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『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』感想

前の『時給は、いつも最低賃金~」の時も
思ったけれど、著者の和田さんの書く文章は、
思い当たる節がありすぎて、「あーこれ、私の
ことだ」と思ってばかりいた。

それは、きっと私だけでなく、多くの女性達が
思うことなんだと思う。


・女の人の社会保障は、配偶者とセットで語られる事
・女の人は、結婚していないと家族や社会から圧を受ける事
・結婚していても子どもがいないと圧を受ける事
・結婚して子どもがいても夫からは、見下されがちな事
・ケア労働は、なぜか無償だし、簡単な事、やって
当たり前と思われている事

どれもジェンダーの問題なんだけれど、自分達が
気づかないふりをしてきたり、
「経済って難しいし、私には、関係ないかな」
「政治ってよくわからないから、私には、関係ないかなぁ」
って思ってきた、思わされてきたことがパリテが実現しない
要因なんだとも感じた。

そして、自分たち自身が呪縛をかけていたりする
事も。

実際に私も「経済って苦手だし、興味ない」って
思ってきたから、未だにやっぱり分からない事
だらけで、自分が店を経営をしていても、
上手くいかない事だらけで、やっぱり男の人の
ように上手くやれないって思ってばかりいたり
する。(女の人だって上手くやれてる人もいるのに)

そんな風に多くの女性が目を背けていた事に
和田さんは、いつも切り込む。
「いい年して、そんな事も知らなかったのかよ」
って事もきちんと書く。

大磯町の女性たちは、みんな勉強熱心で親切で
やさしい。そんな人たちとの触れ合いが読んで
いて、とても心地よい。
女の人もなんだって出来るって気持ちに
させてくれる。

誰も「そんな事も知らないの?」とも言わない。
そんな風土が女性を勉強熱心にさせるのかも
しれない。

私は、経営者としては、本当にダメダメだ
ってわかっている。
勉強も全然、足りていない。
でも、数字に表す事のできない事を
やってきた自負もある。
(経営とは、別のところで)

そんな私にこの本は、ちょっぴり自信を
与えてくれた。
そして、もっと色々な事を勉強したいなぁとも
思わせてくれた。
(経済や経営も含め)



地方自治の方が国政より身近に感じられるし、
楽しい。

私の身近には、練馬区議会がある。
そして、パリテになった杉並議会の
動向も気になる。

でも、この本の大磯町会とは、
何かが少し違う。

ネットから流れてくる議会の様子が
全く違う。

どうして、女性の意見に野次ばかり
飛ぶんだろうか?
議論は、深められずに多数決で
色々な事が決まっていく。

大磯町会の素晴らしさは、女性議員の
頑張りと同時に男性議員のフラットさ

とても大きいんだろうなぁ感じた。
それは、きっと町の人たちも。

女性と男性が半々で自分達の地域の
為、自分たちの国のためと思って
くれる人達が政治をやって欲しい
なぁと思うのだけれど、それは、
お花畑なんだろうか?

でも、この本を読んだら、ちょっびり
勇気が出た。

お花畑だって言われたくないし、
お花畑の先って素敵なことがあると
思う。

大磯町会が再度、パリテに
なったように。

この本をたくさんの女性がそして、
男性が読んでくれるといいなぁと
思う。



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