なんじゃないかな

デザイナーとして、自分のできる表現を模索したり
好みや趣味嗜好が確立していくことも大事だけど
新しい出会いはきっとどこかにつながって刺激して
次の私を形成する一部になると思う

あの頃の自分の卒制を思い浮かべながら
社会人として経験を積んできた自分がここにあって
様々な切り口から提言された多くの力あるものたちに
刺激を受けた そんな時間だった

強くなった部分、まだまだ弱い部分、
意識が向いているもの、苦手なもの、
人の作品からこんなに自分が見えたりするとは思わなくて
正直びっくりしたけど 今見に行けたよかった

私もまた、何かを生み出していきます
あの時の自分から今の自分
色んな色が混ざってグラデーションしながら
続いていく



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