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週末読書メモ138. 『デザイン思考の先を行くもの』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

デザイン≠アート≠センス≠クリエイティビティ。

そのことが分かる1冊。


電通のコピーライターとして経験を積み、ハーバード大学デザイン大学院にて都市デザイン学修士を修めた建築家の著者。

その経験による視点から、日本人が誤解しがちな「デザイン思考」を解説し、活かす方法を紹介した1冊になります。


とにかく新しい視点を提供すること、新しい課題を発見するということ、それこそがデザインなのである。

つまりデザイン力とは問題解決力のこと。あくまで「問題を発見し、解決の糸口を示す」能力なのである。

建築を含め、何かを作る・生み出すということは、課題を特定し、解を導くこと。それこそがデザインだと述べます。

私たちがイメージするような「物事をきれいに整えること」は、「スタイリング」というまったく別の作業として存在していたのだ。

故に、スタイリングとも、(自己実現の形となる)アートとも、デザインは一線を画すものだと。


デザイン思考を実践するプロセスは6つのステップに分けることができる。
①Discover the problem or need(課題か需要の発見)
②Define(解くべき課題の定義)
③Ideation(アイデア出し)
④Protype(試作づくり)
⑤Implement(実施)
⑥Evaluate(評価)

デザイン思考とは「改善のためのツール」であることがわかる。現状のプロダクトより、さらに良いものを生み出すための「仮説検証」のための道具。1を10に磨いていくための手法なのである。

興味深い視点はこちら。

デザイン思考は、0→1向けの思考法のようなイメージを持っていましたが、専門の方からすれば、それも誤解だと。デザイン思考の本懐は、PDCAを幾度となく回すことによる改善(磨き上げ)にあると言います。

それでは0から1の「仮説創造」をするには何をすべきか。そこで紹介したのは、ハーバードの「個人の見立てによる未来からのバックキャスティング」、あるいはRCAやMITのスペキュラティブ・デザイン。
(中略)個人の主観によって課題を見立て、客観的な視点で改善していく。このマッピングが頭にあるかどうかで、イノベーションの確度は各段に高まると筆者は信じている。

だからこそ、1→10の力になるデザイン思考を抑えた上で、0→1の思考は、別途習得する必要性を強調します。


改めて、五常・アンド・カンパニーの慎泰俊さんの言葉に唸ります。

問題解決能力(論理的思考力)がビジネス界を折檻し、少し前まではデザイン思考がその地位に名乗りあげていました。

この何年か、デザイン思考を生かし、顧客の課題解決の切り口を変え、新たな価値を創出した例が、何件か頭に浮かびます。しかしながら、周りを見渡しても、まだデザイン思考を武器にまで昇華している組織・個人は限られているようにも思えます。

何となくは頭では分かるけれど、身体知までは昇華できていない思考法。

この世界には、まだまだ自分の及ばない分野が多いことに感謝しつつ、自分も、組織も、そのケイパビリティを伸ばし続けられるよう進んでいきたいなあ。


【本の抜粋】
とにかく新しい視点を提供すること、新しい課題を発見するということ、それこそがデザインなのである。

つまりデザイン力とは問題解決力のこと。あくまで「問題を発見し、解決の糸口を示す」能力なのである。

私たちがイメージするような「物事をきれいに整えること」は、「スタイリング」というまったく別の作業として存在していたのだ。

デザインとセンスは一切関係ないと述べてきたが、もし「デザインのセンス」と呼べるものがあるとすれば、それは「不便と感じる頻度」ではないかと思う。

デザイン思考を実践するプロセスは6つのステップに分けることができる。
①Discover the problem or need(課題か需要の発見)
②Define(解くべき課題の定義)
③Ideation(アイデア出し)
④Protype(試作づくり)
⑤Implement(実施)
⑥Evaluate(評価)

デザイン思考とは「改善のためのツール」であることがわかる。現状のプロダクトより、さらに良いものを生み出すための「仮説検証」のための道具。1を10に磨いていくための手法なのである。

それでは0から1の「仮説創造」をするには何をすべきか。そこで紹介したのは、ハーバードの「個人の見立てによる未来からのバックキャスティング」、あるいはRCAやMITのスペキュラティブ・デザイン。
(中略)個人の主観によって課題を見立て、客観的な視点で改善していく。このマッピングが頭にあるかどうかで、イノベーションの確度は各段に高まると筆者は信じている。

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