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【小説】SNSの悪夢

ここまで調べた事は無駄だったかもしれないな、自分が調べたとなると法律上は問題になるかも知れないんだもんな。

折角、自分で何とかできると思って、家まで変えてしまったのにな、考えながら電話を切る。

最初から人に頼んだら良かったのかも知れない、だが自分で解決に導くのを良しとしていたので、他人に任せるのは違うんじゃ無いかと考えたのだ。

他人に頼んで何もかも任せるのは性が合わない、何でも自分でやってみたい方だ、その方が俯瞰して見える気がするからだ。

それでも、彼女に責任を取らせたいとなると、弁護士に頼まなければ成らない。

法律上の手順を踏んで事を起こさなければ、大きな問題になりそうだし、同居していた妻が批判したのを、問題に出来るのかが自分には解らないからだ。

あの頃に解っていたなら、若しかすると彼女を許していたのかもしれない、彼女が自分でしたと告白すればと云う前提だが。

ここで何をしたかったのか、もう一度思い出す、彼女と暮らすために自分の身の潔白を証明して、ついでに復讐もしてやろうと考えていた。

彼女が自分に攻撃して居る人間の側とは考えていなかった、だから3人に絞って返そうと思っていたのだ。

彼女も不倫を攻撃するなら、なぜ自分に言ってこなかったんだ、離婚したかったとしか思えない。

自分でももう少し調べてみよう、調べるだけなら問題ない、誰にも言わなければ良いだけだ。

彼女には不倫で炎上して貰いたい理由が有ったんだ、それが何であっても、自分は許せない。

許せないのは、まだ気持ちが残っているからだろう、愛の反対は無関心と云うのだから、憎しみは愛を無くしている状態とは言えないだろう。

それにしても一緒に居たいと思っていたのは自分だけで、彼女の方は何とも感じていなかったんだな。

SNSで自分が炎上したから出て行ったんでは無くて、家を出る理由にするために、彼女自身が燃やし続けていたと言う訳だ。

なる程な、自分の頭がどうかして居たんだな、今となっては彼女のいい部分が思い出せない。

普通に着飾って、普通に料理して、普通に挨拶して、偶にはセックスして、後は何が有ったんだろう、彼女に取りつかれる必要は無かった筈だ。

思い出せないという事は、彼女の為と考えて動いていた事は、本当は彼女の為では無く、自分自身の言い訳にする為だったのかも知れないな。

そう考えると、こちらもその程度だったか、SNSを見ながら考えてみる、さて彼女のアカウントはどの位有るのかな?





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