共感とは_.001

IDEO Uの学びシリーズ④共感とは?

「直感を大切にする」それが共感において最も重要なことです。そもそも共感には他人の状態を察する能力があります。出来る限りその人の状態・状況に自分の身を置くことです。共感は「知ること」ではなく「感じること」に重点があります。

では具体的に「共感」はどうデザインに影響するのでしょうか?
1 最初の思い込みを超える
共感することで、デザイナー自身が無意識に持っている思い込みを超えることができます。

2 感情はモチベーションに繋がります。
カラダで感じた経験は、デザインのモチベーションに繋がるのです。知ることではなく、体験することが共感のコアです。

3 チームを1つにする、一緒に体験する。
共感したことで共通の認識や文脈がチームに生まれます。楽しさという言葉ひとつでもメンバーそれぞれが違う楽しさをイメージしています。共通の認識があることでその後のデザインが進みやすいでしょう。

共感の4のコツ

1 見方を変えてみる
子供目線になってみたら?お年寄りになってみたら?もし目が見えなかったとしたら?例えば、子供目線で子供洋服店を見て回ったらどんな体験があなたに待っているでしょうか?

2 制限をかけてみる
弱視の人の体験をするには、メガネにワセリンを塗ってみる。リウマチの体験をするには関節の動きをテープで固定してみる。この状態でコーヒーショップに行ってみましょう。買うこと、席に座ることがどれだけ大変か理解できます。 

3 実際に体験してみる
クライアントの許可があればですが、デザイナー自身が実際にその状況を体験してみることは強烈なインスピレーションになります。IDEOの事例では救急病院で実際にデザイナーが急患になり、ビデオを撮ることで実際の患者はどこを見ているのか、何が不安なのかチームと共有することができたそうです。例えば、ベットで運ばれる患者は病院の白い天井を見続けて移動していることになります。これは医療スタッフにとっては患者の移動は普通ですが、患者にとってみれば良い体験とは言いにくいでしょう。

4 類似体験をする
実際に体験することが難しいコトもあります。火事現場や実際の病気にかかるなどです。この場合、似ているような体験をします。例えばヤケドの治療であれば、実際にプロジェクトのためにヤケドをすることはできないので、代わりに脱毛ワックスを塗り、剥がされる体験が類似体験に当たります。

次回はインサイトについてです。

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