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家族

妻の娘が出産しました。

その日から、わたしはおじいちゃんになりました。ただそれは、間柄を示すだけの名称で。わたしには、血の繋がった子どもはいませんので、自分に孫ができるという感覚は雲のように形があるようで無く、掴めるようで掴めない不思議なものでした。実際に生まれてきた赤ん坊と会い、腕に抱かせてもらうと、そこではじめて実感のようなものが芽生え、涙があふれてきました。

たとえ血の繋がりがなくとも、大切な人の遺伝子と、大切な人を大切に想うこころが受け継がれた命なのだとしたら、これほど愛おしいものはありません。わたしは、この小さな命に母親の命と、さらにその母親である妻の命と、妻が敬愛した彼女の母親の命が受け継がれていることを感じました。

「個を尊重する」時代から考えるとずいぶんと古くさいかもしれませんが、わたしはこの命のバトンの美しさに涙したのだと思います。

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