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【アメリカプリスクール日記①】NO!と代案提案はセットでお願いします

娘は最近、プリスクールの友達に不満を抱いているらしい。

「今日も牢屋に入れられた」
「今日はアグリーモンスターに変えられた」
とプリスクールから帰る車の中でぶつぶつ文句を言う。

何かというと、娘は英語があまり話せないから
友達同士のごっこ遊びの時にいつも悪役というか、
汚れ役ばかりさせられるらしいのだ。
本当は「ママ」の役になりたいのにママになりたいと英語で上手く言えないから、(ママになりたい…これは世代や国を超えて受け継がれるごっこ遊びの基礎らしい)
「私がママをやるからあなた赤ちゃんね」とか
「今日はアグリーモンスターだから牢屋に入ってて」とか
姉御肌の友達に役を決定されてしまう。
しかもそれが色々相手の都合の良い役回り…というのが
娘の不満らしい。
「もう遊びたくないよー」と家で泣かれるものだから、
私もかわいそうになって
「じゃあ、お母さんと一緒に解決策を考えよう!」と
なったのだが、はて、こういう時私はどうしていただろう。

振り返ると幼稚園のころ、祖父と古書を漁り落語を聞くのが趣味の子どもだったため、セーラームーンごっこが恥ずかしくて仕方なく(どうしても入ってと言われたら無難なジュピターを選んでかもなく不可もない働きをした)教室内で静かにブロックや粘土で遊んでいる方が好きだった。幼稚園児と言えど人間社会。ごっこ遊びは嫌!と言えば角が立つし、だからといって積極的に遊びたくもない。結局、家に帰る「お迎えの時間」が一番好きだったのだ。

…おい、過去の私よ、娘より社交性がないじゃないか!

これじゃあ、何も教えられない!!!!!!!!

…しょうがないので、保育のプロであるプリスクールの担任の先生に相談してみることにした。


先生曰く、クラス遊びの最中、我が娘がNoを言わないので、
クラスメートがYesだと判断して好きなように振る舞ってしまっているように見えるとのこと。だからまず「Noを言う練習をしましょう」と。
そしてNoの後に、自分が何をしたいのか、
相手に「これをやらない?」と提案できるように教室ではもちろん、お家でもトレーニングしましょうね、と先生はおっしゃったのだった。

なるほど、NOとセットで代案提案を4歳児から教えていくのか。

さすが交渉社会アメリカ、と思ったのも束の間、

先生は「コロナ禍によって25年の教師生活でみたことのなかった変化が子どもたちの間に起きているように感じている」という話もしてくれた。

「長い期間マスクに慣れていたことで、表情を読み取る力の発達が遅かったり、自宅にいる期間が長かったからか自己主張が強めだったり、わがままが過ぎたりする子多くて毎日大変よ!」と。

「みーんなわがままなんだから、〇〇ももっと自分の意見を言っていいのよ。」と娘の目線に合わせて教えてくれました。

さすが保育のプロ。娘もなんとなく、納得した顔で聞いていた。

その後、私と娘でNoと一緒に練習した代案提案フレーズが
" Let's play with this " (これで一緒に遊ぼう!)
遊びの英語名がわからないことが多いので、
このフレーズのThisのところで自分が遊びたいものを指差したり、
持ってきたりしようという作戦だ。


小さな子どもだからまだ交渉は早いと思っていた節があったが、心と頭が柔らかな子どもだからこそ、自分と違う意見の人と自分の意見を擦り合わせる練習をはじめやすいのかもしれない。

NOを言えなかった幼い頃の私がNOを言えたならどうしただろうか。

セーラームーンごっこは嫌だけど、落語絵本を一緒に読もうと提案できたかもしれない。

そんなことができたら…ちょっと楽しかっただろうな。

NOを言って終わるのではなく、新しい扉を開いていくコミュニケーション。

そんなことが小さい頃からできる娘が、ちょっと羨ましかった。

#思い込みが変わったこと

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