『いや～どうにか受験シーズンも終わって、ホッと一息ついたら、塾講師として、次の受験生がスタートするわけなのよ』

「年末年始やら夏休みやら、世の中のんびりゆったりしてる時に忙しいお仕事やからな。季節産業とでも言うんかね」

『まぁ、仕事があるだけ、ありがたいことだよ。なんたって、このご時世じせいだからさ』

「そうやね。大きな変革の時なんやろなぁ。 百年後、どう言われとることか」

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こんにちは。フジミドリです。ご無沙汰ぶさた致しました。これからまたしばらく、お付き合い頂ければ、とても嬉しく思います。

昨年の末に完結した『在り方革命』ですが、今回からは、その実践編とでも申しましょうか、私の人生を題材ネタとして、少し緩ゆるやかな物語を綴つづって参りましょう。

こちら西遊記は、物語の創作過程プロセスについて、朔川揺さんとお喋しゃべりしながら、お伝えしようと考えました。（今回、四千字ほどです）

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「しばらく書いてへんと、なかなか勘カンが戻らんやないの。そんなことあれへん？」

『あるある。滅茶苦茶メチャクチャありますよ。そもそも書こうかなって意欲やる気、なくなっちゃうもん』

「そうやろなぁ。私も、連載中の作品、間あいだが空あくと、なかなかリンク繋つながらへん」

『だよね。書かない生活に馴染なじんじゃって、このままでいいんじゃないかって思う』

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習慣の力は、とても強いものがございます。書いている時なら、書くことが自分にとって自然な生き方ライフスタイルとなるのです。

けれども、いざ書かない生活が続きますと、どっぷり浸つかってしまいます。一旦いったん作られた生活のサイクル、意志の力を振り絞っても、変えられるものではございません。

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「あっはっは。このままでええか。フジさんが、在り方革命でずっと言うてきたことやもんなぁ。なら、このまま書かんでええと」

『そうなの。でもさ、書かないのもモヤモヤするっていうか、スッキリしないわけ。それで、どうしてだろって中真ちゅうしんに尋たずねたのよ』

「頭で分析するんやないのね」
『そう。まずは中真に訊きく』
「中真は仙骨センコツやったな」
『背骨の一番下、腰の真ん中さ』

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３０年ほど修めて参りました道術どうじゅつでは、この状態をゼロになると申します。余分よぶんな力は抜いて、ただ中真を意識するのです。

因ちなみに、道術家は、中真という漢字を当てます。通常の中心だと、表現し切れない次元を顕あらわす意図いとがあるのです。

答えは感覚でスッと浮かびます。それから、背骨を伝わって、脳で言葉に変換される。私はそのように理解しております。

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『それで。あ。わかったかも』
「閃ひらめいたんやね」
『なるほど。そういうことか！』
「おい。自己完結ひとりよがりすな」

『スビバセン。根ねがせっかちなもので』
「さすがエブリの最速作家やね」
『あはは～それ、何年前よ』
「かれこれ１０年以上になるやろ」

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かつて私は、やはりフジミドリの名で、詩や物語などを書いておりました。エブリスタというサイトが出来たばかりの頃ころです。揺ようさんとはそこで出逢いました。

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『あの頃、オレよく言ってたじゃない。そもそも言語って、物語を語るために進化したんじゃないかって我流の仮説怪しい妄想』

「そやったなぁ。フジさん、小説いう言葉、あまり使いたがらんかったね。竹取物語に始まる、物語の伝統を受け継つぎたいとか」

『うん。語り部の末裔まつえい。憧れるよな。今回、改めて中真に問うことで気づけたわけ。書くって作業は物語ることだって』

「はぁ。物語るか。なるほどね。ほな、詩でも小説でも随筆でも呟きツイートでも、物語るいう観点で一括ひとくくりにできるわけや」

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物語か小説か、どちらでも構かまいませんが、とにかく私たちは、ストーリーを求めている。そして、不思議なことに感動☆☆☆するのです。

私は、当たり前に捉とらえていたのですが、改めて疑問が湧わきました。なぜ、地球人は物語を求めるのだろう。そして感動するのか──

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「ふむふむ。それは考えんかったな。感動する物語かそうでもないか。二つに一つ。なんで感動するかは、盲点もうてんやったかしれへん」

『オレたちって、思考や感情を持て余してるじゃない。持て余すというか、動かされて振り回されるわけなのよ』

「確かに。まぁ思考いうたら、言葉で構成されとるからな。感情かて、沸騰ムカッとする切っ掛けになるんは、大抵たいていが言葉やねん」

『言語は物語を語り伝えるために進化した、というオレの仮説。ならば、人生の出来事を物語化したら、理解は深まるかなと』

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自分の人生に起こった出来事を物語化する。これなら、私のような素人作家アマチュアでも綴れるのではないか。そこで私物語ミーナラティブと名づけました。

私たちって、本当マジに物語が好きです。テレビドラマや映画、コミックや小説、スポーツや音楽にだって物語性を求めています。

周囲まわりの噂話ヒソヒソや芸能界のスキャンダル、仕事の人間関係、そしてゲームにさえ、とにかく何かしらいつも、物語を欲しているのです。

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『でもさ、なんでだろうなんて、改めて考える人、少ないと思うわけよ。ただ、ひたすらに物語を消費するばかりでね』

「そうやねぇ。考えたことあれへん。物語を楽しんで、つまり消費するだけで、何が悪いんやいう感じやねん」

『もちろん、悪くはないさ。楽しめるなら結構なことだよ。でも、理解が伴ともなわないと、同じ物語を求めて繰り返すんじゃないか』

「理解が伴う。なるほどな。人生のあれこれを物語化するだけやなく、深く理解していこいうわけやね。人生の書き換えリサイクルやろか」

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人生を物語として捉え直すことにより、特有のパターンが見えてくる。囚とらわれや拘こだわりを手放せるのでは。そう考えました。

その渦中かちゅうにある時は、なかなか冷静な俯瞰ふかんができません。かといって、喉元のどもと過ぎれば熱さを忘れてしまう。なんと勿体もったいない！

人生の出来事こそ、自分自身を理解する題材の宝庫オタカラ。理解が深まれば手放せる。きっと解消されるはずだ。そう感じたのです。

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「そうやねぇ。解消されるなら、その物語に対する興味は薄れていくかしれへん。少なくとも、取り憑つかれたように消費することは、なくなるやろな。程ほどよい加減で味わうか」

『自由であればいいさ。でも、人生の物語に対する理解が深まってないから、同じ場所をぐるぐる回っている。似たような失敗を繰り返すわけ。まさにオレの人生だけど』

「耳の痛い話や」
『あはは～揺さんも思い当たるのね」
「そらもう、ありまくりやで」
『テへ。なんかちょっと安心した』

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人生は決まっていて変えられない。魂たましいが前世ぜんせで理解した通り、肉体世界に映し出して確認する──私はこのような人生観在り方です。

映画のように、映し出されていく出来事ですから、何もかもがこのままでよい。

頭で分析かんがえ、心で感じる思い悩む、その全て決まってます。魂で理解する領域じげんだけが決まってない。理解こそ来世らいせを創つくる元になるのです。

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『あ。思い出した。大学１年の頃』
「ほぉ。遥はるか彼方かなたの遠い昔やな」
『ちょっ、人を化石みたいに』
「まぁ、ええやん。ホントのことや(^_^;)」

『友達三人で、作家さんを訪たずねたの』
「ははぁ。ファン心理か。迷惑メーワクな話やで」
『だよねぇ。私生活プライバシーあるもん』
「熱烈ファンなら、気持ちわかるけど」

『そう。一人がフリークでさ』
「フリークいうたらオタクやね」
『うん。超のつく文学オタク』
「フジさん、そうでもなかったん？」

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実は私、名前さえ存知ぞんじあげなかったのです。後あとになって、純文学のビッグネーム、知る人ぞ知る方かたとわかって驚きました。

代表作は、世界文学の中でも、特異な思弁しべん小説。存在の意味を問う難解な議論、深遠広大な精神世界を書き尽つくしていらっしゃる。

若気の至いたり、突然の訪問、ご迷惑だったと、今更いまさらながら恥じ入るm(__)m次第です。しかし、心に深く残るお言葉を頂くことができました。

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「ほな、友達三人が仲間のパーティ、作家さんは攻略相手、ラスボスやね。ずらずらずらと長編連載するんかい」

『いやいや。読み切り短編連作。オレ、長編ダメだからさ。ラスボス。面白いね。そうだな。物語ってキャラ設定が重要いのちだもん』

「キャラ設定とプロットは物語の両輪りょうりんやで。どっちも重要。兼ね合いバランスが大事や。主人公はフジさん。どこまで客観視ふかんするかやね」

『後はテーマか。うーん、やっぱあの言葉、今でも耳に木霊こだまするんだよな』

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小説やシナリオの書き方、学ばれた方もいらっしゃるでしょう。これからお伝えする物語作法は、あくまでフジミドリ流。

とはいえ、物語を創る上うえ、テーマとキャラとプロットが必須三大要素である点は、さほど異論なしと思われます。如何いかがでしょう。

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「プロットはまぁ、事実そのままや」
『力点、強調する場面はあるけど』
「事実を再構成つくりかえする感じやな」
『そう。まさに再構成ちょっとウソだよ』

「作家さんの言葉が印象に残っとる？」
『そう。テーマになるかなぁ』
「伝承でんしょうや。語り継がれていくねん」
『おお～それいい！』

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さて、果たして思惑おもわく通り、完成しますやら。３月２０日の午後３時公開予定。乞こうご期待でございます。

こちら西遊記は、毎週月曜午後６時。私物語の解説と次回の予告となります。

ではまた💚