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君の名前は


お雑煮は白味噌に丸餅。
砂糖を混ぜたきな粉にお餅をつけて食べる。
夫と過ごした年末年始でさらに気持ちを固めた私は1月4日に再入院した。
ずっと不思議な感覚。
静かでどこかふわふわするような、全てが鮮明に映るようだった。逆に全てを見透かされるような。
緊張していた。


2021年1月4日、21週4日。
羊水の量も少ないまま、検査の結果破水している。
赤ちゃんは変わらず元気。少し小さいかな、くらいで何も問題はない。
19週に破水していたとして、21週まで保ったことに驚かれた。
とにかく22週を目指しましょう。
毎日の経膣エコーと洗浄、感染症を防ぐためにお薬も膣内に入れていた。


22週で産まれた場合、23週で産まれた場合、
1週過ぎる毎に夫を呼んで説明してくれた。
本当は週1、15分しか面会できないので、じっくり話す時間をくれて本当に嬉しかった。

600gで産まれた赤ちゃんの成長も見せていただいた。
私にとっての危険、赤ちゃんにとっての危険、わかりやすく何回も説明してくれた。
帝王切開の同意書は22週で救命処置を行えるようになったらすぐに書いて、出産の時に備えていた。



明日も元気な心音が聞こえますように。
そう願って、毎日日記に書いていた。
4人部屋で、私は寝る時歯ぎしりがすごいと夫から言われていたので、他の妊婦さんのストレスになっていないか心配だった。





破水がわかったあの日。
本当は性別がわかるんじゃないかと楽しみにしていた。
只事ではない雰囲気に何も聞けずにいた。

大きな病院に入院した日に、性別を聞いた。
男の子だった。


男の子だったら、この名前。
妊娠がわかってすぐくらいから決めていた名前があった。

空が青々としていて、世界を照らして
美しく、朗らかであたたかい様。
優しく気持ちの良い大人に育ってほしい。
ずっとずっと、この子が大きくなって、おじさんになってもおじいさんになって私たちがいなくなっても、ずっとそう願っている。


毎日、名前を呼びながら、おやすみなさいとお腹をなでて寝ていた。
23週迎えて喜び、24週を迎えて喜び、気づけば破水がわかってから1ヶ月が経とうとしていた。

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