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【2019】第3節 横浜・F・マリノス戦 レビュー

開幕2連勝中のマリノスと日産での神奈川ダービー。

是が非でも勝利勝ち点3と流れを奪いたかったが、結果は引き分け。ただそれでも『試合そのものは悪くなかったと思う。』と谷口が言うようにいつもとは異なったフォーメーションでモノにできた点はいくつかあった。それをどう次に繋げていくのかが一番大切なことだ。

さて、今回のラインナップはこちら。

①『どちらがいいかという事は分かりませんが、間違いなく前で知念と共に起点になってくれていましたし、最後まで相手に脅威を与えてくれていました。』(鬼木達)2得点のレアンドロ・ダミアン。新しい2トップという形。

②『高い位置でボールをキープするとか、サイドで時間を作るなど、もう少しバタバタせずにできればよかったと思う。』(小林悠)。終盤のタイムコントロール。常勝になるために習得しなければいけないこと。

以上の2つです。では。

①『どちらがいいかという事は分かりませんが、間違いなく前で知念と共に起点になってくれていましたし、最後まで相手に脅威を与えてくれていました。』(鬼木達)
2得点のレアンドロ・ダミアン。新しい2トップという形。

ACLなどの過密日程を考慮して小林、中村がベンチスタート。代わりにスターティングメンバーはいつもとは異なる4−4−2。2トップにはレアンドロ・ダミアンと知念が入った。

初めて見る二人のコンビだったが、1トップの時と比較すればレアンドロ・ダミアンはかなり楽にプレーしていたように見て感じることができた。本人も『ブラジルでは長く2トップでやっている。知念との動きは、練習で確認しながらやっていたし、今日の試合でも良い形で出せたのではないかと思う。』と振り返っており、連携の部分で特に問題は生じていなかった。

試合を見ていてもレアンドロ・ダミアンが手を使ったジェスチャーでコースを指示したりするなどしていてかなり積極的に前線からの守備に取り組んでいた。

だが、一方で知念は『もうちょっとダミアン(レアンドロ ダミアン)と意思疎通しながら、攻撃も守備もやりたかったが。』と振り返っている。ただ、『二人ともパワーがある分、個でもやれたところはある。』と言うように相手ディフェンダーからすれば脅威になっていた。

2人ともに難しい体勢からのシュートやヘディングなどに強い選手なので、コーナーキックなどのセットプレーで得点を奪いたかったが、それは叶わず。この試合のような硬い場面が多く出てきた際には、セットプレーで得点を奪いたいところだ。

ロスタイムにマリノスに同点弾を許したようにセットプレーは一瞬で状況を変えることができる。そういった意味でもっとうまく活用していきたいところはチームとして抱える課題の1つである。

セットプレー以外にも注目するべき点はやはりクロスだろう。レアンドロ・ダミアンが加わり、昨季よりもクロスの数が多くなったフロンターレ。まだまだ完璧というわけではないが徐々に武器となりつつある。

勝ち越し弾となったレアンドロ・ダミアンの2得点目。長谷川がファーサイドに向けて蹴り込んだクロスは小林の元へ。あの場面を小林はこう振り返る。

『タツヤ(長谷川竜也)からああいうボールが入ってくると思っていたし、ベンチでもそういう話をしていた。』

一方で長谷川も『2点目は狙っていたところ。いつもユウさんがファーに入ってくれているので、うまくいってよかった。』

と2人とも同じ絵を描けていたことが得点に繋がった。

今後もこのようなシステムで戦う際にはこの部分の崩し方やセットプレーがカギになってくるだろう。

そして、前線からの守備については『自分とダミアンで迫力を持って前から行くと、ボールを奪えるんじゃないかと思っていた。自分とダミアンでガンガンいくのは監督の狙いだったと思う。』と知念が明かしているように、プレスの強度が相手にとってかなり嫌なものだったということがわかる。

ハイラインでリスクのあるポゼッションをするマリノスはそこの部分で強くいけば何度か奪い取れるシーンがあった。そこで強く妥協せずにプレスをかけ続けられたのはフォワード2人の頑張りだった。

プレスの強度があるレアンドロ・ダミアンと知念はこういったところでも力を発揮してくれていた。この新しい2トップがチームに変化をまたらしてくれるはずだ。

②『高い位置でボールをキープするとか、サイドで時間を作るなど、もう少しバタバタせずにできればよかったと思う。』(小林悠)。終盤のタイムコントロール。常勝になるために習得しなければいけないこと。

対戦相手のスタイル的にも中々ボールを持ってゲームをコントロールするというのは容易ではなかった。その中でどう自分たちがゲームをコントロールし、優位に試合を進めていくのか。ここがポイントであったのは間違いない。

そういう意味では試合開始早々のレアンドロ・ダミアンの先制点は大きかった。ただ、追加点を中々奪えなかったことはチームにとって悩ましい現状だった。これまでの試合でも2点目や3点目を奪えず自分たちが苦しむ展開が続いていた。

鹿島戦が良い例に挙げられる。早い時間帯に先制点を奪えたとしてもその後の追加点を奪えなければ突き放すことはできず、むしろ相手に追いつかれてしまった矢先には相手に勢いが付いてしまう。

結果的には24分にエジガル・ジュニオに同点弾を決められてしまい思うようにゲームを進めることが出来なくなってしまった。鹿島戦もそうだったが、同点弾を決められ相手に体制を整えられてしまっては攻めていてもフィニッシュの所まで詰めることが出来なくなってしまう。

そして、88分にレアンドロ・ダミアンが待望の勝ち越し弾を決めるが、その喜びもつかの間。90分+5分に扇原に劇的同点弾を決められてしまいまた勝ち点を落としてしまった。

6日に行われた上海上港戦でも89分にPKを献上し、ギリギリのところで勝ち点を落としてしまっている。

ここで気になるのは試合の終わらせ方になってくる。

それは選手たちが口を揃えていっていることで、小林はこう振り返っている。

『最後リードしているなかで、もう少しバタつかずに試合を終わらせることができればよかった。少し慌ててしまい、簡単にクリアして相手のボールになってしまうところがあった。高い位置でボールをキープするとか、サイドで時間を作るなど、もう少しバタバタせずにできればよかったと思う。』

確かに簡単に前に蹴ってしまい自分たちのボールにしたとしてもすぐ相手に渡してしまっているようなところがあった。普段はあのようなプレーを中々選択しないため気になる部分ではあった。

長谷川や小林は体力もあったはずなので、小林の言う通りサイドで巧い時間の使い方が出来たはずだ。

谷口も『勝ち急いだというか少しバタバタして、なかなかゲームがコントロールできたなかったことは反省点。ああいうときこそリーダーシップを取ってやらなきゃいけない。』と言っており、後ろからも試合をコントロールしなければいけなかったことを悔やんでいた。

どちらにせよ勝っていくためにはタイムコントロールは確実に必要になってくる。そこでずる賢く時間を進めることができれば今回のような失点はなかったはずだ。

”常勝軍団”と言われるためには習得していかなければいけないことなのかもしれない。

(RYUJI.I)

参照:

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