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週末読書メモ62. 『トライブ 人を動かす5つの原則』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

人を、自分を客観的に見えるよう、手元に置いておきたい一冊でした。


「トライブ」という聴き慣れないない言葉。それは、20~50人単位となる、人が何かを取り組む際の礎となるグループを指しています。

本書では、トライブ(人間の組織)には5つのステージがあると強調します。

トライブにはそれぞれのトライブを支配する文化が存在するが、それを1〜5の段階で示すことができる。第5段階が最も望ましいレベルだ、第5段階の文化は必ず第4段階の文化よりも優れており、第4段階の文化は必ず第3段階の文化をしのぐというように、ステージには順序が存在する。人やグループは一度に1段階しか移動することができない。
・(ステージ):(雰囲気)、(テーマ)
・ステージ5:純粋な好奇心、「人生はすばらしい」
・ステージ4:トライブの誇り、「私たちはすばらしい(が、彼らはだめだ)」
・ステージ3:孤独な戦士、「私はすばらしい(が、あなたはだめだ)」
・ステージ2:無気力な犠牲者、「私の人生は最低だ」
・ステージ1:絶望的な敵意、「人生は最低だ」

本書では、トライブが上のステージに上がるには、トライバル・リーダーの存在が必要であり、各ステージの特徴、そして、ステージを上げるための思考・行動が説明されていきます。

あるトライブはメンバー全員に高い水準を求め、たえず進化し続ける。越のトライブでは最小限のことをなんとかやっていればよしとする。このように成果に違いがでる原因は何かというと、トライバル・リーダーである。
トライブバル・リーダーはトライブの形成、もう少し正確にはトライバル文化の向上に集中的に労力を注ぎ込む。


詳細は本書に譲るとして、本書の核心は、ステージ3からステージ4の移行となります。それはつまり、「私はすばらしい」という段階から、「私たちはすばらしい」という段階への昇華です。

一ビジネスマンとして、一プロフェッショナルとして努力していった先、自分と他者との優位性を追求し過ぎてしまう姿は、多くの人が陥る可能性のあること(筆者は、一流企業の上位層にも存在すると言います)。

しかし、その行き着く先は、孤独や孤立、自分自身の行き詰まりです。

一読者として胸が締め付けられつつも、ハッとしたのは、筆者はどんな人も組織もステージは1つづつ上げていくしかなく、このステージ3(孤独な戦士)も通過点としては不可欠だと言うことです。

私たちがインタビューしたトライブバル・リーダーはみな第3段階を経てきた。他を打ち負かし、社内の政治ゲームで勝利する術も学んでいる。ところが、自ら第4段階を名乗りつつ、実際には第3段階を生き抜いていない人間は軟弱であり、トライブが勝たなければならない戦いからすごすごと退散することさえある。弱さからトライバル・リーダーは生まれることは絶対ない。第3段階から抜け出す前に、他人のやり方ではなく、自分の方法で生き抜いてきたという境地まで達することが重要だ。(第3段階にいることが)つらいからではなく、新たな段階へ前進する準備が整ったから、でなくてはならない。

私たちはこれまで、トライバル・リーダーシップの世界である第4段階に進んだ何千もの人々に話を聞いてきたが、その誰もが気づきを経ている。
(中略)通常、気づきが心の中を駆け抜けていくのに数ヶ月から数年かかる。しかし、いったん気づきの存在を感じてしまったら最後、あと戻りは不可能だ。わかりやすく言えば、こんな感じだという。
・重要なこと、それはすべて個人的なことではない。
・第3段階は何も残さない。
・第3段階を制することは、取るに足らないことだ。
・自分は人を操っていただけであって、リーダーではなかった。今ではそれがわかる。
・疲れてしまった。ほかにできることはないのだろうか。
・他人の目を通して自分を見る。そこに映る自分にはがっかりだ。

おそらく、自分が今その過渡期だから、この表現は胸に突き刺さります。そうだよな…

(それはスティーブ・ジョブズの生き方・人間的な成長の軌跡を見ていても同じで)


「第3段階において敵は他人であり、第4段階においては他チームや他業界である。第5段階においてのみ、敵は存在しない」と。

自己・自意識の囚われから脱した先の世界であることは間違いなくて。

中々難しいなと感じることは、取り巻く環境の変化が大きい時、人や組織はステージを行き来してしまうこと(ステージ3と4、ステージ4と5の間で)。

それでもなお、どんな境遇であっても、今この瞬間に集中する、世界を心から感謝し愛する、というマインドフルネスの境地でありたいものです…


(アメリカ生まれの小説家、レイモンド・チャンドラー)
「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない(If I wasn't hard, I wouldn't be alive.If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.)」

今はまだ、日々の必死に生きる中、余裕が無くなってしまうこと、肩に力が入ってしまうことがが少なくないけれど、こんな風ありたいと胸に刻み、やっていくしかありません。


【本書の抜粋】
トライブは仕事のみを中心として形作られるものではない。人間の大きな取り組みの礎となる構成要素である。したがって、トライブの影響は、車内のチーム、企業全体、さらには傑出したCEOよりも時に強力だ。企業では、新たなリーダーが勢いに乗るのか、放り出されるのかはトライブ次第である。トライブが、やるべき仕事や質を決定する。

あるトライブはメンバー全員に高い水準を求め、たえず進化し続ける。越のトライブでは最小限のことをなんとかやっていればよしとする。このように成果に違いがでる原因は何かというと、トライバル・リーダーである。
トライブバル・リーダーはトライブの形成、もう少し正確にはトライバル文化の向上に集中的に労力を注ぎ込む。

トライブにはそれぞれのトライブを支配する文化が存在するが、それを1〜5の段階で示すことができる。第5段階が最も望ましいレベルだ、第5段階の文化は必ず第4段階の文化よりも優れており、第4段階の文化は必ず第3段階の文化をしのぐというように、ステージには順序が存在する。人やグループは一度に1段階しか移動することができない。
・(ステージ):(雰囲気)、(テーマ)
・ステージ5:純粋な好奇心、「人生はすばらしい」
・ステージ4:トライブの誇り、「私たちはすばらしい(が、彼らはだめだ)」
・ステージ3:孤独な戦士、「私はすばらしい(が、あなたはだめだ)」
・ステージ2:無気力な犠牲者、「私の人生は最低だ」
・ステージ1:絶望的な敵意、「人生は最低だ」

ある人をひとつのステージから次のステージへ移動させるということは、その人物の言葉を変え、それまでとは異なる人間関係を構築させるということである。ひとり、またひとりとそれができるにつれて、トライブ全体が変化して、新たな文化ステージが優勢になる。

私たちがインタビューしたトライブバル・リーダーはみな第3段階を経てきた。他を打ち負かし、社内の政治ゲームで勝利する術も学んでいる。ところが、自ら第4段階を名乗りつつ、実際には第3段階を生き抜いていない人間は軟弱であり、トライブが勝たなければならない戦いからすごすごと退散することさえある。弱さからトライバル・リーダーは生まれることは絶対ない。第3段階から抜け出す前に、他人のやり方ではなく、自分の方法で生き抜いてきたという境地まで達することが重要だ。(第3段階にいることが)つらいからではなく、新たな段階へ前進する準備が整ったから、でなくてはならない。

私たちはこれまで、トライバル・リーダーシップの世界である第4段階に進んだ何千もの人々に話を聞いてきたが、その誰もが気づきを経ている。
(中略)通常、気づきが心の中を駆け抜けていくのに数ヶ月から数年かかる。しかし、いったん気づきの存在を感じてしまったら最後、あと戻りは不可能だ。わかりやすく言えば、こんな感じだという。
・重要なこと、それはすべて個人的なことではない。
・第3段階は何も残さない。
・第3段階を制することは、取るに足らないことだ。
・自分は人を操っていただけであって、リーダーではなかった。今ではそれがわかる。
・疲れてしまった。ほかにできることはないのだろうか。
・他人の目を通して自分を見る。そこに映る自分にはがっかりだ。

第3段階において敵は他人であり、第4段階においては他チームや他業界である。第5段階においてのみ、敵は存在しない。
(中略)第5段階の人々は、自身の独自の役割を見いだしている。第4段階と第5段階での成功によって、そういう人たちは有名になったが、ほとんどが注目を浴びるのを避けている。そして、単独のトライブでなし得るよりも大きな成果を達成するために、複数のトライブをまとめるという目標を持って、多くの人が動き始めている。

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