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自由律俳句 #292

【本当は言いたくてしょうがない】


本日は『言ってみたいセリフシリーズ』

一度で良いから言ってみたいセリフ。
そのセリフから、思うことや連想することを一句詠ませて頂きます。

第2弾のセリフは、
「名乗るほどの者ではございません」

言ってみたいですねー!
控えめな感じに言いたいですねー!

ある日、私が散歩をしていると、
転んで動けずにいるとてもリッチな感じの老紳士がいるんです。
「大丈夫ですか⁉︎」と、私は急いで駆け寄ります。
「足が痛くて動けないんです」とリッチな感じの老紳士。
私はその場で的確な応急処置をし、
これは骨折しているかもしれないと、
救急車を呼んだりしているうちに、
他の通行人の方も手伝ってくれたりするのです。
そして救急車が来て、リッチな感じの老紳士が搬送される間際、
私にこう言います。
「ありがとう、あなたのお名前は?」
私はクールに言います。
「名乗るほどの者ではございません」
それだけ言い残すと救急隊員の方にお任せして、
私はサッとその場を後にします。

本当は名前とか連絡先とか言って、
何かお礼でもしてくれるんじゃないかとめちゃくちゃ期待しています。
リッチな感じだったし、豪邸とかに招待してもらったりするかもしれない。
後日、すごいお礼を目の前にして、これを受け取ってくれと言われるんです。
「いや、そんなつもりで助けたわけでは…」
「いいや、これはお礼だ、もらってくれないと私の気が済まない」とか、
そういうのを2、3ラリー繰り返して、
「そこまで仰るのなら、ありがたく頂戴致します」ってなって…

って、そんな欲にまみれた私を、どうか叱ってください。


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