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週末読書メモ143. 『店は客のためにあり店員とともに栄え店主とともに滅びる 倉本長治の商人学』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

店は客のためにあり
店員とともに栄え
店主とともに滅びる


店は客のためにあるーー。
(中略)「店は客のためにある」とは、経営者の体裁を繕う美辞麗句でもなければ、耳に心地よいスローガンでもありません。経営のありとあらゆることを、これに徹する覚悟と実践を求める言葉です。

なんとシンプルで、しかし重い言葉なのだろう。

UNIQLOを運営するファーストリテイリング社の柳井正さんが、私の「座右の銘」はこれ以外にない、と言い締めた一節。

本書は、倉本長治さんという商人の心得を説いた内容を、現代に甦らせた1冊になります。

「商売十訓」
一、損得より善悪を考えよう
二、創造を尊びつつ良い事は真似ろ
三、お客に有利な商いを毎日続けよ
四、愛と真実で適正利潤を確保せよ
五、欠損は社会の為にも不善と悟れ
六、お互いに力を合わせて働け
七、店の発展を社会の幸福と信ぜよ
八、公正で公平な社会的活動を行え
九、文化のために経営を合理化せよ
十、正しく商人に誇りを持て

(上記10項目に基づいて章立てされた内容となっています)


「商売は今日のものではない。永遠のもの、未来のものと考えていい。それでこそ、本当の商人である。人は今日よりもより良き未来に生きねばいけない」

本当の商売とは、三つの要件から成り立ちます。自分の仕事が「愛」に基づいているかどうか。行いの隅々まで「真実」に徹しているかどうか。お客様、従業員、取引先、そして自分にも相応の「利潤」をもたらしているかどうか。

全ての言葉がどこまでの純粋で、それでいて芯を捉えています。

それらをどこまで徹底できているいるだろうか、と自問自答させられます。


店は客のためにあるという言葉の通り、目指すべきはお客様第一主義だと。

日本でも近江商人からUNIQLOまで。

海外を見ても、古くはWalmartのサム・ウォルトン、最近だとAmazonのジェフ・ベゾス等、小売において圧倒的なNo.1となった組織は、どこも一貫してお客様第一主義を貫いています。

ドラッカーに、コトラーに、ポーターという経営学者らも突き詰めれば顧客志向に行き着きます。

ということは、疑いようもなくお客様第一主義をどれほどの度合いで追求できるかが、古今東西、商売/経済の世界で栄える真理になるのだろうなあ。


柳井正さんの名著『経営者になるためのノート』に負けず劣らない熱量がほと走る内容(ないしは、柳生さんの哲学の基盤には、倉本さんの言葉があるというのか)。

「会社は客のためにあり、社員とともに栄え、社長とともに滅びる」

店を会社と言い換えても全く同じように思えます。

そんなことを改めて噛み締める1冊になっています。


【本の抜粋】
店は客のためにあるーー。
(中略)「店は客のためにある」とは、経営者の体裁を繕う美辞麗句でもなければ、耳に心地よいスローガンでもありません。経営のありとあらゆることを、これに徹する覚悟と実践を求める言葉です。

経営者とは、ひと言で言えば「成果を上げる人」のことです。成果とは、約束したことを実現することです。
(中略)そして経営の目的とは「お客様」と呼ばれるファンを増やしていくことであり、顧客を創造することに尽きます。私が経営者人生をかけて追求してきたことでもあります。


「商売十訓」
一、損得より善悪を考えよう
二、創造を尊びつつ良い事は真似ろ
三、お客に有利な商いを毎日続けよ
四、愛と真実で適正利潤を確保せよ
五、欠損は社会の為にも不善と悟れ
六、お互いに力を合わせて働け
七、店の発展を社会の幸福と信ぜよ
八、公正で公平な社会的活動を行え
九、文化のために経営を合理化せよ
十、正しく商人に誇りを持て

「商売は今日のものではない。永遠のもの、未来のものと考えていい。それでこそ、本当の商人である。人は今日よりもより良き未来に生きねばいけない」

商売の目的とは何でしょうか。それは「人の幸せを育むことにほかならない」と倉本長治は説きます。その一点のためにのみ商人は儲ける責務を負い、利益を必要とするのであって、その目的が叶った姿を「繁盛」と呼んでいるだけです。

本当の商売とは、三つの要件から成り立ちます。自分の仕事が「愛」に基づいているかどうか。行いの隅々まで「真実」に徹しているかどうか。お客様、従業員、取引先、そして自分にも相応の「利潤」をもたらしているかどうか。

お店のおかげで
町の人たちの
生活が改善されました
とお礼を言われる
店こそ真のお店

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