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0歳児母、夜のライブコンサートへ行く

子どもができたら夜の外出は出来なくなると思っていました。

ましてや私は0歳児の母。

夜のイベントの情報は、そもそも見ることもしません。どうせ行けないと思っていたから。

しかしそこに、一通のメールが届きます。

あのね、ごめんね、無理だとわかってるんだけど、声をかけてみるね……。

「あんさんぶるスターズ!Starry Stage 1st 〜in 幕張メッセ〜」
4月8日(日)
夜の部 18:30 幕張メッセイベントホール

当たらないと思ってたらうっかり当たった……

これから息子という推しにお金がかかることも、夜の外出が無理なこともわかってるんだけど、もし、万が一いけるようならお返事ください

「あんさんぶるスターズ!Starry Stage 1st 〜in 幕張メッセ〜」(略称スタステ)とは、男性アイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ!」の声優さんたちによるライブイベント。

かれこれ2年以上、つわりで吐きまくってる時も、帝王切開で入院中も毎日ぽちぽちしていたゲームです。

一言でいうと、めっちゃ行きたい。

そして、友人のなんと配慮のあるお誘い文であることよ……。

友の優しさに涙しつつ、返した。

ちょっとまってね、調整してみる。
1、2日以内に返事するから

◾︎相談することへのためらい

しかし、自分でも行けるか半信半疑でした。

うちの夫は育児に協力的なので、夫が休みであればなんの問題もありません。
しかし、24時間365日稼働している介護施設に勤めているので、シフト制で土日はまず休めない。

相談したところ、夜勤はなんとか回避してもらえそうでしたが、日曜はやはりシフトに入ってくれる人がなかなかいないので休むのは無理。
帰宅は21時ごろになる見込み。

次に相談するのは母です。
私の実家は近くはないのですが、すごく遠くもない、電車で片道1時間ほどの所にあります。

これまでも外出したい時や保活などでたびたび息子のお世話をお願いしていました。

しかし今回は日曜の夜。

母は専業主婦ですがボランティア等で予定も多く、父は60代後半ですが定年のない仕事で今もバリバリ働いています。

彼らには彼らの生活があります。
月曜は朝から仕事や家事が控えている。

日曜の午後から21時まで息子をみてもらえないか、と頼むことにまずためらいがありました。

非常識なのではないか。
ひどい母親なのでは。
さすがに親にも呆れられるだろうか。
慣らし保育最初の一週間が終わった週末なのに、息子から離れるのはストレスを増やしてしまうだろうか。

悶々としましたが、しかし、行きたい。

結局失うものが私の評判だけならばと、思い切って母に相談しました。

8日大丈夫です!
15時までに伺います。楽しみです。

………予想外にあっさり承諾してもらえてしまった。

こうして私はライブに行けることになったのです。

◾︎当日までの調整

4月第1日曜のライブだったので、息子の慣らし保育でてんやわんやの時期でした。

久しぶりの早起き、準備、保育園の仕組みを覚えるのに必死。しかしそんな日々も、週末のライブを楽しみに乗り越えることができました。

ライブに向けて、金曜には普段週末に行なっている家事を完了。
でもこれは、慣らし保育が順調にいっていて、まだ育休中でひとりの時間があったからできたこと。

職場復帰後はそうはいかない気がします。

土曜は息子とたっぷりのんびり過ごして、息子の疲れも取るように努めました。この時点で月曜の登園準備は終えておきます。

ライブ当日は、極力各方面にかける手間を減らそうと、息子の離乳食は外出までに終え、お風呂にも入れ、昼寝もさせて、なんかもう必死でした。

自分の食事と準備と息子の世話だけで時間ぴっちり。

幕張メッセは自宅からなかなか遠いので、15時に母に引き渡し、15時半には家を出ました。

◾︎私がライブ中、自宅では

ライブはそれはそれは楽しいものでした。夢のような時間。あっという間で、本当に楽しかった。

結局私が帰宅したのは23時ごろ。

その間、母が息子をみていてくれて、予定より少し早い20時ごろ夫が帰宅。

その後父も家に来て、夫が父と母にコーヒーとクッキーを振舞ってくれたそう。
(父は母を迎えに来て、一緒に夕飯を食べて帰ったのだと思います)

両親の帰宅後、夫は自分で夕飯を作って食べて、息子を寝かしつけ。
私が帰った頃には息子はすやすやでした。

◾︎心理的ハードルと現実的問題と

そんなこんなで驚くほど平和に、0歳児の母である私が夜のライブに参加することができました。

母には「旦那さん行って良いって言ってくれたの?大丈夫?」と心配され、友人にも「正直、よく来れたね」と言われ、本当にかなり周りの人に助けられてようやく行けたライブです。

帰り道は、こんな時間に外を出歩くの1年以上ぶりだな、と思いながらてくてく夜空を見上げました。

思えば、夜外出できないと思っていた理由は突き詰めると「母親だから」というだけで、ハードルはいくつもあるけれど、それは乗り越えられないものではなかったのです。

もちろん私は環境に恵まれている方だと思います。

気を遣いながらも、誘ってくれる友人。
母で妻の私が趣味で出かけるのを妨げない夫。
子どもの面倒をみてくれる両親。

どれも無ければ成り立ちませんでした。

しかし、今回色んなハードルを越えられたのはとても大きかった。

というのも、もうしばらくしたら職場復帰しますが、そうすると平日は仕事、週末はワンオペ育児となる見込みです。

正直かなり不安です。

相当工夫しないと、自分が潰れる。病む気がします。

本格的に職場復帰する前に、その気になれば私はどこにでも行けるし、やりたいことができるとわかったことは、大きな心のゆとりになりました。

今は楽しかったライブの余韻でまだふわふわしています。
お陰で、寝るのはいつもより遅かったものの、ちゃんと6時に起きて息子を保育園に連れて行けました。

驚くべきは夫と両親。

私「スタステ楽しかった…余韻で1ヶ月はがんばれる」
夫「じゃあまたライブいかないとね」
私「!?!?」

夫も趣味の自転車レースの際は夜どころか1泊2日とかで家を空けます。
全力で職場との日程調整も行うので、お互い様という感じで好きにさせてくれるのですが、ここまで言ってくれるとは思っていませんでした。

また、母にお礼のメールをしたところ、「孫と過ごせて楽しかったし、よく寝てくれたから本も読めました。美味しいコーヒーとクッキーもご馳走様でした。お父さんが、いい旦那さんでかおるは幸せだなぁと言っていましたよ」とのこと。

ありがたいこと限りなし……。
コーヒーを美味しいと言ってもらえて夫も喜んでいました。(コーヒーを淹れるのも夫の趣味のひとつ。)

ちなみにうちの父は家事を一切せず、専業主婦の母と働く父の完全分業体制だったのですが、私の夫が家事をする姿を見て布団を上げたりするようになったそうです。

案外、色んなところで影響を与えあっているんですね。

育児や仕事でつらくなっても、流れ星に願いをかければスーパーヒーローが駆けつけてくれるとわかったので(私の推しの流星隊というユニットです)、楽しかったライブを胸に、また今日から頑張ろうと思います。

あーーーーー楽しかった!!

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