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🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年5月16日):ConsensysがSECを提訴:Ethereumをめぐる攻防
2024年4月25日、Ethereumエコシステムの代表的な開発企業であるConsensysは、米国証券取引委員会(SEC)に対してテキサス州で訴訟を起こしました。この訴訟は、Ethereumの未来を左右する、暗号資産規制をめぐる重要な攻防戦の始まりとして、注目を集めています。 Consensysの主張訴訟の背景:Consensysは、MetaMaskウォレットに関する執行措置の可能性を警告する「ウェルズ通知」を受け取ったことを明らかにしました。Consensysは、SEC
🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年5月14日):SECの職員会計公報第121号をめぐる議会と政権の対立
背景2022年3月、米国証券取引委員会(SEC)は、職員会計公報第121号(Staff Accounting Bulletin、SAB 121)を公表しました。この通達は、企業が顧客から預かった暗号資産を自社の貸借対照表上で負債計上し、対応する資産も時価評価で計上することを求めています。また、暗号資産保有に関するリスクの開示も義務付けています。 SAB 121の内容については、下記の記事が詳しいです。 暗号資産業界や規制当局など広範囲からの批判SAB 121の公表後、暗号
🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年5月9日):DeFiの規制議論が高まってきた?:米国財務省レポートと民間提案の新たな規制アプローチ
分散型金融(DeFi)は、ブロックチェーン技術を基盤とした革新的な金融サービスモデルとして、近年注目を集めています。従来の金融システムに代わるものとして期待される一方で、その匿名性や規制の未整備が不正行為の温床となっている問題が指摘されています。特に米国連邦規制当局は、DeFiに関連する犯罪行為に強い懸念を示しており、規制の枠組み作りを重要な課題と位置付けています。 2023年4月には、米国財務省が「Illicit Finance Risk Assessment of De
🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年5月6日):上院ステーブルコイン規制法案:内容と課題、そして立法化の見通し
近年、ステーブルコインは暗号資産市場において重要な役割を果たしており、その市場規模は急速に拡大しています。しかし、ステーブルコイン市場の成長に伴い、消費者保護や金融システムの安定性に対する懸念も高まってきました。 このような背景の下、2024年4月17日、Lummis上院議員(共和党)とGillibrand上院議員(民主党)が共同で「Lummis・Gillibrandペイメント・ステーブルコイン法案(Lummis-Gillibrand Payment Stablecoin
🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年5月3日):SEC、暗号資産分野への内部告発件数が過去最大に達する
2023会計年度は、証券取引委員会(SEC)の内部告発制度にとって記録的な年となりました。この制度は、証券法に違反する行為についての情報を提供する者に対して金銭的な報酬を与えることで、違反行為の発見と抑止を目指しています。2023年には、過去最高となる18,354件の情報提供があり、内部告発者への総報酬額は約6億ドルに達しました。これには、2023年5月に与えられた史上最高額の約2億7900万ドルの報酬も含まれています。 2023年の暗号資産に関する内部告発の件数は2,51
🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年4月25日):2023年、CFTCによる暗号資産セクターへの執行が過去最大になる
2023年、商品先物取引委員会(CFTC)による執行活動は、暗号資産分野において前例のない規模と範囲で行われました。その執行数は過去最大の47件となり、総執行件数の約49%を占めます。下のグラフの通り、CFTCによる執行は毎年増加傾向にあり、規制強化が進んでいます。 CFTCの執行は、暗号資産セクターの様々な違反を対象にしており、詐欺、市場操作、登録違反が含まれます。これらの活動は、大手プラットフォーム及びその幹部なども対象にしています。CFTCが特に注目するべき訴訟案件と