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りっぱなしつけが犯罪者のもと?!『反省させると犯罪者になります』

こんばんは、ヒーラーのSAICOです。
反省させると犯罪者になります (岡本茂樹著)』を読みました。

受刑者の更生支援の現場でのお話。
受刑者を反省を求めても、世間向けの偽善ばかりをみにつけてしまって、本当の意味での反省には至らない。表面的な反省を促すことで、本当の意味で向き合うべき内面の問題がわからなくなるばかりか、かえって大きな犯罪を起こすリスクを高めてしまうそうです。反省する以前にしなければならない大切なことがある。ということです。

反省と抑圧

うわべだけの反省を強要すると、反省文を書かされた人の本音を抑圧することになります。反省は自分の内面と向き合う機会を奪い、問題を悪い形で先送りするだけとなります。

本音を抑圧し続けると、どこかで爆発することになります。
そして、それが、犯罪につながる。

大半の受刑者は不遇な環境で生きており、反省の前に、自分の心の痛みに気づく必要がある。著者はいいます。

自分が傷ついていても自分の心の痛みを麻痺させて頑張っていると、他人の心の痛みにも鈍感になってしまう。
自分の心の痛みに気づいてはじめて、被害者の心の痛みを理解できるようになると。(いきなり被害者の視点になろうとしても無理)

受刑者の問題は普通に社会で暮らしている私たちの内面の問題とけっして無縁ではありません。
受刑者は抑圧し我慢を繰り返し、最後に爆発しているのです。私たちは爆発とまではいかなくとも、抑圧し我慢をする生き方をしていないでしょうか。少なくとも「我慢すること」がいいことだと思い込んでいないでしょうか。「一人でなんでもやり抜くこと」が絶対に正しいと考えていないでしょうか?実は当たり前だと思い込んでいる価値観が私たちに生き辛さをもたらしている場合があるのです。

普通の生活での抑圧が極端にエスカレートしてしまったのが犯罪なのかもしれません。

りっぱなしつけが生き辛さを生む

しっかりした子供に育てるために
・我慢すること
・一人で頑張ること
・弱音をはかないこと
・人に迷惑をかけないこと
ができるしつけをすることが多くなります。

このような価値観は、社会生活を送る上で必要なことですが、生き辛さを与える側面もあります。自分の気持ちを出さない、人に頼らない、といった態度を身につけてしまうことになりストレスが溜まります。

一言で言うと、問題行動を起こす人は「ありのままの自分」ではいけないというメッセージをたくさんもらった人ということになります。
「無償の愛」のなかで育った子供は「ありのままの自分」でいいと自分自身を受け入れることができます。「条件付きの愛」で育った子供は条件に応えられない時の自分を「ダメな人間」と思ってしまいます。問題行動の原点は「条件付きの愛」のなかで子どもが育ってきたことにあるのです。

問題行動は「必要行動」で、心の中のしんどさを発散するために必要なもの。その小さな問題行動は支援のチャンスと捉え、表面的な反省をさせてさらに抑圧を深めるのではなく、本音、溜まっているネガティブな感情を聞いてあげて本人に気付かせるというのが大事。

また、いじめ防止教育でも、いきなり、いじめられた子の気持ちだけを考えさせようとしても無理があって、いじめたくなる心理、加害者の視点から始めるのが良いそうです。まず、加害者の視点にたって本音を出して自分の内面と向き合えるようにするのが大事だそう。

犯罪と病気の共通点

犯罪者について書かれた本でしたが、犯罪と病気ってよく似ていると思いました。

ありのままの自分を否定されて、抑圧された感情エネルギーが溜まって、爆発するときの攻撃先が他人であれば犯罪者となり、攻撃先が自分なら病気や自殺になります。

犯罪の場合は加害者と被害者は別人になり、病気の場合は加害者も被害者も自分。

被害者も自分だから反省はないかもしれないけど、お薬飲んだり、治療と並行して、加害者の視点にたって、なぜ自分は病気を作り出したのか?という自分の本音に気づいてあげることが大事だと思うのです。

少なくとも自分だけでも、「ありのままの自分」を受け入れてあげないと!
自分で無理なときは、人を頼るのもアリだと思います。



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