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『CKD』~身近な生活習慣病

突然ですが皆さんは『CKD』をご存知でしょうか?「Chronic Kidney Disease」の頭文字を取ったもので『慢性腎臓病』のことです。成人の8人に1人はCKDといわれるほど身近な生活習慣病の一種です。

重症化すれば人工透析か腎臓移植が必要になります。私の周囲にも週に数回人工透析を受けている人がいますが、時間の制約だけでなく、体力的にもかなり辛いことを訴えられます。最近では、臓器移植法が改正され、免疫抑制療法の進歩などもあり、夫婦間の臓器移植なども増えてきたようですが、例えば献腎移植規模登録者数に対して献腎移植できた人は約2%と、まだまだドナー数が不足しているのが実情です。

ちなみに『公益社団法人日本臓器移植ネットワーク』によると、2022年7月末現在の移植希望登録者数は次の通りです。
●心臓 917名
●肺  511名
●肝臓 319名
●腎臓 13,632名
●膵臓 178名
圧倒的に腎臓が多いことがわかります。

人工透析にしろ、臓器移植にしろ、一長一短があり、他の生活習慣病と同様に食生活などの生活習慣を見直す等の予防はもちろん、早期発見・治療が基本です。

私自身、若い頃はCKDなどを意識することはまずありませんでしたが、熊本市長となり、市民の健康状態を調べてみると、熊本市の人工透析導入者数は人口比で全国平均の1.47倍と、他市との比較で最も高い水準にあることが明らかになりました。CKDが、死因の上位を占める心血管疾患の重大な危険因子ということもあり、2008年に関係者が集まって『熊本市CKD対策推進会議』を開催。各種啓発活動や特定健診との連携による早期発見、専門医とかかりつけ医との連携、保健指導による進行の抑制など、総合的な対策を講じました。

5年が経過して、新規透析導入者は295人(2009年度) → 251人(2014年度)、導入平均年齢は66.74歳(2009年度) → 69.71歳(2014年度)と着実な成果を挙げてきました。現在もその取り組みは続いています。

先ほどの、人工透析の辛さを訴える人は、異口同音に「若い頃にもう少し気を付けておけばよかった」と嘆かれます。CKDの特徴は初期段階で自覚症状がないことが指摘されています。発症予防や進行抑制の基本は、適度な運動と食事。私自身は、ウォーキングマシンで日々汗を流し、8分の1に入らないように気をつけています。残暑厳しき折、くれぐれも無理は禁物ですが、もしまだであれば皆さんも適度な運動を始めてみてはいかがですか。

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