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自己愛人格傾向の高い者の他者操作行動が友人からの評価に与える影響


自己愛人格傾向の高い者の他者操作行動が友人からの評価に与える影響
問題と目的
自己愛(narcissism)とは,ギリシャ神話において池に 映る自分の美しさに見とれてしまったという若者ナル キッソスから由来しており,自己に愛着を感じ,自身 をとても美しい存在であると感じる状態(町沢 , 2005) をさしている。自己愛という言葉は 1898 年に Ellis が 導入し,“自己愛は性的な倒錯であり自身を性的な対象 として見なすもの”と述べた。その後 Freud(1964)はこ の言葉を用い,自己没入あるいは自己愛といったよう な一般的な態度にこの言葉を使うようになった。また, Kohu(t 1971)は自己愛が健全に育った場合には創造力と ユーモアを育てることが可能であると述べている。日 本ではうぬぼれや耽美といったニュアンスで使われる ことが多く,主に思春期から青年期にその傾向がみら れると町沢(2005)は報告している。

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