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2023.07.18 火曜日


プロ野球は、オールスターブレイクの期間に入ったことを受けて、各チームの監督が前半戦を総括するコメントを出した。そこから発展して、各メディアが、様々な観点から、後半戦への展望を指し示す記事が賑わっている、今日この頃である。

そんな中、僕が気になったのは、巨人(読売ジャイアンツ)を取り上げ、岡本和真選手が7月になって成績が下降していることを指摘し、WBC出場による疲労の蓄積の可能性を懸念した記事である。

”「〇〇選手の不調はWBCの影響も否定出来ない」”

こういった表現を、今シーズン、幾度となく、見て来た気がする。また、便宜上「〇〇選手」という書き方をしたが、プロ野球ファンであれば、おそらく真っ先に思い浮かぶ選手は、ただ一人、だと思われるので、敢えて個人名を挙げると「村上宗隆選手」であろう。

「令和の三冠王」という異名を引っ提げて臨んだ今シーズンであるが、おおよそ、野球ファン、とりわけ、ヤクルトファンの方々を唸らせるだけの成績を残せているとは言い難い。その要因を「WBCに合わせて調整を前倒しにした分、シーズンへの調整が上手く行かなかった」という論調で解説している記事を、沢山見て来たような気がする。特に、シーズン序盤は。

「シーズン序盤」で言えば、村上宗隆選手とは逆の現象、岡本和真選手が序盤から好調を維持し、高い打率をキープしていることを受けて「WBCに出場したことが本人にとって自信に繋がっている」という論調で解説している記事も、前述した村上宗隆選手ほどではないにせよ、それなりには、見た覚えがある。

ここまで思いを巡らすと、ある疑念が生まれてきた。

「結局、どっちに転んでも『WBCのせい』とか『WBCのおかげ』って見出しにすればアクセス数を稼ぎやすいから、メディアが良いように利用しているだけではないのか?」

真偽は定かではないにせよ、僕にはそう思えてならなくなってきた。今回挙げた「岡本和真・村上宗隆」だけでなく、今大会に出場した選手の好不調の話題になると、決まって「WBCの影響(好影響も悪影響も含めて)」を指摘する声が出て来るものだから。正直、おなかいっぱい、という気持ちなのだ。

しかし、一周まわって「ここまでやるか!」と感服した記事を見た覚えもある。侍ジャパンのメンバーが、各メディアに「WBCの影響」を取り沙汰されている流れを受けて「過去に選出された日本代表メンバーの『前と後』の全成績を分析してみた」といった趣旨の記事だ。さすがにこれには恐れ入った。なので、時間が経った今でも記憶に残っているのだろう。

さしもの僕も「参った、根負けだ。」の一言しか出てこなかった。逆に言えば、WBCの影響を示唆したいのであれば、これぐらい徹底的に調べ切ってくれた方が、こちらとしても納得が行く、というものだ。そういう意味では「グッジョブ!」だったなとも思う。

で。

人間とは「〇〇の原因は△△である」と言った風に、何らかの理由を見つけないと、気が済まない、と書くと、やや誇張表現が過ぎるかもしれないが、少なくとも、モヤモヤがおさまらない、生き物なのだろうと考えている。

ゆえに、今回の話題にあるように「村上宗隆選手が2022年の時のように打ちまくれないのは、WBCに出場した結果、調整が上手く出来なかったのが原因である!」という声がクローズアップされたり、逆に「岡本和真選手が2023年は高打率をキープしているのは、WBCに出場した結果、自信を得て、選手として一皮剝けたのが原因である!」という声がクローズアップされたり、といった現象に繋がっているのではないかと思っている。

もちろん、好不調の要因として「WBCの影響」は否定出来ないだろう、とも思っている。ただ、ここで僕が強調しておきたいのは、あくまでも「一要因としての可能性」を示しているだけであって「好不調を決定付ける最大要因」だとは、とてもじゃないが言い切れない、ところにある。

ただ、例外として、選手自身が、WBCの影響についてコメントを残しているのであれば、1野球ファンである自分も「あぁ、WBCへの準備が、それだけシーズンに影響しているんだな」などと受け取ることはある。

例えば、栗林良吏選手は「NPB統一球とWBC公認球の違い」を事細かに示した上で、メカニック的な部分にズレが生じたことを、メディアを通して語っていたことがあった。それを見た1カープファンの僕は「それだけプロ野球選手のピッチャーは繊細な生き物なんだな」と、改めて、リスペクトの念を強めたものだ。

このように「本人のコメント」をもとに評価判断を行なうのは何らおかしくないと僕は考えるが、特段、そういった情報が無いところから「WBCの影響」をことさらに取り上げるのは、それってどうなのかなぁ、と思ってしまうわけだ。

もしも本当に「良い結果が出たらWBCのおかげ、悪い結果が出たらWBCのせい」であるならば、もし僕がプロ野球選手の立場ならば、張り合いが無いなぁ、と思ってしまうことだろう。なぜなら「どっちに転んでも外部要因の面が強いんでしょ?」と感じるからだ。

これは人それぞれ考え方の違いがあるかとは思うが、僕の場合は、むしろ逆で「良い結果が出たら自分を褒めてあげる、悪い結果が出たら自分に原因があると引き受ける」といった姿勢で、数多の課題に処して行きたいなと思う。なぜなら、そっちの方が、自己成長に繋がる機会が、絶対的に多くなると感じるからだ。

こういう言い方をすると偏見になるかもしれないが、日本人の気質として、良い結果が出た時は「たまたまです」だとか「運が良かった」だとか「周りの人に恵まれた」などと、自分以外に原因を求める一方で、悪い結果が出た時は、建前上は「自分に原因がある」と責任を背負う振る舞いを見せながらも、お酒の席とかで「でも〇〇にも原因があると思うんだよねぇ…。」などと、不平不満・愚痴泣き言をウダウダと言い続ける、なんて光景を、しばしば見かけるような気がする。

「本音と建前」を使い分けるのは一つのマナーという見方もあるだろうが、僕は「こういう場面ではどっちが良いのか?」などと、いちいち考えることに煩わしさを覚える人間なので、もういっそのこと「本音一本」でぶつかる、つまり「腹を割って話す」というスタンスで他者とコミュニケーションを取り、その上で、互いにフィーリングが合えば、深い仲に発展していく、そういう人付き合いを良しとしている。

なんだか話が脱線してしまった感が否めないので、今日はボチボチ終えることにする。最後に一つ。一個人の憶測をまことしやかに語る人間を僕は好かない。以上。

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