見出し画像

名前の由来(もう忘れちゃった…)

56歳になりました。今日は、そのことを伝えに、お袋が住む特別養護老人ホームに行って来ました。しかし、今は、直接会って話をすることができません。顔を見て、ちょっとだけ言葉を交わして終わりです。ガラス戸越しの面会は話がはずみません。直接会った話ができるようになったら私の子どものころのことを聞きたいと思っています。

ガラス戸越しの面会

私のお袋は、職場近くの特別養護老人ホームで生活をしています。今日は、少しだけ早退をして、お袋に会いに行って来ました。会うと言っても今はガラス越しの対面です。ホームに全面ガラス戸の非常口があります。その扉を挟んでお袋と面会をします。お袋はホームの中、私はホームの外です。

ホームの受付で面会を申し込むと、担当の支援者がお袋を非常口まで連れて来てくれます。私は、ホームの非常口の外に立っています。そこでホームのPHSを使って会話をします。しかし、特に話すこともありません。話は、こんな感じです。

私「なんか変わりある」
お袋「ない」
私「今日、56歳になったから」
お袋「そう、あんたも歳とったねぇ」
私「じゃね、また来るね」

たったこれだけなので、横にいた支援者が「もういいんですか?」と驚いていました。ガラス戸越しだと話もはずみません。直接会えるようになったら、私が子どもだったころのことを聞いておきたいと思っています。

私の名前について

私は、だいじなことを聞き忘れてしまい後悔していることがあります。私の名前についてです。私は、両親がつけてくれた名前に対して無礼な態度を取り続けています。申し訳なく思っています。私は、両親がつけてくれた名前を大切にしていません。私には芸名のような名前があります。その芸名の方が一般的になってしまいました。

私は、一般的に「たかはし りょうじゅ」と名乗っています。しかし、これは本名ではありません。本名は「たかはし よしひさ」と言います。しかし、仕事、友人、ほとんどの人たちが本名を知りません。

私の中学校のときの担任が、名前を読み間違えました。その担任は、入学式で間違え、卒業式でも私の名前を間違えて「たかはし りょうじゅ」と呼びました。それ以来「たかはし りょうじゅ」と呼ばれることが増えてきました。また、いつしか「りょうじゅ」が主流になりました。私も「りょうじゅ」を普通に使うようになりました。本名で呼ばれるのは、病院にかかったときぐらいです。しかし、最近になって、両親に申し訳ないことをしていると思うようになりました。

名前の由来について

コロナ以前は、ホームにいるお袋にも自由に会うことができました。そのとき、自分の名前の由来について聞いてみました。以前、親父からは、親父の友達がお寺の息子で、その寺の偉い住職に名前をつけてもらったと聞いたことがありました。それを確認してみました。

私「ねぇ、『よしひさ』ってどういう意味があるの?」
お袋「もう、忘れた」
私「えっ、親父がお寺の住職につけてもらったって言ってなかった」
お袋「そう?お父さんが本か何かを見てつけたんじゃない?」
私「そうなの?」
お袋「もう、50年以上前のことなんだから、覚えてないわよ」

そう言われてしまうと、あまり本名にこだわることもないかなぁ、と思ってしまいます。しかし、56年前は、何か思いや意味があったのだと思います。それを受け止めて来なかったのは自分です。また、もうそれを探れないのが残念です。直接会えるようになったら、私が小さかったころのことをできるだけ聞き出そうと思っています。

連続投稿1000日まで、あと90日。

この記事が参加している募集

名前の由来

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?