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摩擦を使いこなす

行動科学系のオンラインコースMindWorxAcademyでの学びをまとめていきます。

・モチベーションを上げる解決策はたいていお金がかかる。モチベーションを上げるよりもカンタンにしてあげよう。たとえばプロセスの一部をなくすなど。
・望ましい効果を今ある行動に相乗りさせよう。
•摩擦を増やすことはユーザーの注意を引くこともできるし、望ましくない行動を防ぐこともできる。


感動よりもスムーズさを人は求めています。モチベーションを上げるよりもユーザージャーニーの中で摩擦となっている部分を取り除いたほうが望ましい行動を取ってくれます。

最近よくお店の入り口に消毒液があります。観察すると消毒する人としない人がいます。お店に入る前に消毒液をシュッとする行為は新しい行動です。

消毒液をお店の入り口に置くよりもドアノブに消毒液を噴射する機能をつけたほうが確実に手を消毒できます。

すでにユーザーが取っている行動に相乗りして理想とする結果を導く方法もあるのです。

会員登録よりも先に購買体験を

シンプルな購入確認ページ、決済画面、会員登録フォームがあったとしてもユーザーにとっては摩擦であることを忘れてはいけません。時にはプロセスの一部をなくす決断も必要です。

たとえばAmazonの「1クリック購入」は購入確認や決済方法などを飛ばしていますし、ECサイトにある「ゲストとして購入」は会員登録のプロセスを飛ばしています。

運営側からすると会員情報が得られないと思い込みがちですが「次回の買い物をよりスムーズにするために会員登録をしませんか?」と聞くだけでも多くの人が情報を入れてくれるそうです。

ユーザーの暴走を防ぐには

摩擦を増やすことで"逆に"ユーザーの行動を促すこともできます。

例えば服薬。1998年、イギリスである薬を患者が過剰摂取してしまう問題がありました。この原因を調査したところ、患者はビンに入った薬をカンタンに取り出せることにありました。

そこで錠剤一つ一つをパッケージ(ほとんどの薬が今はそうですが当時は違っていたようです)にすることで手間を増やし過剰摂取を防ぐことに成功しました。

IKEAは摩擦をうまく使いこなしています。

IKEAはお店全体がショールームとマーケットホールに分かれていてます。ショールームは顧客に衝動買いをさせるように、マーケットホールはついで買いを誘っています。

ショールームでは実際に家具を配置した様子が分かり、店員もほとんどいないため、顧客が自分で試すこと(ベットに寝たりして)ができます。触ったり、試してみたりすることで保有効果が働き購買へ繋げています。

マーケットホールはグループごとに商品が配置されていますが、ついで買いを誘うために少し迷路のように迷うことを前提としています。店員に聞かないと分からない程度ではなく、少し迷うけどなんとか自分で探せるレベルです。

IKEAを訪れた顧客がもっとも嫌うことは見逃した商品を取りに戻ることです。そのため各セクションの終わりにショールームで見せられた商品が買えるようになっています。

ショールームのセクション:キッチン用品、テキスタイル、バスルームアクセサリーなどの各セクションの間には、わざと顧客の足を引っ張るスポットがあります。これはアクティビティエリアと呼ばれます。

アクティビティエリアでは季節の商品やイチオシ商品が陳列してあり、物理的に顧客の目に入るように設計されています。

摩擦をうまく使うことで顧客を誘導し売上に貢献しています。




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