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ワークショップ「飯豊の森の、木目をうつす」

レジデンス滞在中にワークショップを行いました。

飯豊町中津川地区公民館

 内容は、
「山形の製材所の木材を、山形の手漉き和紙に、インクとバレンでうつす。」
というシンプルなもの。
 木版画というにはあまりに単純。絵を考える必要はなく、自然の生み出す線そのものに沿うように作る。

午前の部、午後の部と分けて行いました。午後は定員以上集まりました。
刷り方の説明。インクをローラーで乗せ、バレンで擦る。

 はじめにちょっとしたコツだけ伝授。
 案外、参加した子らは、こちらが一度やったことをよく覚えていて、すぐに同じ動作をしようとします。これは大人とは異なり、目的に沿う手順を逆算した段取りの要領というより、身振りをそのまま真似するのが上手いのだなと感じます。だとすると、教える側は手順や動きもきちんとしなければいけないということ。逆にこちらが試されます。

小ぶりで可愛らしい感じ。節の孔がワンポイント。
大きめの木目に挑戦。
親子で。
黙々と。ご自分のこだわりのうつし方をアレンジしていました。
補助輪付き。
手前:クリ、奥:スギ/広葉樹と針葉樹で表情が異なります。
午後は筑波大の方もご参加。
裏が平らでない版はスイングするので支えつつ擦る。
サンダーを自分でかけるところからやってみた参加者もいます。
何も彫らなくても擦ると何かに見えてくる・・・。
単に木の表面、ではなく人が製材した木の表面。ノコの跡が人と木の関係を物語っています。
そっと剥がし、濃さを確認。
うつせた!インクの濃淡のムラも美しい。
反対側もなかなかいい味。
家族総出でうつす。
動きに自信が漲っています。
様々な表情。

 シンプル過ぎて渋すぎるワークショップかもしれないという心配は、蓋を開けてみれば杞憂で各々工夫して木目を和紙にうつしていました。信じて投げかけてみるのもいいですね。
 年賀状を擦りたいから木材を持ち帰ってもいいか。単に気に入ったから持ち帰っていいか。など木材自体にも興味が派生し、満足してもらえたようです。
 自分自身も制作のヒントをもらえました。

擦り後、インクを拭き取った版。これまた美しい。

 全ての参加者の方には撮影、SNS使用の許可を事前に頂いています。

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