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僕の車輪は脱線したんだ

「わー、待って待って!それは僕が思ってたんと違うー」
線路を走っている車輪が外れた音がした

脱線。
車輪が線路から外れると、僕はそのまま動けなくなった
歩き方を知らない僕の物語り。

「あいたたた、ここはどこだろう。」

こんにちは、君はどこからきたの?
ここは、しいて言うなら、【天国】かな。

「て、て、天国?それは困るよ」

なんで困るんだい?天国は楽しいよ、きっとね。

「僕はちょっと間違っただけなんだ、人生の選択を。なんだかすべてが嫌になっちゃったんだ。だから、いつもと違う景色が見たくてちょっと鳥の真似をしてみたんだ」

なんですべてが嫌になったんだい?

「初めて会った君に、話すことではないかもしれないんだけど。昔飼っていた文鳥の名前を思い出せないんだ。特別な意味でつけたはずなのに、思い出はたくさんあるのに名前だけ忘れてしまうんだ。なんだかそんな自分が嫌になっちゃって。いっそのこと鳥になりたいなって思ってしまったんだ。」

君は鳥になってどうなろうとしたんだい?

「そこまでは考えてなかったな。でも、名前を取り戻したかったんだ。自分が何者で、何を成し遂げるべきだったのか。」

それは見つけられたかい?

「んー。どうだろう。なんだか君を見ていると見つけられそうなんだけど。それにしても、僕は今脱線したまんままったく動けないよ。」

そうみたいだね。これからどうする?

「僕は線路の道しか知らないよ?線路がない道をどうやって歩けばいいか知ってる?」

脱線したなら、次はどうすればいいと思う?
歩き方を知ればいいんだよ、それは一歩ずつ歩いていくことなのか
空飛ぶように改造するのか、地下を潜ってもいいかもね。
君が歩き方を作ればいいんだよ

「ねぇ見て、遙か向こうに見える線路は海がきれいだよ
桜も咲いていて季節をうんと楽しめそうだ
僕の線路は木さえなくて殺風景だ
いいな向こう側は、僕も向こう側に行きたいな」

君が本当に行きたいのなら行ってごらん
どんな風なのか一度見てみるといいよ

「脱線するのは勇気がいったけど、僕も行ってみたいんだ向こう側へ」

いいぞ、がんばれがんばれ。

「おかしいな、思ったより遠いぞ
ちょっと待って、なんだか思ってたんと違うな
海はきれいだけど、線路が錆びちゃう
桜はキレイだけど、花びらが線路を邪魔してくるんだ
なんか嫌になってきた、だって思ってたんと違うんだもん

帰りたいよぉ、やっぱり自分の線路が良かったよぉ」

それは困ったね、君はこっちまで来てしまったというのに。
こっちの線路も案外いいよ、海はキレイで桜は美しいし。
それでも帰るのかい?

「そうなんだけど、錆びる線路も舞い散る桜も僕には耐えられない
向こうから見ている分がちょうど良かったんだ」

そうか、なら仕方がないね。こっちの線路はその錆びる線路も舞い散る桜も
それすら楽しんでいるんだけどな。錆びないようメンテナンスもするし、桜が舞い散ることも風情だと感じているけれど、君は違うんだね。

「それはダメなことだった?憧れて来たことは間違いだった?」

そんなことはないよ。大丈夫。だって、ここまで来た道を振り返ってごらん
とても美しい道だと思わない?

「殺風景にしか見えないよ?」

それじゃ不満かい?君には君の道があっていいじゃないか。

「僕には僕の道があるんだ・・・」

さぁ次はどうする?君はこの線路にずっといるつもりじゃないだろ?

「そうだなぁ、今度は山へ行こう!高い場所から見る海も美しいだろう。山へ登るのはなかなか大変そうだけど、君も一緒に来る?」

また大変な道を選ぶんだね、君は。大丈夫、僕はここが好きだから。歩き方を知った君はとてもキラキラ見えるよ。さぁ、これからは君が線路を作るんだ。好きなように生きなさい。君は大丈夫だからね。

「うん、ありがとう。僕は君を知っている気がするんだ。なんでだろう、確か君の名前は・・・」

「リニエ!!君はリニエだ。線という意味のリニエだ。どこにいてもたどり着けるようにって名付けたんだ!」

さぁ、出発の時間だよ。いってらっしゃいだね^^またいつか会おう!
リニエは幸せだったよ。

「ありがとう、リニエ。歩き方をみつけた僕の物語りがはじまるよ」

解説

この物語は、主人公が生活に疲れ、逃避したいという願望を抱き人生を閉ざします。それを「脱線」という言葉で表現した物語です。
脱線した人生をどう生きるのか、どう向き合うのかのお話しでした^^
あなたはどんな物語に映りましたか?(=゚ω゚)ノ

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ここからはこの物語の解説、私なりの解釈を説明します^^
この先は、私なりの見解で読み解いております。
私の見解が気になる方は読んでみてください^^
ただ一つ!
私の見解です。あなたなりの解釈もきっと素晴らしいものです♪
ここまで読んでくださったあなたスキ♡
では、ここまでの方はまた次の詩や物語をお楽しみに♪

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ただの解説ですので、なんだそれだけ?という可能性も高いです。文学力がないSAIが作る世界観をただ見たいという方のみお入りください。
ビジネス書でもないですし、あなたの役に立てるのかと言われると詩というジャンルは難しいかもしれません。では私がご提供できることは、この物語の儚い部分や、考えたいこと、自分や身近な人の心境に共感出来たりする部分があればその世界線に埋もれてもいいんじゃないかなって思っています。
溺れて埋もれてそうなんだよね・・・って思う気持ちを共有できればと考えています。最後には、あまり語らないSAIのnoteに対する思いを少しだけ書かせてもらいました。

SAIの頭ン中知りたいレアな方はこちらをどうぞ↓

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