経験から学ぶ際に注意すべき4つのポイント
前回、学ぶ方法は色々【理論と経験】という記事を投稿いたしました。
今回は続編として、経験から学ぶ際に注意すべき4つのポイントをご紹介します。
日々たくさんの学びを深める中で、学び方のポイントを間違ってしまうと活かせる場面が少なくなってしまいます。
活かせる場面が少なくなるだけならまだしも、学んだはずが逆に視点や考え方を狭めてしまうことだってありえるんです。
特に経験から学ぶ際には、主観や先入観により偏った見方になってしまうことがあるため、注意が必要です。
せっかく時間と労力をかけて学んだことを無駄にしないように、経験から学ぶ際の注意すべき点を押さえていきましょう。
お時間のある方や興味を持っていただけた方は、ぜひ最後までお付き合いください。
目次を見て、気になる項目だけご覧いただくこともできますので、少しでも気になった方はお目通しください。
よろしくお願いします。
経験から学ぶ際の注意すべきポイント
経験から学ぶ際には、自分が見たものや考えていることを疑う意識を持つことが大切です。人には偏ったものの見方や先入観があるからです。
偏ったものの見方や先入観は良いものとして働くこともあるのですが、学びを深めていく際には注意が必要です。
この意識がないと、自分の思考に偏った知識になってしまい、学びを深めたり視点を広げるせっかくのチャンスを損なってしまうんです。
経験というチャンスをものにして、自分自身が成長するような学びを得るためにはどのような意識が必要なのか、4つのポイントに絞ってご紹介します。
① 自分を客観的にみる
経験から学ぶには、まずは自分の経験や思考のクセなどを客観的にみる意識を持つことが大切です。
人は自身の経験、大事にしてきた思いや考えに基づいて目の前のことを判断します。
例えば…コンロに乗せられたやかんに触れて火傷をした経験がある人は、コンロに乗せられたやかん=熱いという認識を持ちます。
しかし、実際にはやかんが熱いわけではなく、中に入った水が高温に変わっていたり、火によってやかんが熱をおびているため熱いのです。
しかし、コンロに乗せられたやかんで火傷した経験がある以上、無意識のうちに「熱い」と思い込んでしまうんです。
火傷をしないために、恐る恐るやかんを確かめる(湯気を確認する、近くまで手を近づけてみる)という行動になります。その結果、やかんが本当に熱いのかどうかを判断します。
やかんが実際に熱いかどうかは、確かめてみなければわかりませんよね。
瞬間的に見て判断した「コンロに乗せられたやかん=熱い」という認識は、経験からするとあっているよう思えるのですが、実際にはそうでないこともあるんです。
この、やかんの話と同じように経験は思い込みや先入観を抱かせてしまうからこそ、目の前のことに対して本当に自分の考えはあっているのかをしっかりと確認することが大切になるんです。
② 新しい視点の獲得
常に新しい視点で物事を見る意識が大切です。
人は自分の生活してきた文化や、周りからの影響を受けて物事を判断するクセがあります。
このクセは瞬時の判断に役立つこともあるのですが、反面、新しい視点で物事が見れなくなるような視点を狭めてしまうことにも繋がります。
『赤いものをイメージして答えてください』という内容で、医療系の仕事をしている人とイタリアン料理の仕事をしている人に質問したとします。
返ってくる答えが違う気がしませんか?
例えば…
医療系の人は血をイメージするのでは?
イタリアン料理の人はトマトをイメージするのでは?
と思いませんでしたか?
…実はこの時点で多くの人の視点は狭まっているんです。
少し質問が誘導尋問のようで意地悪でしたが、医療系の人は血をイメージするかどうかはわかりませんし、イタリアン料理だからトマトなんてことも言いきれませんよね。
実は質問自体が抽象的なのにも関わらず、職業を足すと「それっぽい」考えの枠組みにあてはめようとしてしまうものなんです。
でも実際にはそのような枠組みなんて存在しないことが大半です。だからこそ、新たな視点を意識して、より深い洞察や思考を巡らせることが大切になるんです。
③周りの意見に流されない
周りの人の意見に流されないという意識も大切です。
人は知らず知らずのうちに周りの人の意見に流されてしまいがちです。このため、自分で考えて判断するというよりも、周りの人が言っているからという理由で判断し思考を止めてしまいます。
例えば、あなたが新しいレストランに行くことを検討しているとします。友達のAさんはそのレストランが素晴らしいと言っていますが、友達のBさんは逆に良くないと言っているとします。
友達の2人が全く逆の意見をすることで、新しいレストランに行くことをためらってしまったり、どちらの意見が正しいんだろう…という不安にも似た思考になってしまいますよね。
実はこの時点で、あなたの思考や判断は歪められているんです。
周りの人の意見があなたの思考に入り込んでしまい、あなたはあなた自身の理論に基づく判断をしなければならないにも関わらず、友達の意見に左右されてしまっているんです。
レストランに行く目的はあなた自身が持っています。
友達の意見がどうであれ、あなた自身の目的が達成される裏付けがあるのであればレストランに行くことを迷うことはなくなります。
友達の意見はあくまで参考の一つなんです。
あなた自身の目的を見失わずに多角的な検討を加えることで、他者の意見に振り回されず、より客観的な意思決定ができます。
④情報を鵜呑みにしない
情報を鵜呑みにしないことも経験から学ぶ上で重要なことです。人は権威のある人や、目上の人が言うことを鵜呑みにしてしまいがちです。
目上であるからこそあたかも正しく思えてしまうものですよね。
他にも…周りの大多数の人が言っているからという理由で、それがあたかも真実のように思えてしまいます。
これは、SNSや情報量の多い現代だからこそ陥りがちな問題です。
『SNS で流行っている人が言っているから間違いない』と信じ込んでしまうと正しい情報が見えなくなってしまいます。
これらを基に判断してしまうと、経験を通して学んだはずが、情報に振り回されて真実を見極められなくなってしまうんです。
その結果、表層の情報だけで判断してしまう、浅はかな思考になってしまうんです。
権威ある人や目上の人の言うことを信じるなというわけではなく、どんなことに対しても、それが正しいのかどうかを理論的に考えるという意識が大切です。
経験から学ぶ際に注意が必要な理由
人は誰でも間違える「絶対に正しい」に注意する
勘違いを起こして間違ってしまったということはありませんか?絶対に間違っていないと思ったことが、実際には間違いだったということはありませんか?…このようなことは誰でも一度は経験したことがあると思います。
人は経験を通して学ぶ生き物ですが、一方で人の経験による学びには不確かな要素が多いのも事実です。
繰り返しになりますが、人間は勘違いをする生き物だからです。
経験から学ぶことは非常に重要ですが、人は様々な思い込みや先入観、偏った見方をしてしまいがちです。このことと向き合わずに、経験だけを頼りに判断してしまうと学びや新たな視点は損なわれてしまうんです。
これらを完全になくすことは難しいのですが、自覚を持って注意するだけで、大きく結果は異なってきます。
迷った時にはまずは確認してみる、理論的に正しいのかどうかを検証してみる、自分自身の求めているものは何なのかを系統立てて考えてみる、これらを行うことで、経験からの学びはより深いものに変わっていきます。
だからこそ、経験をして学ぶ際には注意することが大切なんです。
注意すべきポイントを押さえることで得られるメリット
注意すべきポイントを抑えて、勘違いや先入観をなるべく排除することで、人生や仕事においても大きなメリットがあります。
知識を養う基礎ができる
注意深く学ぶことで、知識を養う基礎を築くことができます。これはビジネスにおいても人生においても自分の足元を固めるうえで重要です。
自分自身を客観視することで自分の思考のクセや偏りを減らして、考えを深めることで知識が常にアップデートされる状態になります。
イノベーションの源泉
先入観を極力排除し、周りの意見や常識にとらわれない思考が身につくと、環境の変化に柔軟に対応できるだけでなく、新たな価値を見つけ出すことにもつながります。
この思考が普段から行えるようになることで、知らず知らずのうちに新しいアイデアや視点を模索するようになり、イノベーションを起こしやすくなります。
最後に
経験から学ぶことは非常に大切なことです。経験なくして学ぶことは出来ませんし、理論だけでは机上の空論になってしまいます。
しかし、同時に経験はあくまで人によるもので、誤った見方をすることや思考の偏りが生まれることを忘れてはいけません。
経験から判断することや思考の偏りが間違っているわけではなく、人はそういう生き物であるという自覚を持つことが大切です。
経験から学ぶ際の注意すべきポイントとして、
① 自分を客観的にみる
② 新しい視点の獲得
③周りの意見に流されない
④情報を鵜呑みにしない
この4つのポイントを実践することで、思考の偏りや先入観を軽減することに繫がります。
これらが習慣付くことで、知識を養う基礎が出来上がり、現状で停滞するのではなく常に新しい視点の獲得に繋がる自分のバージョンアップが出来るようになります。その結果、仕事や人生が大きく変わっていきます。
前回の「学ぶ方法は色々【理論と経験】」という記事の続編としてご紹介しました。まだご覧いただいていない方の中で、ご興味を持ってくださった方はこちらも読んでいただければと思います。
貴重なお時間を割いて、最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事を読んでくださった一人でも多くの方の何かになれれば幸いです。
sabukurocha(サブクロチャー)
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