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アウシュビッツ強制収容所へ行く。

「父と暮せば」(英題:The Face of Jizo )をアメリカで上演する為に2019年12月に渡米するのだが、その前に行きたい場所があった。

それは、ポーランドにある「アウシュビッツ強制収容所」

原爆のことを描かれている「父と暮せば」をアメリカで上演するから、世界で起きた悲劇をちゃんと自分の目で確かめたいと思っていた。
それは、おじいちゃんとおばあちゃんから戦争体験を聞いた時に感じた知る責任や、
2017年4月に陸前高田市に降り立ったって初めて体に腑に落ちた瞬間を経験したことから、行ってみたいと思っていた。

2019年12月、とうとう私はポーランドのワルシャワに降り立つ。

街はクリスマスムード一色だった。大きなクリスマスツリー
ポーランドワルシャワの市街

ポーランドのワルシャワは、第二次世界大戦時、ドイツとロシア、二ヵ国から責められ綺麗な街並みは壊滅状態だった。

しかし、ポーランドの国民は自分たちの手で美しい街並みを再び再現した。

ワルシャワの街並みを見た時に、私は国民がワルシャワに対してどれだけの誇りを持っていたか、壊滅になっても希望を捨てなかったポーランド国民を心底尊敬した。

綺麗な街並みを見て、テンションがアゲアゲ状態の私は、古都クラクフに移動する。そこからアウシュビッツに行くバスが出ているからだ。

アウシュビッツは、とても辺鄙な場所にあり、だだっ広く、とても寒々しかった。

ここに夢を持ってみんな来ていた

アウシュビッツに降り立ち、規模を知って愕然とした。
教科書で何万人の人がここに到着したと教えられてもピンと来ない。
でもここのだだっ広い風景を見れば規模が分かる。
日本では中々見れない風景だった。

トイレ中もずっと見張られている。


ガス室

地下一階は脱獄しようとした人の牢獄になっていて、空気は薄く、光がない。写真撮影禁止だった。はっきり言って、ここに入れられるくらいなら死んだ方がマシだと思った。

ガス室はもう70年以上も経っているのに、ガスの匂いがこびりついている。
私はガス室に入った時、息ができなくて早々と出た。
外に出た瞬間、「オェー!オェー!」と吐き気のような咳き込みが。体の拒否反応が凄じい。
「この東洋人の女、大丈夫か?」とジロジロ見られる。

行ってみないと分からないことがいっぱいある。
五感を通して、体に腑に落ちて、現実を知る。
体に腑に落ちると、とてもダイレクトで、この文章を書きながらでも昨日のことのように思い出すことができる。

ちなみに、気分が落ち込んでいる時にはアウシュビッツ強制収容所には行かない方が良いだろう。

でも、私はアウシュビッツからクラクフに戻った時、クリスマスムードの賑わいを見せる綺麗な街並みや、煌びやかな教会を見て、心が救われた。

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