(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
「世界を見る目」を見つめ直す1冊。
ブラジルのアマゾン奥地に住む少数民族、ピダハン。
数も、色も、そして神もいない彼らの認知世界。
そこに飛び込んだ認知科学者の筆者による、ユーモアと示唆に富む作品となっています。
ピダハンは、確固たる現実主義者であり、その言葉も認知世界も、徹底的に直接経験に準じています。その際たる特徴が、直接経験を返さない観念的な言葉(神等)を持たず、信じないこと。
その言葉を持たないからこそ、ただ現実のみの世界を見るようになったのか。はたまた、死に至る脅威に溢れる厳しい現実を生き抜くために、それ以外の言葉(概念)を持たないことが、生存戦略として正となったのか。
いずれにしよ、キリスト教を布教しようとした筆者の奮闘が、全て水の泡になっていった様を見ると、「世界を見る目」が規定し得る言葉の強さを感じざるを得ません。
本書の1つのテーマは、前段に取り上げたように、言葉によって、認知する世界が規定されるということ。その上で、もう1つのテーマは、常識・偏見に囚われてはならないということです。
筆者が体験してきたピダハンでのエピソードは、先進国では決して合間見えないことに溢れています。
しかし、それも、アマゾンという過酷な世界では、そう生きざるを得ない環境があったからこそであり…
限られた・閉ざされた世界から出て、世界を見る目を持つこと。
そして、その目自体も、捉え直し続けること。
そんな重要性が、改めて心に残る1冊でした。
P.S.
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