見出し画像

深圳#2 美女と夜景と自動運転

観光地を必死に調べるのは非常にダサい、過去に読んだブログ記事でそういう主張を目にしたことがある。
確かに、旅先の人が見せたいモノを見るだけでその街について理解した気になるのはナンセンスだ。深圳では観光地を調べず、街をひたすら歩き、中国の見せたい深圳と中国の見せたくない深圳をまんべんなく見物することにした。
本記事では「中国が見せたい深圳」を紹介する。


光輝く深圳の夜景

自動運転タクシーを体験

深圳に来た目的の一つは自動運転タクシーに乗ることだ。日本では実用化されていない自動運転を中国で楽しめると聞いてやってきた。

深圳では、複数の企業が自動運転タクシーをサービスとして運営しており、Pony.ai萝卜快跑とが有名だ。両サービスとも、自動運転レベル4を実現しており、特に萝卜快跑は街中でも何度か見かけることがあった。英語でのインターフェース提供を行っているPony.aiを選択し、配車方法を調べた。おそらく台数は萝卜快跑の方が多そうなので、中国語の堪能な方には萝卜快跑をおすすめする。

ponyaiは深センに拠点を置く自動運転技術企業である。トヨタも出資を行っており、近年急成長を見せる企業の一つだ。ニュースの報道によると、ponyaiのアプリをダウンロードした上で、タクシーステーションで配車依頼をすると完全自動運転のタクシーが迎車に来るらしい。

Pony.aiは英語対応かつ日本の電話番号対応という中国のサービスにしては珍しい優しさ。南山区にあるステーションを訪れ、配車依頼を行った。ちょうど出払っているのか、そもそもタクシーの台数が少ないのかわからないが、かなりの待ち時間を要するらしい。というのも自動運転タクシーサービスは現在実証実験中。運賃は無料だ。

しばらく待つとタクシーがやってきた。タクシーの車体はトヨタのレクサスをベースに、自動運転用のカメラやセンサー類が取り付けられてあった。

pony aiのタクシー車両

乗車し座席に腰を掛け、目の前のモニターに電話番号を入力すると車は出発した。前評判のとおり人が乗っており、少し残念(ただし手は膝の上)だ。モニターには次の信号、歩行者、自転車、電動バイク、自動車が正確に認識されていた。(意地悪な気持ちで認識していない歩行者を探したが、20分ほどの乗車中、本当に見つけられなかった。)
また、レクサスのSUVということで通常のタクシーよりも大幅に乗り心地が良く、ブレーキの踏み加減も人間タクシーより緩やかで安心感があった。

自動運転タクシーのディスプレイ

人才公園の美女

新興スタートアップ企業が密集する南山区の中心には「人才公園」と呼ばれる大規模な公園がある。人才公園の特徴は広大な湖と芝生。周囲を徒歩で一周しようとすると3時間ほどはかかるだろう。「人才」とは中国語で秀でて才能のある人物のことらしい。

三脚を立てて夜景を眺めていると一人の女性が話しかけてきた。外国人であること、中国語を勉強していることを拙い中国語で伝えると、笑いながら会話に付き合ってくれた。(英語圏ではこのような対応をしてくれる地元住民は少なく、中国ならではの良さだろう。)

後で送信することを約束し、写真を撮らせてもらった。彼女は貴州省出身の看護師らしい。深圳の中心地から鉄道で30分ほどの郊外に住んでいるラシク、非番の今日はショッピングのために中心街に来ていたそう。休憩のために人才公園に立ち寄ったら何やらカメラを立てた青年がいたので話かけてみたらしい。

人才公園の美女

夜景スポットを幾つか教えてもらい、2時間ほどダラダラと巡り、wechatを交換し帰路についた。

高さ392.5mの「華潤グループ本社ビル」
(あべのハルカスより92.5m高い)
人才公園からの夜景

深圳の中央にそびえる市民中心

翌日、人才公園の女性に教えてもらったもう一つの夜景スポットにも向かってみた。

深圳中心部に広がる広大な広場の中に個性的な建物がある。深圳市民中心だ。流線型のような屋根を支える形で建つ二つの建物。ここには政府系の事務所や市役所が入っている。中央の広場は市民憩いの場となっており、 特に抖音の撮影に励む少女たちのたまり場となっていた。

市民中心の広場で抖音の撮影に励む少女
莲花山公园から望む市民中心・深圳の夜景
(下半分のツツジはよく見てみると植木鉢)

市民中心は深圳のランドマークにもなっている。市内有数の夜景スポットである莲花山公园からは綺麗にライトアップされた屋根を見ることができる。この撮影スポットでは3時間ほど過ごした。近年世界一の夜景と呼ばれる深圳にて、昼から夜への移り変わりを見物できたのは素晴らしい経験だった。

もう少し夜が更けた深圳夜景

「中国が見せたい深圳」はここまで。

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?