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小杉湯【銭湯/サウナ】

銭湯は昔から好きだった。
とにかく家のお風呂とは比べ物にならない大きさの湯船や、小さい身体には刺激が強すぎるジャグジ-は、岐阜県の田舎で生まれ育ち、これと言って遊ぶ場所が近隣に無かった僕にとっては日常に潜む小さなテーマパークみたいだった。

そんな僕が大学を卒業し、東京での社会人生活をスタ-トさせたのは銭湯文化が浸透している中央線沿いの街。
引っ越しを決めるときに特に意識はしていなかったが、中央線沿いには本当にたくさんの素敵な銭湯がある。そんな僕の大好きな銭湯の良さをもっと知ってほしいという思いもあり、【銭湯/サウナ】シリーズとして残していく。
(良さを知って欲しいと言いつつ、あくまで日記ではあるので、感想メインになることはご了承いただきたい。)

まず、第一弾は高円寺の小杉湯。
おそらく、銭湯好きで知らない人はいないであろう歴史も人気もある銭湯。

コロナ渦でサウナブームが拡がり、サウナが併設されている銭湯への注目度がかなり高まったが、小杉湯さんはサウナは無く、『温冷交互浴』を推奨している。

冒頭、小さな頃から銭湯が好きだったことに触れたが
実は僕も見事にコロナ渦のサウナブームに影響され、銭湯ではなくサウナにどっぷりハマったうちの1人である。ここ1年くらいは通っているスポーツジムにサウナが併設されていて、下町銭湯から遠ざかっていた。

そんな時に「今日は疲れすぎていてサウナはしんどいな。でも疲れは取りたいし、、そうだ久しぶりに小杉湯に行こう」と思い立ち、毎週日曜の草野球を終えた夕暮れ時に小杉湯さんへ。

小杉湯さんの名物といえば、なんと言ってもミルク風呂。
受付ではミルク風呂のオリジナル入浴剤を販売しているほど看板的お風呂である。
ただ、僕が推したいのはミルク風呂ではなく、「地下90mから汲み上げた井戸水を使用した水風呂」である。温度としては15~16度とこれもまた絶妙な温度でありつつ、なぜか「とても優しく包み込まれる」ような感覚に落ち入るほどに包容力があるのだ。色々なサウナ、銭湯に行きシングルの水風呂なども経験したが、小杉湯のこの温度と水の質感はまさに『整う』ための要素を最大限に満たしている。
サウナよりも身体の温度は高くない状態で水風呂に入る交互浴だからこそ、この包容力ある水風呂の良さが最大限に発揮されている気がする。

ちなみに、その日の交互浴はこんな感じのステップを頭の中で組み立てて入った。
(頭の中で考えることが好きな僕は、おそらく他人からしたらめんどくさい、細かいと言われそうなことを考えながらいつも銭湯に入っている。そういう性格なのだから仕方ない。)

①ジェット風呂で、背中/腰/お尻の筋肉を重点的に体をほぐす
 -草野球終わりだったこともあり最初に筋肉をほぐすことで『整い』に向けた土台をつくる
→水風呂5分、休憩5分

②続いて、44度の熱い風呂で身体の芯から最大限に温める
 -小杉湯は週替わり?でこのお風呂の種類が変わるのでそれも嬉しい。
 この日は梅しそ風呂。ジャグジーで、より紫蘇の香りが漂い、お風呂に入っているのにヨダレが出てくる不思議体験だった。笑
→水風呂5分、休憩5分

③とどめのミルク風呂でゆったり、確実に整う。
 -身体も心地よい疲労感に包まれ、整い始めてきたところに
  水風呂と同様に優しいミルクの香りとともに包み込んでくれるミルク風呂は、フィニッシュに最適である。
→最後は水シャワーで、スッキリしつつも身体を綺麗にして終了。
 待合室の畳の上でゆったり過ごしながら整う。

個人的には、このステップが最高なのでは、と思っているので
是非一度、誰でもいいので試してみて欲しい。

そして、小杉湯のもう一つの特徴として
周りのお客さんの年齢層や職種などが幅広く、多種多様な人間から愛されていることも
個人的には面白く、魅力的だったりする。
(あまり良くないことかもしれないが普段から人間観察が趣味なので、自然と銭湯でも周りの人たちの様子が目に入ってきてしまう。)

  • 星野源みたいな優しい顔立ちをしているのに、
    よく見ると右肩にヒトデのタトゥーを小さく入れている

  • シンプルに全身タトゥー男 
    ※お風呂に入ってくる瞬間、周りの空気が少しピリつく。笑

  • 手入れが大変そうなちょんまげ男

  • 見た目とは裏腹に、銭湯マナーがいい若い金髪男

  • 何故か、投資とかビジネスの話で盛り上がってる友達2人組

  • 長年常連で、自宅のようにリラックスしているおじいさん

  • おそらく同じように周りの人間観察をしながら楽しんでると思われる人
    ※たまに目があって気まずい

おそらく、サブカル好きが多く集まる高円寺という地域性もあると思うのだが、
これだけの幅広い人々から長年愛されている小杉湯は本当に銭湯界ではレジェンド的存在であることを感じさせる。

僕はよく、仕事がうまくいかない時や草野球で試合に負けた時に、
頭の中をスッキリ切り替え、次の日への活力を養うために銭湯に向かうのだが
この多種多様な人たちも、それぞれの人生の中でそれぞれの葛藤や悩みを抱えながら
癒しを求めてここ小杉湯に集っているのだろうと考えると、
その全員に「たった500円で」「たった1,2時間で」「お風呂という一見、人にとって義務的なタスク的な行為にしか捉えられかねない空間の中で」
他では味わえない“癒し”と“充実感“を与えてくれるのだから、幼少期に感じていた
「銭湯は、小さなテーマパーク」というのはあながち間違いではないのかもしれない。

色々綴ってみると、そんな魅力に溢れる銭湯をもっとたくさんの人に知って欲しいという想いが増してきたので、これからはもっとライトにおすすめの銭湯を沢山紹介していきたいと思う。
ちなみに小杉湯さんは、来春に原宿に2号店をオープンするという発表があったばかりなので、銭湯界を牽引する今後の活動にも注目したい。

※引用:小杉湯さんのHP

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