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タンドリーチキンのレシピとインドで激辛カレー食ってフラッシュバックを起こしたお話

タンドリーチキンは北インド料理で、南インドではあまり作られる事はないそうです。

タンドリーチキンは本来、オーブンではなくタンドール窯(ナンを張り付けて焼く壺みたいなやつ)を使って焼くもので、デリーやジャイプールなどの北部の都市では屋台のメニューとしてもお馴染みです。


もくじ

1 日本人は本場インドで食べてはいけない
1.1 日本人は鴨ネギ
1.2 インドは貴重な体験を与えてくれる
1.3 マジもんのフラッシュバックはこんなん
2 オーブンで再現する
2.1 タンドール窯について
2.2 タンドール窯の内部は何度?
3 作り方
3.1 材料
3.2 作り方
4 カロリー
5 上手に作るコツ
5.1 北インド料理はココナッツミルクを使わない
5.2 火入れは輻射熱で
6 あの赤さの正体は食紅
6.1 パプリカは着色スパイス
6.2 日本人がインドの屋台のタンドリーチキンを食ったらヤバい理由


日本人は本場インドで食べてはいけない

日本人は鴨ネギ
私「あ!……あれ何、あの赤いの? ねぇラジュさん、もしかしてあれってタンドーリチキン?」

ラジュさん「あぁ、りょうりんさぁ~ん、絶対、絶ぇ~っ対、屋台の料理、食べないでくださいね?」

ラジュさん曰く、日本人はインドの屋台料理を食べると腹を壊すのだとか(笑)

ただでさえ「水が危険」との事で注意が必要なインドでの食事ですが、特段衛生的な環境に慣れ過ぎているデリケートな日本人にとってインドの屋台料理はヤバさ極まるシロモノであるとのこと。

「ヤバい」と聞くと身をもって体験したくなるのが私の性分ですが、優しいドSのラジュさんは車を止めてはくれませんでした。

インドは貴重な体験を与えてくれる
国際人の私はヤワで保守的なジャパニーズにはなりたくなくて、日頃から外国人には日本語で喋り掛け、床に落ちたものでもあえて食べるよう訓練しています。

なので悪意も無く30cmの距離でガン見してくるインド人にもインドの水にも負けませんでした。

しかし一緒に旅行に行った友人・鈴木はそういう行為を「品性下劣」と見なすタイプの嫌な野郎で、インド旅行の言いだしっぺのくせに見事にヤバい事になり、峠を越える頃にはまるで聖者のようにゲッソリと毒気が抜けた表情になっていました。

インド旅行は我々二人に多くのものを与えてくれ、鈴木には天罰を、私には超絶激辛カレーを食べて人生初のフラッシュバックを引き起こすという貴重な体験をさせてくれたのでした。

マジもんのフラッシュバックはこんなん

フラッシュバックって、目を瞑っているのに過去の出来事が「有色のビジョン」だけでなく「臭い」や「音」や「感情」など全ての【記録(意識下の記憶とは限らない)】が一切圧縮されずにそのまま再生されるんですよ。

そのビジョンを自分視点で見ながら「あ、そうそうこの時こんな事思った!あぁオレはこんな事考えてたのか……確かに思ったわ」とか、「因って来る子供に不安?ていうか警戒心を抱いてたなんて……自分でも全然気付かなかった」など、自分の考えた事すら超高解像度で記録されているんですね。

私のフラッシュバックした記憶はその日の出来事で、ジャイプールにてラジュさんから風の宮殿の説明を聞いていた時の事でした。

奴は現地ガイドのくせにイントネーションがおかしいから私は理解しようと一生懸命聞いていたのですが、羊やラクダの鳴き声、人々の話声、乞食活動に勤しむ子供たちに囲まれ、普段こんなにも脳を使って生きているのだなぁと思わされます。

知りもしないヒンディー語の文字までフラッシュバックのビジョンを見ながらであればそっくりそのまま描けるので、我ながらその記憶の鮮やかな事に驚きました。(記憶と言うか六感全てを駆使した記録なので当然と言えば当然ですが)

フォトメモリーでもなくビデオメモリーでもなく、三次元の空間+感情+音声+etc……全てが記録されたメモリーなんですね。

30秒ほどの出来事でしたが、脳が一時的に記憶しているデータが如何に膨大であるかを知った一件でした。

ちなみにその直後、頭が焼けるほど熱くなってきて目を閉じているのにクラクラと目が回り始め、

「このままでは発火して死ぬ!!」

と直感した私は目をカッ開き、トイレへダッシュして便器に顔面を突っ込んだのでありました。

オーブンで再現する

タンドール窯について
さてはて、タンドール窯は北インドから北はスタン各国、西はイラン、東はシルクロード全域に渡り使われる【粘土と干し草によって作られる窯】で、日本ではセラミック製のものが主流なのだとか。

本来は炭火でタンドール窯を温めて使用するわけですが、日本では法律の関係上、ガスを使ったタンドール窯を採用するお店も多いらしいです。

ちょっと乱暴に扱うとすぐ割れてしまうので、壺は台に固定して設置するのが基本です。

タンドール窯の内部は何度?
ナポリのピッツァ窯は450℃~500℃と言われていますが、タンドール窯は300℃~350℃くらいだそうです。

一般家庭のオーブンの最高温度は250℃なので、タンドリーチキンはナポリピッツァよりは幾分再現性があるかと思います。

皮目がパリパリで余計な水分が抜けた甘辛いタンドリーチキン、せっかくならフライパンよりもオーブンで本場気分を味わいたいですよね。

作り方

材料
・骨付き鶏もも肉 2本(400g)
・塩 小さじ1/2
・白胡椒 少々
・すりおろしニンニク 1/2片分
・すりおろし生姜 ニンニクと同量
・ヨーグルト 100ml
・基本のトマトソース 50ml
・クミンパウダー 小さじ1/2
・シナモンパウダー 小さじ1/2
・ターメリック 小さじ1/2
・レッドペッパー 小さじ1
・アムチュール 小さじ1
・コリアンダーパウダー 小さじ1
・ハチミツ 大さじ1
・粉末食紅 小さじ1強

作り方
①骨付き鶏もも肉を肉側を表にして骨に沿って出刃包丁を入れ、左右に開く。
②肉の厚みがある部分をさらに縦に切って肉を開く。
③ボウルに①~③以外の全ての材料を入れ、ダマにならないようによく掻き混ぜる。
④骨付き鶏もも肉を④と一緒にジップロックに入れ、空気を抜いて半日浸け込む。
⑤オーブンを250度で予熱し、耐熱皿に骨付き鶏もも肉を入れて15分間焼く。
⑥オーブンから取り出し、皿に盛りつけて完成。

カロリー

りょうりんのタンドリーチキン一本は大体 458 キロカロリーくらいです。

上手に作るコツ

北インド料理はココナッツミルクを使わない
タイやインドネシアを始めとする東南アジアや南アジアは緯度が同じくらいのところに位置します。

しかしインドは国土面積が非常に広大である事から北と南ではだいぶ経度が異なるんですね。

「ココナッツミルクも使わずにどうやってカレーを濃厚にするの?」という疑問が沸いてきますが主にカシューナッツペーストや生クリームを使ってコクを出すようです。

火入れは輻射熱で
タンドール窯による火入れは直火でも窯表面の熱によるものでもありません。

主に遠赤外線から得られる輻射熱で食材の中心部まで熱を通すところにその魅力があるのです。

厚切りの肉をフライパンで焼くと、表面だけよく焼けているのに中心には火が通ってない……それどころか温まってすらいない事がありますよね?

日本では七輪がタンドール窯に近い調理器具と言えますが、輻射熱を利用すると遠火でも中心まで熱が入るので短時間でも表面はパリパリ、中も熱々といった具合に、都合良く火入れする事が出来るんですね。

オーブンで全く同じように再現することは難しいですが、なるべく皮目がパリパリになり、表面が焦げないような時間を考えると【250℃で約15分】という数字になるわけです。

ただし250℃だとかなり身が固くなるので、ふっくら仕上げたい方は【140℃で90分くらい】焼くいう手もあるでしょう。

魚焼きグリルで焼く場合は底面にアルミホイルを敷いて、出来るだけ火から離して弱火で焼くと上手に焼けるはずです。

あの赤さの正体は食紅

パプリカは着色スパイス
スパイスの基本ですが、パプリカは味にあまり影響を与えないので着色料として使うのが主な用途になります。

しかし、あの毒々しいまでのタンドリーチキンの色はパプリカだけでは出せません。

ちなみに我が家の粉末着色料は紅麹から採られたものらしいです。

このレシピはご家庭で召し上がるための料理なわけですから、色までは気にしないよという方は使う必要がありません。

日本人がインドの屋台のタンドリーチキンを食ったらヤバい理由
私は違和感のある、明らかにおかしなものに心惹かれます。

「こんなに作ったって売れねーだろ!やること無いからってやたらに作んな!」

って言いたくなるくらい山積みになってるんですね、タンドリーチキンが。

「売ってから作れ」と、言って分かるなら苦労しません。

ニワトリのように警戒心のない外国人観光客が「スイマセーン、コレクーダサイ」と言えば屋台のインド人は下~の方からスッとチキンを抜いて差し出すわけです。

そして「イクーラデスカ?」と聞くと、看板に180ルピーと書いてあるのに「450ルピー」と答えます。

日本のインド人はそんな事はしませんが、インドのインド人に関しては信用する方が悪いんです。

郷に入りては郷に従いましょう、呼吸をするように嘘を吐く現地のインド人を信じることは愚かな事です。

もちろん真っ赤な食紅は古さ、鮮度の悪さを隠すためであり、下の方のチキンは何日も前に出来たもの。

そのくらいの想像力はピーン!と働かせなければ、被害を被り彼らを悪者にする羽目になってしまいます。

悪者を作るのは常に被害者。

こんなに楽しいエンターテインメントだってのに、私は現地のインド人に「お前等嘘付くな」とは言えません(笑)

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