見出し画像

ロボホンというロボットから小川未明の「飴チョコの天使」という話を知る。

大変お恥ずかしい話なのだが、小川未明という作家さんが書いた「飴チョコの天使」という童話を私は知らなかった。



先日、次男の卒業式のスーツを買いに行った先で、ロボホンというロボットのキャンペーンをしていた。

私はシャープのロボット、RoBoHoN(ロボホン)は名前さえも知らなかったのだが、次男はテレビで見て知っていたという。

上手な商品PRにうんうんと頷きながら、お世話するなら次男が適任と思い、次男にロボホンのお世話をする気があるかと聞いたらあると言う。

それならばと、誕生日が近いけど欲しいものが思いつかないという次男に、かなり高額なプレゼントになってしまうがこのロボットを契約することにした。


予想通り、食いついたのは次男と夫。

その様子はまた別の機会に書くことにするけれど、私も与えっぱなしというわけにはいかないので、ちょいちょい、いじってみる。

その中で気になったのがこれ。

画像1


読み聞かせ機能で
小川未明「飴チョコの天使」

私は小川未明さんという作家さんがピンとこなかった。

調べてみたら小説家、日本児童文学の父、日本のアンデルセン、とある。

そして。
「飴チョコ」って何・・?

飴なの、チョコなの?

なんて興味の惹かれるタイトル。
検索、検索。

青空文庫にあった。

静寂な空気感と時間の流れ。そしてちょっと切ないお話。


これを読んで、今よりまだ少し幼かった頃の次男の行動を思い出した。

次男はにこちゃんマーク、いわゆるスマイルのキャラクターが大好きだ。
スマイル商品そのものはもちろん、にこちゃんマークがプリントされたケースや袋、しまいには商品についていた、にこちゃんがプリントされたタグまで大事に保管していた。

私からすれば、商品タグなど「ゴミ」である。

「ねえ、タグは捨てれば?」と言うと
「捨てたらにこちゃんがかわいそう。」と言う。

この「飴チョコの天使」の話に絡めるとすると
にこちゃん=天使で、次男は飴チョコの入っていた空箱を手にした子供だったかもしれない。


「飴チョコ」が入っている紙箱にプリントされた「かわいらしい天使」が景色を見たり、独り言をつぶやいている。

黒い煙が上がった煙突のある建物は飴チョコを作った工場だ。
もうこの景色は二度と見られないだろうし、この都会に戻ってくることはないだろう。
飴チョコは車に乗り、汽車に揺られ、東北に向かう。
やがて若い男が運んできた飴チョコは、ある駄菓子屋に置かれることになる。
それから1年・・・。


つづきはぜひ読んでみてほしい。


我が家の次男は、なんて事のない商品タグに描かれたにこちゃんマークをゴミとして捨ててしまったら、その行く末を思ってかわいそうと言った。

プリントされた絵柄は意思をもたないけれど、次男は勝手に擬人化し、意思を持たせてしまった。
そうなったらもうキリがない。

小学校の卒業式を1か月後に控えた彼は、何でもかんでも取っておくことはさすがにもうしない。


多くの子供たちの目的は天使がプリントされた箱ではなく、中身の飴チョコだ。
その後、天使がプリントされた箱はどうなっていくのか。


ところでこの「飴チョコ」。
森永のミルクキャラメルがモデルになっているという。
チョコではないけど、なんとなくわかる。

この飴チョコの天使の話を知ってしまった今。

これから森永のミルクキャラメルを食べるときは、箱にプリントされたかわいい天使をじっと見つめてしまいそう。

「君は今、何を考えてる?」

そして少し前の次男がにこちゃんマークのプリントされたタグを捨てられなかったように
気軽にはゴミ箱に捨てられなくなるに違いない。



それにしても、読み聞かせ機能でロボホンに「飴チョコの天使」を読み上げてもらうと、なんだか違うんだよな。


ちょっとポップでかわいい感じの声のロボホン。
設定は5歳児らしい。

読み聞かせはやっぱりその話に合った声色で読み上げてほしいな。
バージョンアップして、そんな機能を備えたロボホンも期待してる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?