昔の映画やドラマを観るたびに、いまも活躍している俳優の顔をよく観察する癖がある。この人はどんな歳の取り方をしているんだろうと気になって仕方ないためだ。いい歳の取り方をしている人もいれば、この人の人生には何があったんだろうと疑問に思えるほどに悪い歳の取り方をしている人もいる。

勝手にジャッジされる方の身になった方がいいと言われそうだけれど、そんなものは無視である。別に誰かに話すわけではないし、自分の人生の参考にするだけだ。その後は、自分の心の内側に留めておく。それだけは心の中で自分と約束している。

いい歳の取り方がしたい。でも、いい歳の取り方をするためにはどんな生き方をすればいいのだろうか。以前、人間は生きている間に徳を積めば、生まれ変わったときにまた人間になれると聞いた。逆に悪いことをすれば、人間以外の生き物になる。それって人間が生き物の中で1番優秀だと傲慢になっている証拠だ。

それぞれにそれぞれの幸福や地獄があったり、弱肉強食はあったりすれど、そもそも生き物の中に優劣はない。でも、生きている間に徳を積めば、いい歳の取り方ができるのかもしれないとは思った。

悪口ばかり言っている人は口が歪んでしまい、いいことではなく、悪いことばかりが目立つようになる。身に降りかかる不幸を嘆き、それが生き様となって顔に現れるのだろう。

徳を積むとは誰かの役に立つなんだと思う。誰かの役に立っている人の周りにはたくさんの人が集まる。助けてもらっているんだから、自分も助けたいと思えるに違いない。

自分の心に余裕がないときは、他人の役に立てないかもしれない。それでも役に立てるうちはとことんまで役に立ちたい。そして、10年、いや20年後に自分の写真を見返したときに、いい歳の取り方してんなぁと自分だけじゃなく、周りの人からも言われるような人間に僕はなりたい。