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執筆の一助(第5回 プロットのいろいろ①)

目次

1、はじめに
2、プロットってなんだろう?
3、プロット通りにはいかない。まるで人生のようだ。
~②へ続く~
4、さあプロットができた! これで予定通りの作品ができる!
5、まとめ

1、はじめに

 約二週間に1本程度の頻度で更新をしています〈執筆の一助〉。
 今回で5回目となりましたが、今回はプロットについての何それという記事になります。
 失敗談を――という当初の目論見とは半分くらいズレていますが、「失敗談から学んだ方向性」と考えていただければと考えています!

( ' v ' ){人はそれを?)
言い訳と呼ぶ……!(涙)

2、プロットってなんだろう?

 プロットというのは作品の設計図のようなものになります。意味は「構想」だとかそういったニュアンスのものです。
 つまり、皿洗いをしながら「ふんふふーん、俺が主人公のハーレム作品がみたい~♪」とか歌いながら考えているのは〈妄想〉でありますから、その〈妄想〉を人に見せられるレベルに昇華すべく組み立てていく(構想)のが、プロットの目的でしょう。

( ' v ' ){つまり……?)
結論から言っちゃうと、編集者等に見せる必要が出てくるので練習しといたほうがいいです。

( ' v ' ){つまり……?)
私は練習しておりませんでした(茫然)

 もちろん脳内で作品の全てを把握する方もいらっしゃるとはいます。しかし自分の作品を説明するとき、キャラクターやストーリー、世界観や設定が物語を1から10まで口頭説明……というのは、なにより聞いているほうがゲンナリしますよね。
 ですから大まかな設計図は、形にする癖をつけたほうがいいでしょう。
そうすると、やっぱり最終的には執筆の際に便利!、となると思います。
どれくらい便利かといえばグーグルマップぐらい便利です。

( ' v ' ){して、その心は?)
道先案内ってことです。

 さて、話を最初の方へ戻しましょう。
 プロットの必要性です。(脳内、紙面は別として)

 たとえばキャラクター設定の場合です。
 主人公ってどんなキャラクターかなーと想像しておくと深みが増しますよね。何も考えずに書き始めるとその場その場の表現になりがちです。

 たとえば「男、17歳、中肉中背、どこにでもいる男子高校生」というイメージで書き始めるとしましょう。
 すると、あら不思議。自然となんの特徴もないキャラクターが生まれてしまいます。

 これは、キャラクターの特徴を決めていないせいで、一つ一つの行動に説得性がなかったり、言動がページによって支離滅裂になったりします。

 たとえば〈困ったときに鼻頭を指でかく〉という設定があれば、困ったときのシーンでそれを書くことにより一つの流れができます。
 それを決めておかないと、困ったときの描写が行われないか、だらだらとその場その場の描写が続き、間延びします。
 また、あらかじめ、「責任感や正義感がある、しかし美女には目がない」などと決めておけば、「この主人公が、悪いことをした美少女を相手にしたとき、どういう言葉を発するだろう」と考えると、前者の平凡な設定よりも、イメージが沸くかと思います。

 キャラクター設定の効能はこんな感じですね。

 次にストーリーに関する効果です。
 ストーリーに関して言えば、起承転結や序破急といった物語の起伏を記載しておくことにより、

 ① ストーリーの流れを見失わない
 ② ストーリーの緩急を把握することにより、文章量の配分を把握しやすい。

 特にストーリーの厚さを決めるときには必要ですね。
 なにせ商業含め、新人賞にも「規定ページ数」というものが存在します。ようするにどんなに面白い作品を書こうとも、既定のページ数を超えてしまっては駄目ということです。

 ですから、起承転結の中で、最初にページを割き過ぎて、ここ一番のところにページを割けないというようなことがないように、文章量配分のためのプロットというのは、効果的かと思います。

 なお、ページ配分という点ですが(テーマやジャンルにもよりますが)、始まりと終わりに10%づつ、計20%程度のページを使い、他に80%を使うようにしている人がいるとかいないとか。

( ' v ' ){きさまか、素直に吐け)
は、はい

 答えは無いと思いますが。
 また、シナリオのテクニック――起伏のつけかたや、おもしろい作品が成立する条件などを調べると色々と面白い話が出てきます。ここでは詳しく記載しませんが、色々な考え方がありますので、調べてみてください。

 ちなみに自分が初めて調べたのは、ミッドポイントという考え方でした。
 これもまた調べてみてくださいね。

( ' v ' ){調べてみてくださいね)
目を伏せる(無視)

 また、他の世界観・能力設定なんかは言わずもがな、その詳細をメモしていく感覚です。

 それこそ表に出ないような設定も書いておくと良いでしょう。そういった細かい世界観設定が作品に深みを与えます。

とはいえ、そういうことにこだわってばかりいると失敗するのですが。

( ' v ' ){お、失敗談ですね)
期待しないでください!

3、プロット通りにはいかない。まるで人生のようだ。

 というわけで、斎藤ニコ(若)は、上記の方法論を頭に置いてプロットを作ってみました。まだ一作目を書いていない頃ですから、完成形というものも今いち分からないままのスタートです。

 でも安心。
 設計図さえきちんとしていれば、あとはその通りに作るだけ――と言えたらよかったのですが、世の中甘くはありません。

 まず、そもそものプロットの構図。

 当時のプロットはとにかくメモ重視でした。
 長くなりますので、キャラクターのみで説明しましょう。

 たとえば、主人公のキャラ設定を、脳内・メモ・詳細と区別してみます。

 ① 脳内方式は、頭の中にぼんやり存在するでしょう。
   データを引っ張り出そうとすれば、それが明確に出てくる形。

 ② メモ方式は、箇条書きになりがちです。
   ・主人公 ・男 ・18歳 ・ツッコミ役 ・先輩が好き
   ・ヒロイン ・女 ・能力者 ・お嬢様

   読んだだけだと今いち分からないところもありますね。
   脳内と共通しますが、コアな部分はその場で出てきますが、細かいことは作品が出来上がるまで決まっていないことがあります。

 ③ 詳細は、あらかじめ決めていたフォーマットに沿います。 
   役割:主人公
   性別年齢:男 18歳
   体型:中肉中背
   口癖:( ' v ' ){俺は悪くない!)
   能力:自分のネガティブ印象を相手から消す

   こんな感じで、フォーマットをつくっておいて、そこに当てはめていきます。こうしておくと、キャラクター〈データ〉となりますから、相手に提示するときにはベストな状態になりますね。

 ――と、今の私なら分かるのですが、当時の十代斎藤ニコからしてみれば、とにかく何かを箇条書きしておくだけだったので、キャラクター設定なども存在しませんでした。

 もし過去の自分に言えることがあるならば、「だからキャラクター造形がぶれるんだよ」と言ってやりたいですね。

( ' v ' ){今の自分にもどうぞ)
頑張って生き抜いてください(泣)

 さて、そんなメモプロットを脇に置いて、初めての作品を書き始めることになりました。

 長編です。某大型ラノベ新人賞に送るつもりでしたが、結局は違う賞に送ることになった処女作です。

 原稿用紙数枚の短編には慣れていましたが、長編は初めて。
 短編連作という手もありましたが、成長のために長編を書くことに。

 まあいいや、とにかく書いてみよう――そんな気持ちで初めて見ました。

( ' v ' ){その、まあいいや、って罠では?)
御明察。
なんでも真剣にやるべきで、適当にやっても適当なものが生まれます。

 これはもう結果が分かりますよね。

 メモレベルのプロットなので、プロット通りに書くという行為はできないです。
 ですから、頭の中にあるものを吐き出していくイメージで書いていくしかありません。
 悪く言えば、行き当たりばったりな書き方になります。脳内にしかプロット(話の展開)がないので、道を見失うと、大変なことになりますね。

 そして私は旅に慣れない、素人旅行者。

 メモレベルの旅計画では、あっという間に迷ってしまい、作品は初心者にありがちな「起承転結」のない「起起起結」のような、プロローグみたいな作品が出来上がってしまったのです。

 日本に行こうとして、ブラジルについちゃうことは、創作というジャンルではたびたびあることだとは思います。ただそれは、「それを狙ってやっている」のか「結果的になってしまったか」により、意味は変わります。

( ' v ' ){どういうときに〈いきあたりばったり〉が良いんですか?)

うーん。あくまで初心者に向けてですが、
1、コメディだったら行き当たりばったりもあり。
2、推理小説は無謀。
3、私小説や純文学ならありうる
4、ファンタジーはせめて設定集は作っておいて
5、短編ならカタルシスの方向性次第であり。文庫数巻分で一作分の長さの超大作ならば通過点だけ決めておく
こんな感じですかね。

 上の小話に付け足すならば、書き手の性格にもよると思います。

 おおざっぱな人はプロット作成に力を入れてみてはいかがでしょうか。
 自分が神経質だなー、繊細だなー、と思う方はプロットを力半分に作ってみるといいかもしれませんね。

( ' v ' ){今回はここまで! 長すぎるので次回へ続きます! これは作者の構成力のなさを示すものでありプロットの回であるのにわざわざそこを狙って二部制にするなど――)

――やめてええええ(土下座)

というわけで次回でお会いしましょう。

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