(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
正しいと信じているもの。それを証明していくとは如何なることか。
噂に違わず、素晴らしい一冊でした。
本書には、数学界最大の難問を巡って、3世紀に渡り、天才数学者達が苦闘した軌跡が描かれています。
17世紀、1人の天才数学者が残した超難問「フェルマーの最終定理」。
数学者で無くても、内容が理解できてしまうほどシンプルな定理。
しかし、その証明は困難極まりないものであり、数多くの天才達が挑み、そして、敗れてきました。
そんな中、本書の主人公アンドリュー・ワイルズは、10歳の時にこの定理を知り、惚れ、これを解くという夢を抱きました。そして、そんな夢はいつしか強い信念へと成長し、人生を投じた戦いを行うことになります。
本書では、フェルマーの最終定理を巡り、古代のピタゴラスから始まり、様々な天才数学者達の軌跡が描かれ、壮大なドキュメンタリーを見たような読後感があります。
その上で、最も印象深かったのは、信念の実現に立ち向かうあたり、難問に対する主人公の向き合い方でした。
王道。凄く良い。
難問と向き合うにあたり、小手先の楽な方法などでは解決出来ないことを、まざまざと見せつけられます。
「巨人の肩の上に立つ」ことの大切さ。先人の積み重ねた原理原則の上に立ち、そこで最大限の力で向き合うことによって、新たな道が開けると。
しいて言うと、インプットやひらめきを、解決プロセスの中に取り入れていることが示唆に富みます。当然のように、難問を解くには時間がかかることを認識し、回り道や待ち時間すらも必要なものとしています。
主人公ワイルズが、フェルマーの最終定理を解こうとした時代、300年以上に渡る天才達の敗北から、解決は不可能とまで言われていたそうです。
しかし、ワイルズは、決して自らの信念を捨てませんでした。
定理が正しいという信念、そして、自らが証明するという信念。
きっと、少なくない苦悩があったはず。しかし、その解決までの過程において、自らを信じ続けた生き様が見て取れます。強い方だ。
ピーター・ティールさんが言った有名な言葉、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実とはなんだろう?」。
賛成する人がほとんどいない真実にこそ活路があること、そして、その活路を開くとは如何なることかを、本書からも感じることができます。
きっと、農業界にもそんな真実は沢山ある。
P.S.
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