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それではどうぞご自愛ください

東京に住んで、1週間が経った。とはいっても、ほとんど東京っぽいことはしていない。家の中で仕事をして、近所のカフェを練り歩いたぐらいだ。大阪と比べると物価が200円ほど高いため、財布の紐が硬くなっている。以前よりも広い部屋に住み、食べ物の味は少し濃いけれど、物価以外に特段困ったことはない。案外いけるじゃんと思いはするものの、まだ何も知らねぇからなという思いもある。適応能力はそれなりにあるほうだから、生活の変化に対するストレスを感じていないと思っていたのだけれど、体は実に正直である。

はじめて住む場所だから、自転車で6分で着くスーパーに着くのに30分もかかってしまった。家から駅まで徒歩4分なのに、徒歩10分も歩いてしまった。目的地とは逆方向の電車に乗ってしまったし、降りるのを忘れてしまった。もう散々である。自身の不甲斐なさに呆れ返っている。慣れない土地だから仕方ないのだけれど、Googleマップや乗り換え案内アプリがあっても、それを読む人がポンコツだったらなんの意味もないということを東京で学んだ。

昨日は2週間に一度打つ難病の自己注射の日だった。いつも注射を打ったあとは少しだけ体がだるくなるのがネックだ。2、3時間もあれば何事もなかったかのように振る舞えるのだけれど、昨日は注射を打った瞬間に身体中が気持ち悪くなって、気絶するかのように眠りについていた。これまでにここまでの辛さを感じたことは一度もなかったのに。環境の変化や新しいお仕事の始まりなど、自分ではストレスだと思っていなかったものが、実は想像以上にストレスを感じているのかもしれない。

正直に話すと、日々を生きるのに精一杯だ。慣れないものを必死で慣れさせようとしている感覚。今もずっとお腹の奥が気持ち悪いし、誰かに優しくありたいと思いはするものの、自分にことで手一杯で相手に対する余裕を持てない。しんどさを感じていないと思っていたはずが、笑顔がすべてぎこちなくなる。ストレスを感じていないと思っていたときはまだ良かったのだけれど、それを認知した瞬間に体が鉛のように重くなってしまった。

睡眠もとても浅く、2時間おきに目が覚める。部屋に隙間風が入ってくるせいで風邪を引いたし、睡眠不足のせいで日中にあくびが止まらない。昼寝でもしようものなら半日は寝てしまうことが容易に想像できる。

せめて今の気持ちを文章にしたいと思ったとしても、頭の中に自分の今をうまく表現する言葉が何も思い浮かばない。思い浮かぶのは焦りだけで、焦ってもしょうがないと知りながらも、その言葉しか出てこないのが現状だ。

人生に不安はつきもの。得体の知れない何かが目の前に迫ってくる。避けたい。立ち向かいたいの狭間で、揺れ動く正と負の感情。東京で出会う人は、過去よりも未来の話を好む人が多い。未来の話をされても今を乗り越えなければ未来はないし、現状をどうにかしたいという気持ちしか芽生えない。もっと肩の力を抜いてと言われても、力の抜き方がわからず、どんどん力が入っていく。自分の体じゃないみたい。まるで誰かに操られている人形のように、うまくコントロールができなくなっている。

20時、ライターさんから来た原稿をチェックする。最近は自分の編集にも自信を持てなくなった。再度勉強しようと文章に関する本を引っ張り出して、読み漁っている。大切な文章を預かるわけだし、きちんとした知識で携わりたい。それが最大限のリスペクトと編集者の最低限の義務だから。

21時を過ぎたあたりにからこの文章を書き始めている。何を書けばいいのかがわからない。最近は書きたいネタが何も思い浮かばずに、ただ思考する時間だけが増えている。21時30分、普段であれば、仕事を終えている時間なのに、まだ終わっていない。マクドナルドで流れる音楽がやけに鬱陶しくて、AirPodsで爆音で音楽を流すが、耳の隙間からノイズが入ってくるからどうしようもない。

最近はnoteを書く時間すらまともに取れなくなってきた。もっとうまくやれるはずだったのに。自分をお高く見たツケが日々の日常生活を蝕んでいく。環境の変化、新しいお仕事の始まり、ストレスではないと思っていたものが、体を蝕む原因となっている。今夜は晩ごはんを作ろうと思っていたのだけれど、そこに使う体力がなさそうだけれどそれはもう仕方ないか。それではどうぞご自愛ください。金曜日の夜、中野のマクドナルドにて。

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