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不器用なままで生きていく

東京で必死に頑張る人たちを見るたびにすごいなぁと思うし、そんな彼らと比較して自分は東京には向いていないのかもしれないと思ってしまう。仕事を頑張りたいと思う日もあれば、緩やかな日常を過ごしたいと思う日もあって、どちらが本当の自分なのかがわからない。東京に向いている人は要領が良くて、人間的に素晴らしいと思える要素をいくつも兼ね備えている人ばかりだ。納得のいく結果を何一つ残せていない自分のそばで、どんどん結果を出す人を見ては、まだまだだと悔しい思いばかりしている。

毎日家でPCに向き合う。ああでもないと頭を必死に悩ませている時に、部屋の片隅で猫が寝ている姿をよく目にする。猫は誰かの目を気にすることなく、常に自分の欲求に忠実だ。一歳遠慮をしないし、むしろ鳴き声で俺に合わせろと伝えてくる。常に誰かの評価を意識しながら暮らす自分とは程遠い生活を送っているから心底羨ましい。

フリーランスは仕事で結果を出すことが最低条件だ。ダメだったらすぐに切られて終わりの厳しい世界。常にプレッシャーとの戦いを強いられていて、たまに逃げ出したくもなる。東京で生き抜くためには、求められる最低限の質ををクリアしながら期待を超えるものを提供し続けなければならない。自分の替えはいくらでもいるからこそ、あなただから依頼したいと思ってもらえる人になるために、毎日を懸命に過ごしている。

誰からも必要とされなくなるのが怖くて仕方がない。だからこそ、今以上の人間になるために日々仕事と向き合っている。仕事で結果を出せば、どんどん依頼が入ってくることは間違いない。仕事を選び放題になるし、お金の問題も考えなくて済む。必要とされるために生きているわけではないのに、いつの間にか生きる目的がすり替わっているような気がする。

何のために生まれたのか。その答えはこれまで過ごしてきた全ての日常の中にしかなくて。好きなことをたくさんしたいでもいいし、仕事で結果を出したいでもいい。人によって答えは変わるもので。そこに焦点を合わせるのっが辛いのであれば、生きる意味を考える必要もない気もする。

現時点で今進んでいる道が正解かどうかはわからなくて当然だ。もしかしたら後悔するかもしれないし、あの時の自分を褒めたいと思う可能性もある。今わかることは進んでいる道が正解か不正解かはわからないが、納得のいく道を歩めているということだ。自分で選んだ人生だからきちんと役割をまっとうしたい。もがいている自分は嫌いではないし、むしろ愛すべきポイントだ。一点を見つめながらもがく瞬間は、人生を生きているという感覚がある。何も持っていなかった人間が何かを手に入れるために必死にもがく。その一連のストーリーに誰かが共感してくれるかもしれない。

東京で生きるのは大変だけれど、受け入れてくれる人がたくさんいるのは救いである。感謝の気持ちを忘れずに生きていたいし、誰かの人生の1ページに加わりたいとも思う。まだ東京には1年近くしか住んでいないので、向いていないと答えを出すには早すぎる。上京してよかったと思えるように毎日を懸命に生きていたい。

不器用な自分に嫌気が差す日もある。もしも自分を不器用だと思うのであれば、どう過ごせば今のままでも幸せになれるかを考えた方が賢明だ。器用になりたいと思うのであれば、器用になるために懸命にもがけばいい。その道中は厳しいものになる可能性はあるが、道に迷うたびにきっと生きているという感覚を味わえるはずだ。



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