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2021年を振り返って

ギリシア独立200周年となる2021年ももうすぐ終わりを迎えますね。コロナさえ無ければ、ギリシア現地で200周年を祝っていたはずなのですが、まぁ仕方がありません。

今回はその2021年という記念すべき年を、超個人的に振り返ってみたいと思います。今年を端的に言えば、コロナ禍で移動制限があったということを差し引いても、生涯を通して記憶するであろう年でした。

2021年に勉強した時間

私はStudy Plusというアプリで、勉強時間を逐一記録しています。ここで言う勉強とは、読書時間に加え、外国語(現代ギリシア語、古代ギリシア語、ラテン語、スペイン語)学習時間や、研究会・語学教室の参加時間のことを指します。勉強時間と質は必ずしもイコールではありませんが、日々記録しているとモチベーションの維持に繋がります。

そのStudy Plusによると、私の2021年の年間勉強時間は1,024時間でした。月平均勉強時間は85時間で、1日平均勉強時間は2.8時間となりました。 
※2021/12/30時点、年間と月平均の分は四捨五入。

内容の比率としては、古代ギリシア語学習時間(研究会含む)が一番多く、2番目は読書時間、3番目は現代ギリシア語学習時間でした。古代ギリシア語は、各種研究会の予習(弁論・碑文史料やイリアス原文の翻訳・解釈)だけでも多くの時間を割いているので、妥当な結果と言えます。

フルタイムで働く総合職サラリーマンにしては、我ながら頑張った方ではないでしょうか?反省点を上げるとするなら、ラテン語とスペイン語が、ギリシア語に比べて全く注力できていない点ですかね…。まぁ、スペイン語は元々息抜きで始めたので仕方ないですが、ラテン語はオウィディウス「変身物語」の原文を読み始めたので、もう少し時間を割きたいところ。最優先はあくまでもギリシア語ですが。

2021年に通読し終えた本 

語学関連や研究史料(論文やCommentary)を除き、2021年は合計19冊の本を通読することができました。特に印象に残っている本は、古代ギリシア・ローマの魔術について論じた"Drawing Down the Moon: Magic in the Ancient Greco-Roman World"ですね。あまり詳しくなかった魔術について深く考えることができた上に、現代の価値観や物差しで研究することの困難さを思い知ることができました。

年間19冊というのは少なめかなとは思いますが、本を読むスピードが非常に遅いため(特に英語)、今も積み本の消化に常に苦心している状況です。ギリシア関連ばかりですが、色んなジャンルの本を読んでみたい気持ちもあります。ただ、積み本を不用意に増やさないように、本当に読みたい本に絞っていくと、自然とギリシア関連に収斂していきます。笑

2021年に通読し終えた本一覧

  • Athanassios Vergados "Hesiod's Verbal Craft: Studies in Hesiod's Conception of Language and Its Ancient Reception"

  • エピクテトス、訳:國方 栄二「人生談義 上巻

  • エピクテトス、訳:國方 栄二「人生談義 下巻

  • 伊藤 雅之「第一次マケドニア戦争とローマ・ヘレニズム諸国の外交

  • 井上 浩一「歴史学の慰め:アンナ・コムネナの生涯と作品

  • デモステネス、訳:加来 彰俊・他「弁論集1

  • 栗原 麻子「互酬性と古代民主制:アテナイ民衆法廷における「友愛」と「敵意」

  • ロベール・フラスリエール、訳:戸張 智雄「ギリシアの神託

  • 日下部 吉信「ギリシア哲学30講:人類の原初の思索から「存在の故郷」を求めて 上巻

  • 日下部 吉信「ギリシア哲学30講:人類の原初の思索から「存在の故郷」を求めて 下巻

  • エリック・H・クライン、訳:西村 賀子「トロイア戦争 歴史・文学・考古学

  • J. チャドウィック、訳:安村 典子「ミュケーナイ世界

  • エリック・H・クライン、訳:安原 和見「B.C. 1177 古代グローバル文明の崩壊

  • テオプラストス、訳:森 進一「人さまざま

  • 岸本 廣大「古代ギリシアの連邦 ポリスを超えた共同体

  • 澤田 典子「アテネ 最期の輝き

  • エドワード・J・ワッツ、訳:中西 恭子「ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人

  • Radcliffe G. Edmonds "Drawing Down the Moon: Magic in the Ancient Greco-Roman World"

  • ジャレド・ダイアモンド、訳:倉骨彰「銃・病原菌・鉄 上巻

2021年のライフイベント

2021年は私にとってもメモリアルな年となりました。去年から付き合っていた彼女と結婚したからです。思えば、「サラミスの海戦」及び「テルモピュライの戦い」の2500周年である2020年にマッチングアプリで出会って付き合い、ギリシア独立200周年である2021年に結婚するという、ギリシアのメモリアル・イヤーと連動した恋愛をしておりました。

2019年に数年付き合っていた元カノに振られ、タルタロスへと突き落とされた気持ちでしたが、後輩にお勧めされたマッチングアプリでフェニックスの如く復活できました。マッチングアプリで奮闘していた頃は、毎週1~2人の女性とノルマを課せられているが如くデートし、ゼウスかアポロンの如く追い駆けていたわけですけれども、運命の女神モイライの計らいで遂にゴールインすることとなりました。

妻は、私と出会うまではギリシアのギの字も知らない子でしたが、ギリシア神話の入門書を読んでくれたり、ギリシア語が分からないのにΜουζουράκηςの歌のサビを一部覚えてくれたり、ギリシア料理を作ってくれたり、非常に可愛いです。(惚気)

総括

この他にも、Noteを開始し、ラテン語とスペイン語を学び始めたのも2021年となります。(スペイン語は大学生時代に履修していたので、厳密には学び直しではありますが、忘却の彼方にあったのでゼロから学び始めるに等しいです)
複数の言語を学ぶと、言語的な仕組みのみならず、その母国語話者の思考回路も読み解いているようで、少し楽しいですね。ギリシア語ですら語彙力が全然ないので、使いこなせるのはまだまだ先ですが…笑

さて、今年もコロナ禍でギリシアへ行けないというもどかしさや、仕事面での辛さ(サプライチェーンの乱れや世界的な材料費高騰で交渉に駆け回りました…)もありましたが、それを補ってばかりある日々を送れたと思っています。ライフイベントに関しても、ギリシア独立200周年目が、結婚記念年に重なるというのは、非常に幸先が良いとも感じています。これはゼウスの神助か…!?笑

来年もコツコツ、勉強時間を確保しながらも、仕事での成果や家族の想い出を作っていきたいですね。来年中にギリシアにも行きたいところですが、どうなることやら…。まぁ、気長に待ちたいと思います。

それでは皆様、良いお年をお迎えください。
Χρόνια πολλά!

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