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曙光のように先駆けてくれ 栄光富士・朝顔ラベル(前編)

どうもこんばんは、りょーさけです。

最近ようやく息子が自分の声かけに反応してくれるようになってきました。クッ・・・いままでお父さんサボりすぎてたのかな。こどもは正直ですぞ。面白い人には面白い。ツマラン人は、無視であります。これが現実です。

ということで今日は久々にシンプルな酒レビューと行きましょう。お酒はこれです。栄光富士・朝顔ラベル。酒米の王様山田錦と、やや寒冷な地域の女王(勝手に名付けました)美山錦の共演ですね。

日本酒は言うまでもありませんが米からできています。で、当然米にもいっぱい種類があってですね…使うものによってそれぞれ味に個性が出ます。

ごく一般的に言えば、山田錦はふくよかで丸みがあり素直にうまいと言いたくなるような味が出やすいです。美山錦は山田錦ほど味が濃くはなりませんが、代わりに品がよく美しい線の細さと苦味を持ち合わせたお酒になりやすいです。
それらがうまく合わさると、程よく味が乗りながら後味は苦味を伴って爽やかに流れていくお酒になります。

(上記はあくまで超理想論であり、場合によっては机上の空論です。日本酒は製造工程上よほど凝った造りをしない限り酒米の個性がもろに出ることはあまりないのです。それはまた別の機会に…。)

で、

話題はこの栄光冨士の味でしたね。

香りはパイナップル。熟れすぎてないパイナップル。ゆっくりと嗅ぐとそんな感じ。スススっとすばやく嗅ぐとアルコール感…と言ったら味気ないな。爽やかな青竹の香りです。
栄光富士は華やか(すぎる?)香りのイメージが合ったのですが、これはどちらかといえばおしとやかです。品が良い。

口に流し込むと…パイナップルを噛んだ時そのままの印象…に、早くも苦味が混ざる。不快ではない。清濁を7:3くらいで持ち合わせている。ジョークもわかる洒脱な人柄(酒柄?)を感じさせます。質感はややまろやか。飲み込むと軽くて爽やかな旨苦がすぅーるぅーりと口から喉の奥、食道まで流れていく!

パイナップル香がする酒はオイリーなことが多いです。香り&の性質から察するにフルーツ×軽くてやや苦味のあるチーズ×オリーブオイルとかのサラダなんかが鉄板の組み合わせでしょうか。

香り華やかで甘旨が程よくあって苦味と旨味もある。線は細め。

これはもしかしたら初めに言った2つの酒米の特徴をうまく兼ね備えていると言えるかもしれません。

いいですね。
この苦味が朝顔なのかな。朝顔って濃いから淡いまで様々な色を含んで早朝に開花しますよね。で、キラッキラに輝いているイメージがあるけれど、でもちょっと朝露に濡れている。凛々しくて美しいけれど、ただ花が美しいんじゃない。水がついてる。花弁が垂れ下がる。華にとっては負担だ。でもよく見るとその水に朝の陽の光、曙光が乱反射して鮮烈で複雑な光を映している…。

美しい香りと味に含まれた一枚の苦味が特定シチュエーションの花弁を連想される。

ちょっと、素敵な気がします。僕は好きです。

ふう。いい酒だ。

曙光で思い出したんで、いっこ詩を引用させて下さい。

恋よ
ぼくらふたりのはるか視線の達する果てを
先駆けよ真白い霜のうえに、いま黒く点々とふり撒かれた無数の種子が
すぐさま
さえずるような芽生えと思う
あの微風の
なまぬるさ爽やかさをも
燕のように
飛びぬけよ金色にみのり輝く麦の穂の波うつうえには
高鳴るはばたきの影もとどめず
恋よ
飛びたって
ぼくら恋するふたりの予想する
収穫の多少に眼(まなこ)そらすな恋よ
もはやぼくらのと云おう以外に
一切の呼び名もたぬもの恋よ
おまえの凝視しつつすすむ
きらめきは
終始
むしろ無邪気なほどに切りこもう鋭い「時」の刃先に
光をかえし
懊悩する
ぼくらの
地平をこえて
敢然と
曙光のように
先駆けよ。

木島始さんの詩です。信長貴富さんという現代合唱曲の作曲家さんの手で合唱曲にもなってます。

「曙光」って入ってるから思い出しただけです。
だけだけど、これが美しいのです。

ちょっと酒の味とダブってきた。詩の形が。

まあ、ちょっとこの詩を眺めておいて下さい。
予定外ですが、これも「前編」にしてしまって後編で思いっきり語りたい。

いいですか。(何がだよ)
恋はわれらのくだらん環境状況を切り裂くようにやってきていつでも新しい。

そう、曙光なのです。
恋は曙光。朝の光。

すべてを置いてけぼりにして、燦然と輝くのです。

今日はここまで!!!(強引)

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。