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地べたの上の誕生日ケーキ。

■ベトナム観光客数、コロナ禍前を上回る。
・最近のベトナムNEWS(2023年11月8日付)、「今年1〜10月の国内観光客数は9870万人超、コロナ禍前(19年/通年8500万人)を上回る」。
・ベトナム観光協会は更に広報活動を強化しベトナムの魅力を世界へ発信していく。一方、メディアでは「各地域、企業、専門家等からの観光に関する正確な情報が必須であり観光協会はより精度の高い情報発信が求められる」と言われる。
・また、大分前からナイトライフのオプションの少なさ、公共トイレの少なさ、サービスの質等が課題として挙げられているが一朝一夕で解決できる内容ではない。

■ベトナムは娯楽が少ない。
・ベトナムで暮らし始めた当初、ここに暮らす日本人の諸先輩方から「ベトナムは娯楽が少ない」という事を見聞きしていた。娯楽が成熟している日本の視点から見れば確かにその通りだ。
・例えば、ショッピング然りコンビニに入っても欲しい、買いたいと思うものが非常に少なく物足りなさを感じたものだ。昔と比べれば現在のコンビニは種類も豊富で日本や外国の商品が置かれるようになった。
・昔は何かの冗談かと思わせるほど、棚一列に同じ商品ばかりが倉庫のように陳列されていたが今はそんな景色はなくなり少し淋しい気もする。
・そもそも私は普段コンビニを利用しないのだが、時にどんなものが売られているのかチェックするけどやはり欲しいと思う商品は中々ない。

■幸せな国。
・一方、ベトナム人の視点から見れば、日本人が感じる上述のような感覚は当然ない、この地で生まれ育った彼らにとって現状はごくごく普通の日常であり景色なのだ。「私は日本ではなくベトナムにいて、この地で暮らし、この国に生かされている」と思えば「娯楽が日本より少ない」そんな事は大した話ではない。
・ある週末の夕暮れ時、家族、恋人、友達等人が多く集まるホコ天通りを散歩していた。すると道の真ん中で若者たちが円になり地べたに座っている。何をしているのかと円の中心を見るとそこには火が灯る蠟燭に誕生日ケーキが照らされている。
・主役は蝋燭の火に息を吹きかけ、若者たちは「おめでとう!」とハシャぎ、周りの通行人はその光景を温かく見つめている。日本で同じことを企画したら、私は仲間から「お前は人としてどうなんだ」と人間としての資質を問われかねないのではないだろうか。
・若者たちの目はキラキラし本当に嬉しそうにしているのだ、「なんて幸せな国なんだろう」と思い自然に涙が溢れるのだった。

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