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マラソン走者の孤高

文学が孤独な作業と書いてらしたのは村上春樹さんだったろうか。丸山健二さん。いやいや。多くの作家の言説が入り混じっている。

集団で作る芸術とは違う。

人間心理の奥深い領域へ入り込む。私たち一般人が目を背けたくなるあからさまな丸ごとを持って還る。そして言葉へ紡いでいく。

孤独な作業だ。

川端、三島、太宰、芥川、数え上げたらキリがない。自死という道を選ぶしかなかった先覚者。敬意は表しつつも恐れ戦いてしまう。

私はそういった作品から糧を得てきた。

感心はしても、自ら筆をとる勇気など湧き出て来ない。ちょうど沿道から、孤独なマラソンランナーへ声援を送る体に終始した。

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告白しよう。

私なりの観点で、これはいいなと思う記事を集め始めたが、正直いって戸惑いは残る。

イチオシすることで、記事をお書きのnoterに、物事がよく働く場合とそうでない場合があるからだ。そう考えると躊躇してしまう。

ホメオスタシスという機能

恒常性と訳す。例えば体温調節。暑ければ汗をかく。汗が蒸発する時に気化熱が奪われて火照った体を冷やす。

寒い時は体を震わすことで体温を上げる。実によくできた仕組み。あらゆる面にこれが働くからこそ、私たちは生きていられる。

しかしながら。

意外と知られていない。ホメオスタシスは心理にも機能する。誰かが評価されているとバランスを取って低い評価が芽生えるのだ。

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心理学の実験を探るまでもない。
人の嫉妬は怖ろしい。

塾講師として集団授業は細心の注意を払わねばならなかった。ある生徒を褒めると周囲の嫉妬を誘う。知らない教師はないだろう。

称賛が正当、論理的であればあるほど、感情は波立ってくる。憎悪にすらなりかねない。

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しかも、この心理作用。意志の力ではどうにもならないのだ。そもそも、無意識の領域に生息する。存在すら感知され得ない。

心の闇である。

理論が通用しない。経験も無力。手探りで、もがくしかない世界。僅かでも垣間見たのであれば、物事は言い切れなくなる。

気をつけていること

理論武装が高じると感知できない存在を忘れてしまう。自分にわからないことなどない。なんでも知っていると錯覚を起こす。

専門家ゆえの盲点である。

何も資格を持つとかプロであるとかに限らない。何かについて自分はよく知っていると思えば【専門家】なのである。

謙虚でありたいものだ。

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さらに、私がイチオシすることで、是非とも読んでみようとなさる方、逆にそれなら絶対読まないぞと反発なさる方。

これが釣り合ってしまう。

作用・反作用の法則。なぜそんなものが働くか。理由はない。あっても私たちの理解を超える。大自然の仕組みだから従うしかない。

ちょっと読もうかなと思う方。やめておこうかなと思う方。やはり釣り合う。ファンがいれば、同じだけアンチがいるものだ。

知っているならなんてことはない。ああまたか。やれやれ。気にせず流す。流せば相手の想念はそのまま相手に還っていく。

これまた自然法則。地球は丸い。

とまあ、ここまで納得したうえ、なおご紹介させて頂こう。マラソンランナーの孤高。

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ストイックな走り。美しいフォーム。
こちらへ送るわずかな微笑み。

洋介さんの詩文を見ると、そんなフレーズが思い浮かぶ。多岐に渡る題材を鮮やかに切り取る端正な言葉遣い。溢れる叡智の輝き。

いやいや。褒め言葉は並べなくてよいのだ。黙って紹介。読んで頂くことに留めおく。

hikariさんは教育関連のお仕事である。過去記事に描かれた生徒との交流。時にほのぼの。時にじんわり。心へ染み入る優しさ。

教師は快適空間としてのクラス運営を担う。noteは学校ではないけれど、心地よい場所があれば嬉しい。サークルと一味違う場所。

彼女はコメント欄を開放することで構築なさった。気楽に覗いてご覧になるとよい。サークルは主催者の牙城。趣が異なる。

そんな彼女はオアシスに託す。

自然の力を借りて、深くそして壮大な叙事詩に仕上げておられる。物語の体を整えつつ、まさに魂の叙事詩。そう思えてならない。

他に類を見ないのだ。

お二人とも孤高のマラソンランナーであり、私は道端から声援を送っている。


そして最後。

孤高とはこの方のためにある言葉。ご本人は鶴とおっしゃる。お言葉通り受け入れよう。

以前少しばかり、ライトノベルの行く末について、ちょっとした話し合いの時間を持ったことがある。とても有意義だった。

文学への熱き思いが心を刺す。ストイックな孤高を貫いて奮闘なさっていらっしゃる。

ひとつ、お断りしておく。

長いのだ。スマホの画面を考えてもっと短くしたら。せめて何回かに分けてみるとか。

私と洋介さんが別々に進言したこともある。なるほどそうか。おっしゃりながら聞く気配はまるでない。まあ、それでこその孤高。

コメディと名づけてあるが、文学史上ありとあらゆる成果を取り込もうとする実験作。

コメントを求められた。

なんと書いていいかわからんじゃろと先手を打たれる。ごもっとも。どう評価していいか正直なところ見当もつかなかった。

私の力不足ではなく、最高の褒め言葉と受け取ってほしい。なんだかよくわからないものこそが時代を切り開いていくのだ。

ゴッホの絵は生前2枚しか売れていない。
宮沢賢治は評論家に黙殺された。

私たちはnoteで知己を得た。

孤高のマラソンランナーは一人じゃない。沿道で旗を振り、声枯らし応援する仲間あり。

ありがたいことではないか。



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