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【教育心理学】「見通し」について

こんにちは。吉田です。
心理に関する国家資格と民間資格を持ち、学校の先生方や障害児施設のスタッフさんへコンサルテーションや研修を行ったり、自分でも直接子どもたちへの支援を行ったりしております。

さて今日は、「見通し」についてつづります。

「不安が強い子へは見通しを持たせてあげるといいですよ」という話はよく聞くかと思います。これはある意味当然の話で、不安が強い子に限らず「これから何が起こるのか」をわかっていた方が誰だって安心するわけですから、不安が強い子に見通しを持たせることはそりゃ大事なわけです。

では反対に、見通しを持たせない方がいい子ってどんな子でしょうか。前述の通り、不安が強くない子に対してだって見通しを持たせた方がいいわけですから、見通しを持たせない方がいい子ってなかなか思いつかないかと思います。

ただ、見通しを持たせすぎない方がいい子はいます。それは、「計画的な思考」が苦手な子です。計画的な思考が苦手な子というのは、「刹那的な思考」の子とも言えます。

刹那的な思考の子は、1→2→3という見通しを告げられた時に、最後に提示された3の情報が強く印象に残ります。

だから、本当は1から手をつけなきゃいけないのに、3から手をつけちゃう。もし目の前に3がなければ混乱。何をしたらいいかわからなくて何もしないか、指示されていないことを始めちゃう。

計画的な思考ができる子というのは、情報を「重要度」で仕分けすることができます。3をやるためには、2が必要で、2をやるためには1が必要。だからまずは1から手をつけなきゃという風に考えられます。

一方で、刹那的な思考の子は情報を重要度で仕分けすることが苦手。こういった子は情報を「新着順」に処理します。この処理の仕方だからこそ、1→2→3と聞いた時に、3が残ってしまう。だからはじめに3をしてしまい、「3が終わったよ、次は何をしたらいい?」という状況になります。

刹那的な思考の子に見通しを持たせようとするとこのような状況を招きかねないので、こういった子には「この完成形を目指すために、まず1をします。1が終わったら次の指示をします」
と告げるといいです。

どんな子が刹那的な思考の子なのかというと、1→2→3の指示をしたときに3から始める子です。(そりゃそうだ)

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