(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
前回、『戦争の変遷』を説いたマーチン・ファン・クレフェルトさん。
本作は、彼が「兵站」という概念に焦点を当てた名著となります。
つまり、戦争を(物事を)実現させる術。それが兵站。
一般的には馴染みがないですが、戦略以上に重要と呼ばれるこの概念について、深掘りされていきます。
戦略とは可能性の技術。そして、その可能性を決めるのが兵站だと。
古代から戦争の様相は「ロジスティクスの限界」によって規定されていたことが、古今東西の事例とともに論じられます。
兵は食べる。武器は減る。その中で、いかに戦いをやり抜けるか、勝ち抜けるか。それらは、すべて兵站にかかっていると。
古代においては、略奪を兵站の調達手段であったことも興味深いです。そこから、組織の大規模化・技術の高度化に伴い、それが通用しなくなった現代。歴史の中の変化に応じながらも、常に限界条件を決めてきたのが兵站でありました。
「戦争を見れば見るほど、いかに戦争がすべて管理と輸送に依存しているかが分かる」
これが根底。その上で、リスクを冒すことによって勝利が得られると。
本書で興味深いことは、最後まで一貫して、戦略以上に兵站の重要性を述べた上で、最後には、精神は更に大事だとも。
これも真理なんだろうな…「精神と物質との関係は三対一である」というのも、ナポレオンは流石というか。
精神も、兵站も、戦略も、全て重要。その変えることの出来ない事実を胸に、前に進むしかなのだろう。
思えば、この週次の読書メモも、同じく兵站がテーマである『山・動く』から始まり150週目。
約3年。色々思うことはあれど、改めて多くの本、多くの筆者、多くの分野に触れられた有り難さはかけがえのないものであり。
実験的に週次で書いてきたこの読書メモも次の段階へ。
P.S.
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