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転職活動を終えて無職になりました。

会社を辞めたのは7月末。それから1ヶ月以上にわたって転職活動を続けてきた。

まずはビズリーチに登録し、履歴書や職務経歴書、英文レジュメなどをアップし、本格的な職探しをスタートした。

ビズリーチは、転職エージェントのプラットフォームになっており、ビズリーチに登録した求職者に「スカウト」することができる仕組みとなっている。

スカウトされた求職者は、エージェントと基本的にはリアルの場で面談し、求人を紹介してもらう。

利用料は無料だ。エージェントは求職者を企業に入社させたらその入社者の契約年収の数10%をもらう。これがビジネスモデルだ。

私も、登録したばかりの頃は、様々なエージェントからスカウトを受け、「自分はこんなに市場価値が高いのだ」とテンションが上がっていた。数多くのエージェントが私に会いたがった。1

全部で6社のエージェントを使い、1ヶ月に渡って、約20社ほどの面接を受けた。

最初は、共同通信→ビジネスインサイダーの経歴を活かし、ライターや編集の職を受けていた。

Googleカレンダーを見返しながらどんな企業を受けたか振り返ってみると

・医薬品業界の業界紙、じほう(一次面接落ち)
・NHK(書類選考落ち)
・朝日新聞(書類選考落ち)
・マイベスト(一次面接落ち)
・弁護士ドットコム(一次面接落ち)
・トレンダーズ(一次面接落ち)
・マネーフォワード(一次面接落ち)
・INCLUSIVE(一次面接落ち、道に迷って20分遅刻)
・アイ・キュー(一次面接落ち、『日本の人事部』運営)
・Donuts(一次面接落ち、ミクチャやハウコレ運営)
・LIG(一次面接落ち)
・INFASパブリケーションズ(一次面接落ち、WWD発行)
・グロービス(辞退)
・ニューズピックス(辞退)

有名どころはこんなところか。あとは小さなスタートアップなど。リクルートやコンサルも受けようと思ったが、やめた。書類選考落ちのところも含めれば、結構な数だ。

「フリーランスになる!」と軽躁気味で会社を辞め、クラウドソーシングでは食っていけないと悟ってからは、まず朝日新聞に照準を絞った。

学生時代からの憧れの新聞で、連絡を取ってみると障害者採用にも積極的だった。

エントリーシートは1週間くらい練りに練って書いた。上に挙げた企業は全て病気をクローズドで受けたから自分を取り繕わなければならなかったが、朝日新聞は障害のことをオープンにしていいので、エントリーシートも思いの丈を書いた。

出来上がったエントリーシートは満足な出来だった。テストセンターに筆記試験も受けに行き、弱い立場に優しい朝日新聞なら障害者枠でなら試験をパスしてくれるだろうとたかを括っていた。

結果、書類選考落ち。

精神障害だから落ちたのか、書類の内容やテストの結果が悪かったのか、落ちた理由はわからない。

朝日新聞の待遇に魅せられていた私は、この頃から、「何としても良い企業に入るべきだ」と考えるようになった。

上で挙げたように、履歴書は悪くないものだから、転職活動を本格化しても、書類選考で落ちることはあまりなかった。

しかし、一次面接でさえ受からない。最終面接に行けた企業は、ない。

なぜか。

「雇ってくれるならどこでもいい」というマインドがあったから受からなかったのだと思う。

たくさんの企業を受けているから、個別企業の志望動機なんて、小手先で作った薄っぺらいもの。

数をこなしていくうちに、どんな企業に入りたいのかもわからなくなってきた。

メディアがやりたいのかさえ分からなくなり、人材系やコンサルにもエントリーした。

そして、今、予定していた面接を全てキャンセルし、転職活動を終えた。


結婚して、大黒柱が無職。

両親にもカンカンに怒られた。

そんな折、ある人生の先輩に就職活動のことを相談した。

その人とは、以前通っていた就労移行支援施設の社長だ。

社長は、私は病状がよくないから、また就労移行支援に通えという。

洗脳されやすい僕は、それでも良いかなと思った。

失業保険と障害者年金と、妻のわずかばかりの収入で、暮らせないことはない。

妻がかなりの倹約家なので、生活費は月に10万円ほどだ。

かなり気が揺らいだ。

就労移行支援施設に通っていれば、「卒業」と同時に就職もできる。

家庭をもつ身として、そうすべきなのかもしれない。

しかし、通う気にはなれない。卒業して企業勤めをしたって、長続きしない気がする。そうすると、応援してくれる就労移行支援施設にも迷惑がかかる。それに、就労移行支援で学ぶことは、以前の繰り返しだ。当時のメモを見返せば事足りる。

そもそも、双極性障害とADHDという扱うのが難しい病気のダブルパンチなのだから、企業勤めに向いていないんじゃないか。

企業に勤めているから、休職したり、辞めたりすることになる。

妻に相談すると、無職であることについては「別にいい」んだそうだ。

だったら、気楽に考えて、フリーで生きていく道を選んでもいいではないか。

しかし、ライターになるにしても、もはや、書きたいものなんてない。

自分にできるのが書くことぐらいだから、業務委託でもなんでも、このスキルでお賃金がもらえればそれでいい。

強いて言えば将来、医療関係のフリーライターになりたいとは思っているが、それが叶わなくても、会社勤め以外の食い扶持があれば、なんでもやっていくつもりだ。それがベーリング海のカニ漁であっても。

そう考えると、だいぶ気が楽になった。

それからの私は、早速ネットで物書きの業務委託を探し始めた。給料が安くても、業務委託なら「副業」が可能だから、自分の裁量で仕事量・収入を決められる。

会社の福利厚生に守られないという意味では、かなり不安定な道をいくことになる。ましてや、厄介な病気を抱えている。

一時期は障害者雇用も考えた。でも、会社勤めをしている以上、病状いかんで会社に迷惑をかける。

フリーは、流行っているという文脈とは別に、病気を持っている自分には合っている生き方に思えた。

ものを書くことについてはそれなりに訓練を積んできたつもりだし、読書量もそれなりにある。

無職から脱する第一歩としては最適に思える。

軽躁が一段落した今、いくぶん消極的な理由であるが、フリーライターとして食べていく決心をした。

フリーライターは、資格のいらない職業だ。名乗ってしまえば今からでもなれる。

資格といえば、私は精神保健福祉士の国家資格の勉強をしており、2年後には精神保健福祉士になる算段だ。

そうなった時、医療関係施設に勤めるだろうか。

いや、今の希望としては、精神保健福祉士の資格をもつ医療関係ライターになりたい。

応援してくれる人は、妻と、両親だ。もちろん、義母や義父に決心を伝える心の準備はまだできていない。

高校、大学の友人たちはなんて言うだろう。

みんな、会社勤めで年齢相応に責任ある仕事をしている。

でも、もう周りとは比べない。

転職活動をしてみることで、会社勤めには向いていないという一つの大きな気づきを得た。そういう意味では、2ヶ月間、本気で転職活動をしてよかった。

同じ病気の人たちはどのように食い扶持を稼いでいるのだろう。

双極性障害は再発率が極めて高く、会社勤めには向いていない。

双極性障害に限らず、精神病を患うと、気分に激しい波があるので、実家で食わせてもらったり、生活保護で生きて行ったりする。

私の将来の夢は、医療関係のフリーライターで資金を貯め、頃合いを見て起業し、精神病の方々を雇って小規模ながら持続可能性のあるコミュニティ(会社)を作ることだ。

社長の私は、社長業をしながら文筆業で会社の収入を得る。秘書は妻。もう生きる希望がないという精神病の人を、利用料をいただいてサービスを提供するのではなく、直接雇う。その方々には自分の得意分野を活かして働いてもらい、会社から給料を払う。

農園を運営して精神病の人を雇い、売った農作物から得られる収入を従業員に給料として支払う会社もあると聞く。

でも私がやりたいのは、農園ではなく、精神障害者で作る多事業の会社だ。

私が通っていた就労移行支援施設には、高学歴、高収入の方々が多くいた。

そういう方々を雇って、持続可能性のある会社を作る。そういうハイスペックな人たちには会社の中枢を担ってもらい、病状が重い人は軽作業で収入が得られるようにする。

繰り返しになるが、組織上必要な役職を除き、従業員はフリーランスのように自分の強みを活かして働く。

資本主義の世の中だ。しかもここは日本だ。国からの補助頼りではなく、利用料を取るのではなく、寄付を集めるのではなく、事業体として利益を上げていく。

会社名は「tutoyer(チュトワイエ)」。フランス語には「you」が2種類あり、格式張っていて丁寧な「vous」と、親しい間柄で用いる砕けた「tu」がある。「tutoyer」は「お互い親しくtuで話そうよ」という意味があり、初対面でこれを言うと一気にリラックスした会話になる。

私の会社も、tutoyerを社名にすることで、社長や上司、他の従業員はタメ口で話す。その方が絶対生産が上がると確信している。

夢想が進んでしまったが、この将来の夢のために、フリーライターとして起業資金を貯めなければならない。

大言壮語は言わない。背伸びもしない。夢想は夢想。

とりあえずは、妻と毎日、犬と戯れる生活を死ぬまで続けられるよう、継続した収入を得ることが先決だ。

その手段として、私はフリーランスを選ぶ。

別に仕事がなくなったらアルバイトでもカニ漁でもすればいい。

まずは、スモールスタート。

週が明けたら、「就職活動」という、企業に選んでもらうという受け身の活動ではなく、自分にあった職探しを主体的に行なっていく。

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