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♡「スキ」まとめ。パン屑みたいなもの。

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☆から♡にアイコンが変わった♪ https://note.mu/fladdict/n/ncf1b60148e27 →スキの一覧が標準装備になった♪ https://note… もっと読む
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#工芸

オキサトさんに聞こう③ 伝統工芸ってなんですか?その1

このコラムは、京都芸術大学京都伝統文化イノベーション研究センターのために書いたものですが掲載が終わっていたので、ここに再掲しました。 Q: そもそも伝統工芸とは何?<タンクトップ子> 伝統工芸って何ですか?<はるか> 伝統工芸という単語はいつできたんですか?<岸くん> A: 「伝統工芸とは?」と聞かれても、上手くは説明しづらいですよね。「昔から続いているものづくり」というのが簡潔な説明なのでしょうが、それだけでは何か大切なものが抜け落ちている気がしてしまうし。あらためて「

会話と推敲 ポッドキャストことはじめ

ポッドキャスト始めました。 2022年3月1日(火)にスタートして、毎週火曜に配信しています。 使わなくなった持ち物を持ち寄って、持ち主と工芸家が対話しながらそれらをアップサイクルできるプラットフォームを作ろうと仲間たちと準備を始めたのが2020年。 ConCra(コンクラ)と名付けられたそのプロジェクトを本格的に始動させたのが2022年3月1日。(何をもって本格的と呼ぶかは自己申告ということで…) 同日スタートさせたこのポッドキャストは、建前としてはConCraの活動を

修理の難しさ

”モノを大切に永く使う”を信条ともしているので、修理やメンテナンスはメーカーの務めであり責任だと考えています。一方で、修理を依頼される方がイメージされている修理と、メーカーのイメージしている修理とがかけ離れていると、トラブルの元になるので注意が必要です。 道具やうつわの修理・メンテナンスは、人間で言うところのお医者さんによる、手術をはじめとした外科治療に相当します。 修復 学術用語としての修理文化財保護法では,第四十三条に「修理の届出等」という項目があります。学術的にみて

2021年の始まりに考える20年

2020年は、慌てふためいた。とは言いませんが、思ってもみなかった世界的な変化の濁流に直面し、目の前の変化に自分を適応させることに精一杯だったというのが終わってみての正直な感想です。 2020年の始めにnoteを始めました。 その際に私の三つの活動領域というものを書きました。 https://note.com/hosai16/n/ne5f8f84d02cd 振り返ると、この活動領域を指針として、慌ただしく変化に対応しながらもブレることなく、その変化を受け入れながら進んで来れ

工芸っていったいなんなんだ?超解説

工芸という言葉は明治時代に誕生した①ART=芸術という概念が輸入された。 ②FINE ART=美術、CRAFT=工芸と翻訳した。 ③江戸時代までの制作物も明治に誕生した概念によってわけられた。 日本美術はアートではなく装飾江戸時代までの日本美術はこんなものだった。 ●絵画 「蓮池水禽図(れんちすいきんず)」俵屋宗達 京都国立博物館  ●屏風 「檜図屏風」狩野永徳 東京国立博物館 ●着物 「白綸子地御簾松文様絞繍小袖(しろりんずじみすまつもんようしぼりぬいこそで)

日本の4つの産地の職人たちをつないで、素材と技術で使いたくなるマスクを作りました。

コロナ自粛でマスクの製造が各地で始まり、SNSに次々とされてくるマスク、マスク、マスク、、、でも僕が身に着けたいなと思うマスクが中々出てこない。でふと目にしたディオールのマスクのデザインを見て、やっぱりデザインをしたマスクにしたいと思いました。 そのうち手作りで取り急ぎ作るマスク達も沢山出てきました。 皆さんからすでに始めている、急場で縫製した手作りのマスクも沢山ある中で、あえて僕がマスクを作るならどんなマスクが良いのだろうかを暇になった3月ずっと考えてました。お安く貢献

祈るということ~工芸的祈りを考える

祈るということは、自分が完全に理解できない、分からない領域があるということを受け入れるということである。 これは中川木工芸の中川さんと話をしていた時に出てきた言葉です。以前の記事に書きましたが、朝日焼では窯焚きの前に皆で集まり祈ります。 何に祈っているのか? と問われると、はっきりとした答えは持ち合わせていません。手を合わせて祈ります。窯には火の神様が宿る。そう思いますし、きっと火の神様に祈っているのだと思いますが、窯そのものと言うか、何か大きな存在を漠然とイメージしな

刃物研ぎから始める錫師のしごと ~ 基礎

多くの手仕事は、それ専用の道具を用いることが多いと思います。私たち錫師(すずし)の仕事も同じで、数々の道具を用いて日々製作に励んでいます。 代表的なものに「轆轤(ろくろ)」があります。器物を回転させて、刃物を使って削ること、砥石などの研磨用品を使って磨くことが出来ます。陶磁器で用いるろくろとは違って回転軸が水平方向で、かつ木工とは違って一か所を器物をほぼ固定しています。 このろくろは非常にシンプルな構造です。ただただ、器物を固定した軸を回転させるだけ。現在うちの工房ではモ

「民藝」って何だろう?

「職人の手仕事で作られた、美しい日用品」それが、「民藝」だと思っていました。雑誌で見かけたり、地元の市で焼物を手に取るたび、民藝ってカッコいいな。心惹かれるな。と、民藝を身近なものに思っていました。 でも、民藝には定義があって、実はもっとややこしい物らしい。 日本民藝協会さんのサイトで、民藝を定義した思想家・柳宗悦さんの「民藝品の定義」が紹介されていました。 ー柳が定義した「民藝品」の条件に下記の8つがあります 実用性:観賞のためではなく、実用性を備えていること 無銘性

工芸に息を吹き込むのは、五感をつかった体験じゃないか

ストーリーとかよりも。 中川木工芸の中川さんと開化堂の八木さんが工房を訪れて、いろんな工芸の職人さんと対話をしていく工房トークを よかったらご一緒しませんか、とお声がけいただいて えぇって舞い上がったりしながら なんてありがたいんだって、何も持ってない私は必死でついていったりしているわけで。 工房トーク、工芸思考について思うところはまた書くことにして(これはまた改めて書きたい) 工房トーク第一回目を開催して、いろんな示唆を貰ったのだけど(これもまた雑でもメモ書きしたい)

工芸思想 職人が手から手へ繋いで来た言語ではない哲学

① 職人の仕事は観て盗め、体で覚えろ! 私は家業である木桶職人の家の三代目として生まれました。 私が木桶づくりの仕事の修業を始めたころ、父や祖父から仕事の手ほどきを受けた記憶はほとんどありませんでした。 「仕事は見て盗め、体で覚えろ!」が基本でした。 父や祖父の仕事をしている姿を見て同じような動きが出来るようになる様に毎日、毎日同じことの繰り返し、繰り返し仕事をする中で自然と身に付いていくものだと考えていました。 そこでは頭で考えたりすることは不要なものとされていました。