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19週での破水



2020年のクリスマスは病院だった。
サンタクロースがケーキとプレゼントを持って、15分の面会に来てくれた。
本を読むのも文字を書く体力も気力も続かなかったから、寝るか、動画を観るかの毎日だった。
寝る前の日記を書くことだけはずっと続けていた。



毎日の経膣エコー、破水の疑いが強かったので、感染症を防ぐための膣内洗浄。
入院を経て(この時は3ヶ月弱も入院すると思ってなかったけれど)
足を広げる内診台は何とも思わなくなった。
妊娠以外の婦人科検査もどんとこい。どうぞ何でもしてください。の気持ち。


お腹に機械をつけて、胎児の心拍や子宮の様子を調べるNSTテストはまだ週数が浅く、正確に把握できないので、心拍のみを聴く小さい機械(調べると胎児超音波ドップラーと言うらしい)も毎日した。
経膣エコーと経腹エコー、1日1回以上じっくりじっくり診てもらった。
先生たちとも、助産師さんたちとも、何度も話した。


お腹の張りもなく、産まれる兆候はないので
シャワーもOKで、MFICUを出てすぐそばにある自販機までなら歩いてもよかった。
よく総合病院のご飯はまずいと聞いていたから、想像よりははるかにおいしくて毎日のご飯が楽しみだった。


「羊水過少」

これは紛れもない事実。
羊水はお母さんのお腹の中で作られて、それを胎児が飲み、排尿する。
そうやって循環されて胎児の臓器が成長していって、増えていくもの。
私の場合、顔の前に2-3cm確認できるのみ。
赤ちゃんが包まれて浮かんでいるというより、確認できるという表現がしっくりくる。


羊水過少の原因は概ねこんな感じらしい。
・破水によるもの
(正産期37週以前の破水は前期破水と呼ばれる)

・胎児によるもの
(臓器異常や発育遅延によるもの)

・胎盤の機能低下によるもの
(胎盤に血栓ができていて詰まっていたりするらしい)

・母体に何かしらの異常がある場合
(妊娠高血圧症候群や薬剤によるもの等)


まず血液検査やエコーから、母体や胎盤には異常は見られず。
胎児の発育遅延は-1週間程度。
これは誤差の範囲内らしく、異常はない。
3回の羊水検査のうち1回が陽性になるくらいの確率だけど
前期破水、高位破水で間違いないでしょうと言われた。


12月になってからおりものが増えたなとは感じていた。
でも、週に1回ほどそう感じるくらいで、痛みや出血はなく。
張りも感じなかった。
安定期に入ればおりものは増えるとネットに書いてあったのでそういうものかと思っていた。

まさか破水しているとは。
まさか羊水過少とは。


絶対大丈夫よって何度も言われた。奇跡を信じて。
励ましてくれてありがとうだけど、落ち込んでいないし無責任なことを言わないで欲しかった。ただ事実がそこにあるだけで。
これからどうしていきましょうか。先生たちと何度も話し合った。
私の結論は最初から決まっていた。


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