古代の中国語の漢字の発音の調べ方
中古音、まるで分らない。
背景
豊富な言語学ネタでおなじみのminerva scientiaさんのネタ動画。漢字で読んじゃうと日本人は日本語の発音で理解してしまいますが、よく考えたら当時は全然違う発音だったんですよね・・・。
漢字は古くから使われていて、それを現代人でも読めてしまうし、また方言があっても文字でコミュニケーションすれば通じてしまうという利点がありますが、一方で、古い時代に漢字をどう発音していたかは、その文字からは分からないという欠点もあります。なので個人的にはどうやって昔の発音を再現しているのか謎だったんですが、調べてみると漢詩の押韻がヒントになっているとのことです。
こちらは日本人の方の朗読のようです。2,4,6,8ブロック目の終わりの深 ɕiɪm、心 siɪm、金 kiɪm、簪 t͡ʃˠiɪm (IPA表記、鄭張尚芳系統か)が韻を踏んでいることがよく分かります。あと声調もそろえているように聞こえます。一方現代語では深 shēn、心xīn、金 jīn、簪 zān (ピンイン表記)と韻をふまなくなっています。
こちらはもっと古い上古音(周代)の発音。詩の形式は違います。時々マシンガンのような音が聞こえますが、これは[r]の発音が激しすぎるのかと。その後、中古音(唐)、近古音(元・明)と続きます。中古音は現在の広東語っぽい気がします(広東語知らんけど)。
コメントで現代の閩南語(福建省南部や台湾で使われている言語)に似ているというご指摘をいただきましたので閩南語の朗読動画も。確かに似ている。
漢詩の韻以外には、諧声関係(各カクと酪ラクのように発音パーツと意味パーツを組み合わせた漢字は元は同音だったと思われる)、方言や同じ言語族(シナ-チベット語族)の言語との比較、中国語->外国語あるいは外国語->中国語の外来語や借用語の発音の分析(例えば仏典)などが手法としてあるようです[Reconstructions of Old Chinese - Wikipedia]。
そのような形で多くの研究成果がありますので、それの利用の仕方を調べた記事です。
予備知識
国際発音記号(IPA)
中国語にも古代にも限った話ではないですが、発音記号が分からないとき、入力できないときはこちら。発音のサンプル音声もあります。
:: 国際音声記号 - Wikipedia
:: 国際音声記号の文字一覧 - Wikipedia
中古音の音節構造
中国語の古代の発音は(分け方には諸説ありますが)大きくは上古音と中古音にわかれます[漢語史 - 维基百科]。このうち上古音はさらに殷・周時代、先秦時代、漢時代(主に後漢)に分かれます。この中では先秦時代の上古音の研究が最も進んでおります。これは「詩経」と呼ばれる文献に発音データが多く残されていたことによります。同様に、中古音はさらに魏・晋時代、南北朝時代、隋・唐時代、五代時代、宋時代に分かれ、この中では隋・唐時代の研究が最も進んでおり、中古音の中で最も重要とされます。これはこの時代に「切韻」などの韻書とよばれる資料が作られ発音が残されたためです[中村2005]。
手っ取り早く理解するには上記のサイトが分かりやすかったです。ここでは辞書を引くのに必要な情報だけまとめます。
古代の発音の中でも最も典型的な、中古音(隋唐)の漢字(音節)の発音を分解すると、以下のようになっております。國 [kwək]、破 [pʰuɑ]を例にとります。
例
國: k w ə k
破: pʰ u ɑ
{頭子音} - { 介音 } - {主母音} - { 韻尾 }
--------------------- { 韻 }
{ 声母 } - { 韻母 }
頭子音 (initial): 音節の先頭の子音です。頭子音がないこともあります。声門破裂音 (glottal stop) [ʔ] というのも日本人的には子音が無いように聞こえます。
介音 (medial): 子音と母音の中間的な役割の音です。具体的には[j, w, r, i, u]です。[j]はピンインで言うところのyです。[i]と[j]、[u]と[w]の区別は難しいです。介音は2重になることがあります。介音が無いこともあります。
主母音 (nucleus): 韻腹ともいうらしい。これもないことがありえます(多分)。
韻尾 (coda): 韻尾は母音([-i], [-e], [-u]など)、鼻音([-n], [-m], [-ŋ]など)、促音([-t], [-p], [-g]など)、なし、などがあります。
韻 (rhyme): == 主母音 + 韻尾。韻を踏むといえばこの部分(と声調)が一致していることを指します。介音は一致する必要はありません。
韻母 (final): == 介音 + 主母音 + 韻尾。紛らわしいですが韻とは別物です。
声母 == 頭子音
全体を通して、口の上下の開き具合が、頭子音「狭い」-> 介音「中間」 -> 主母音「広い」-> 韻尾「中間・狭い」、となるように(1ストロークになるように)並んでいます。
これ以外に、1つの音節には声調があります。現代語ではトーンの違いで四声(第一、第二、第三、第四声と声調記号のない軽声)がありますが、唐代では平声、上声、去声、入声からなりました。このうち平声、上声、去声はトーンの違いなのですが、入声はトーンでなく韻尾に促音[-t][-k][-p]があることで区別していました。各声調の具体的なトーンの高さなどは諸説あるようで、発音記号には表されてないことが多い、と思います。
上古音や現代の音でも、音節の構造は維持されており、これを理解しておくことは役に立ちます。しかし詳細においては違いもあります。例えば現代の標準語では促音の韻尾はなく、母音に変わっています。上古音では2重子音が使われたと考えられていますが中古音以降はありません。
使用したツール
:: 小學堂
「本資料庫由臺灣大學中國文學系、中央研究院歷史語言研究所、資訊科學研究所、數位文化中心共同開發」とのことです。これでなくてもいいのですが、個人的には紙の辞書より電子辞書のほうがいろんな検索ができてありがたいです。詳しい操作法はマニュアルをご覧ください[小學堂2013]。
中古音を検索する (簡易検索)
上記のトップページから「漢字古今音資料庫」の横の「中古音」をクリックします。左上に検索用の「簡易查詢」入力フォームが現れますので、最も基本的な使い方は「字形」のところに漢字を入力して「確定送出」を押すだけです。
画面の2つ目のテーブルに聲母(声母)と韻母が表示されるため、発音する際はつなげて読みます。
何故発音が複数表示されるのか:
一つには時代の違いです。同じ中古音でも、魏晋、南北朝、隋唐と発音が少しずつ異なっているためそれらが並べて表示されます。魏晋、南北朝時代の声母については不明なことが多いため空欄になっています。
もう一つは学説の違いです。同じ隋唐に複数の発音があり、「擬音/○○系統」と表示されます。○○は研究者名で、研究者による擬音(再構音、推定音)の違いがあることを表しています。発音を引用する場合は誰の学説かを明記するほうがよさそうです (具体的な出典は「參考書目」のメニューを押してください)。詳しく知りませんが各研究者の特徴は以下の通り。
一つの漢字に複数の字號文字コードがある場合
例えば「好」という字で検索すると上の「好」の横に「12966(又18677)」と表示されます。これは発音が2種類あることを表します。「又18677」のところはリンクになっており押すともう一つの発音が表示されます。それぞれ意味・用法が異なります(この場合、12966の方はgood、18677の方は like、の意味で発音上は声調が異なっている)。意味は表示されませんので別途中国語の辞書を引く必要があります。この番号は字號と呼ばれていますが、Unicodeとは違う文字コードのようです(多分)。
画面の一番上の「廣韻」とは
後述。
うまく検索できないと思ったら以下を試してみてください:
注意: 字號(文字コード)を消す。
「字形」と「字號」の欄に両方値が入っていて両者が同じ漢字を意味しない場合はうまく検索できません。「字形」か「字號」の値を消して片方だけにして検索してください。大抵は直前に検索した字の字號が残っているケースです。
注意: 繁体字・簡体字・日本の字体の違い。
中国語の繁体字・簡体字で入力すれば問題はないと思いますが日本の字体で入力するとマッチしないことがあります。例えば「巣」では何も出ませんが「巢」では検索できます。異体字への変換方法はよく知りませんが、例えば[Wiktionary]で調べることができます。
上古音を検索する (簡易検索)
使い方は中古音の場合と同様です。前述のトップページから「漢字古今音資料庫」の横の「上古音」をクリックすれば検索画面に入れます。検索結果では主に上古音(先秦)が出ます。
マイナーな時代の発音を検索する (簡易検索)
漢代の発音は上古音の検索画面から、魏晋、南北朝時代の発音は中古音の検索画面から検索できます。しかし、実際にやってみるとわかるように、かなりデータが欠けています。画面上部「収録現況」のメニューからデータ件数は確認することができます。
上古音(兩漢) : 西漢==前漢、東漢==後漢です。収録件数はどちらも3000件程度であり、データがあるものも残念ながらわかるのは「韻部」のみとなっていて、具体的な音価(発音記号)は再現されていません。
中古音(魏晋) : 収録件数は4000件程度で、データがあるものも韻部、韻母(介音+主母音+韻尾)は表示されますが声母(頭子音)は分かりません。
中古音(南北朝) : 収録件数は4000件程度で、データがあるものも韻部、韻母(介音+主母音+韻尾)は表示されますが声母(頭子音)は分かりません。
一応、後漢の再構音については[Schuessler2006]がありますが、その他は最新論文などを探せばあるのかないのか、まだ調べがついていないです。
「廣韻」による字の分類
検索画面の上の方に表示されている「廣韻」について説明します。
廣韻は前述の「切韻」を受け継いで宋代に作られた韻書(発音の辞書)で、隋・唐時代の発音を保存していると考えられています。切韻の原本は一度分からなくなってしまったためこちらが研究上の重要な資料となっている、とのことです[中村2005]。
本来であれば再構音の発音記号が読めればこの知識は不要なはずですが、廣韻の分類体系は歴史的に字の音変化が起きる際の条件や範囲になっていることが多く、論文を読んで発音の推定根拠を知りたいとか、自分で古代の発音を再構する必要があるとか、既存の再構音の学説に疑いを持ってしまった、などのレアケースで役に立ちます。そこで採用されている漢字の分類方法を要約すると以下のようになります。
韻部 : 同じ韻(主母音+韻尾)を持つ漢字でできたグループです。一つのグループから1文字を代表として選んで「〇部」のようにグループを呼びます。
攝 : おおまかな韻のグループ(わかりません)。
聲調 : 声調です(前述)。平声、上声、去声、入声のどれか。なお、近体詩(唐代の定型詩)では押韻は声調もそろえています。また平声とそれ以外の声調(仄)をうまいこと並べてリズムを作り出す平仄というルールがある、そうです。
韻目 : 同じ韻(主母音+韻尾)をもち同じ声調を持つ字のグループです。つまり上記の韻部を声調で4種類に細分化したものです。一つのグループから1文字を代表として選んで「〇韻」のようにグループを呼びます。韻書のインデックスになっています。
字母 : 声母(頭子音)が同じ字のグループです。同一グループ内から1文字を代表文字とし「〇母」のようにグループを呼びます。
開合 : 円唇性の有無です。介音に[u,w]を含むものを合口、それ以外を開口といいます。
等第 (division) : これが最も難解なのです。これは韻図と呼ばれる表現方法で使われる分類で、韻(主母音+韻尾)を介音に基づき細分化したもので一等、二等、三等、四等があります。その細分化の基準はおおむね一等、二等は拗音(介音[-i-]とか[-j-]とか)無し、三等、四等はおおむね拗音有り、です。分類が完全に対応していない原因は隋唐時代より後(唐代後半-宋代)の音韻変化を受けて「等」が定義されたからとのことです[中村2005]。(初期バージョンが混乱だらけだったので修正中 2023/08)
三等と四等: 厳密には中古音には拗音に2種類あったとされ参考文献では[-ɪ-] と[-i-]でかき分けています([-ï-]と[-i-]とする説(有坂・河野)もある)。これが三等と四等の区分に相当します。もともと四等には拗音[-i-]がなく、隋唐期以降に形成されたものです。この過程で四等の一部が三等にマージしたほか、三等の一部が[-ɪ-]が脱落して二等にマージしたとのことです[中村2005]。
一等と二等: 拗音なしのグループです。このうち二等はそり舌音(retroflex)[Baxter-Sagart2014]または[-ɣ-][鄭張2013]がついていたのではないかという話がありますが一致を見ていないです。これらは多くの場合は上古音の介音[-r-]の名残とのことです。何もなければ一等となります。
さらに三等は2種類に分裂しているものがあり、これを重紐 (chóngniŭ, doublets)三等とか3Bとか呼んで区別しています。紛らわしいことに/-ji-/(重紐三等)と/-j-/(三等)などと (李方桂系統の表記)書き分ける文献がありますが実際の音の違いが何かはっきりしていません。上記の二等の定義でお気づきかと思いますが、「二等かつ三等」の性質を持つ韻があってもよく、これが重紐として区別されるという説があります。
また声母の種類にも一等か二等、三等か四等の分類が依存しており、およそ分類が直交していません。介音[-i-]など(拗音)は頭子音に作用して口蓋音化を引き起こすなどするためで、三等にのみ現れる子音があり得ます。
清濁 : 声母(頭子音)が無気音か有気音([ʰ])かを「全/次」で、無声音(清音)か有声音(濁音)かを「清/濁」で表します。鼻音[m,n]、流音[l]などは「次濁」だそうです。
反切 : 反切とはある字の発音を漢字2文字の組であらわす方法です(分類方法ではない)。1文字目から声母を、2文字目から韻母をとって組み合わせることでその字の発音とします。例えば國 [kwək]の場合「古或」(つまり[kuo]の[k-]と[ɣwək]の[-wək])となります。韻母の声調もマッチさせます。今となっては発音記号やピンインがあるので使う必要はないですが、中国や日本の古代文献で出てくることがあり当時の発音のヒントにはなります。
上字 : 反切の1文字目で声母(頭子音)を表します。
下字 : 反切の2文字目で韻母(介音+主母音+韻尾)を表します。
又音 : わかりません。
又切 : この漢字に他の発音があることを反切であらわしています。
発音から字を探す (応用検索)
トップページから「漢字古今音資料庫」のリンクを押すか、または上古音、中古音の簡易検索のページから「進階查詢」を押すと応用検索画面に移動します。
デフォルトでは「廣韻(中古)」の検索パネルが開いています。検索条件を追加するには上のメニューから目的の時代の系統を選びます。例えばここでは以下の2種類を追加します。
「中古」「隋唐」「擬音」「李方桂系統」
「上古」「先秦」「擬音」「李方桂系統」
例えば、「心」の字と押韻できる字を探してみましょう。あらかじめ前の節でやったように、中古音の簡易検索で「心」を検索し、その「韻目」が「侵」であることを確認しておいたとします。今回の応用検索画面(進階查詢)において、以下の操作を行ってみます。
「廣韻(中古)」パネル内の「韻目」に「侵」を入力し、「確定送出」を押します。
右側に結果が表型式で出ます。この段階では10ページ以上の結果があります。
結果をさらに絞り込むために、「隋唐李(隋唐/擬音/李方桂系統)」のパネルの「聲母」に「k」を入れて「確定送出」を押します。
右の表が更新され結果が絞り込まれたことが分かります。「金」「今」などが含まれていることが分かると思います。
「禁」の隣の「字號」列(この場合は09251)はリンクになっているのでこれを押してみましょう。
「禁」の検索結果を比較する画面が出ます。上古音[kl]と中古音[k]では声母に変化があったことが確認できると思います。
この場合はうまく検索できるように見えるのですが、実際に使う上では以下のような難しさもあります。
「聲母」「韻母」には発音記号で入力する必要がありますが、どのような子音や母音が当時使われていたかを知っていないと、適切な候補を入力することはできないです。最初は検索条件を少なめに設定し、結果を見ながら徐々に絞り込むといいと思います。また発音記号だけでなく「廣韻(中古)」の検索条件も併用して"相対的な"絞り込みを行うのも有効だと思います。
関連して、そもそも発音記号をキーボードで入力するのが難しいという問題があります。実は「聲母」「韻母」をダブルクリックすると補助キーボード画面が表示され、複雑な発音記号を選択できるという隠し機能があります。同様に「韻部」「韻目」についても、ダブルクリックすると選択肢(すなわち、各グループの代表文字)が表示されます。
「廣韻(中古)」はあくまでも中古音の分類体系であるため、上古音や近代・現代音の検索条件とのミスマッチや限界があるでしょう。前述のように押韻できる字の組み合わせも時代によって変わっています。
うまく検索できないと思ったら以下を試してみてください:
時間がたつと(1時間?)検索条件がリセットされる: セッションが切れてしまうのか、画面上では検索条件がセットされているように見えるのですが、「確定送出」を押してもその条件は反映されていません。この場合は筆者の知る限りではリロードして検索パネルの選択と検索条件の入力からやり直すしかありません。
より詳しく(参考文献)
筆者はこの記事を書くために初めて勉強したというレベルなのでおかしいところはご指摘いただければ幸いです。
[Reconstructions of Old Chinese - Wikipedia] Reconstructions of Old Chinese - Wikipedia
[中村2005] 中村雅之, 2005, 音韻学入門~中古音篇~ 『KOTONOHA単刊』古代文字資料館発行
富山大学-1998-人文学部音韻学入門-中古音篇-富山大学人文学部中国言語文化演習テキスト を収録したもの。
KOTONOHA単刊目録 http://www.for.aichi-pu.ac.jp/museum/setsumei/kotonoha-tankan-set.html
[漢語史 - 维基百科] 漢語史 - 维基百科,自由的百科全书https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E8%AA%9E%E5%8F%B2
[小學堂2013] 小學堂中古音資料庫使用簡介
[Schuessler2006] Axel Schuessler (2006) ABC Etymological Dictionary of Old Chinese, University of Hawaii Press
書籍。電子書籍を使用。
上古音(後漢, Late Han Chinese)の辞書です。Baxterの上古音の再構とも比較されています。冒頭の再構音のアプローチや様々な周辺言語との関連など勉強になります。
電子版の文字コードの問題なのか、漢字で検索できなかったのが残念な点です。また辞書部分が目次では1個の章になっており特定のインデックスにジャンプすることができないです。やむを得ず、自力でしおりやアノーテーションを重要なページや区切りに設定して使っています。
[鈴木2013] 篇韻データベース - 鈴木慎吾 (大阪大学 言語文化研究科) http://suzukish.s252.xrea.com/search/
漢語上古音檢索(鄭張音)のリンクから検索画面に入れます。
上古音の電子辞書で異常な速さで検索できます (多分、入力中から投機的にデータを探している)。UIから発音記号を選んで検索することも可能です。使用データは鄭張2013(第2版)(郑张尚芳《上古音系》. 上海: 上海教育出版社. 第二版2013年)とのこと。BS音価はBaxter and Sagart (2014?)と思われる。
その他、韻図検索や広韻検索などプロフェッショナルな機能が満載。
[Wiktionary] Wiktionary, the free dictionary
英語版で漢字を入れて検索すると現代語(中国語各種方言、日本語、朝鮮語、ベトナム語)のほか、Old Chinese (上古音)、Middle Chinese (中古音)の発音も表示されます。[more ▼]を押すと各系統や反切・開合・等なども出ますがソースは広韻と思われるものの明記はされていません。UIとしては漢字検索のみ(他言語と共通)。
収録辞書は新しめだが収録件数などはよく分かりません。
OC: Baxter-Sagart (2014), Zhengzhang (2003)
MC: Zhengzhang Shangfeng, Pan Wuyun, Shao Rongfen, Edwin Pulleyblank, Li Rong, Wang Li, Bernhard Karlgren
[鄭張2013] 鄭張尚芳 (2013). 『上古音系』2nd ed. 上海. 上海教育出版社.
[Baxter-Sagart2014] Baxter, William H. & Laurent Sagart (2014) "Old Chinese: a new reconstruction." New York: Oxford University Press.
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