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変容を促す「指導」とは

こんにちは。Saka.先生です。

最近、何人かの方に記事を取り上げていただきました。
感謝してもしきれません。ありがとうございます。
近いうちに、1つの記事でご紹介させていただきます。

また、少し前に誕生日も迎えてしまいました。
この1年はnoteで飛躍ができるよう、頑張っていきます!

さて、本日は変容を促す「指導」について考えていきたいと思います。



①「生徒指導」の定義


「生徒指導」と聞くと、どうしても「悪いことをした生徒へ怒鳴る」のようなイメージがあるかと思います。

しかし、「生徒指導提要」では以下のように定義されています。

生徒指導とは、児童生徒が、社会の中で自分らしく生きることができる存在へと、 自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動のことである。なお、生徒指導上の課題に対応するために、必要に応じて指導や援助を行う。

文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」

この後にも、生徒指導によって「自己指導能力」の獲得を目指すものだと言われています。

「悪いことをした生徒へ怒鳴る」≠「生徒指導」

ということがわかります。

生徒指導の分類(文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」より)


これは一般的に「2軸3類4層構造」などと呼ばれます。この構造を見ても、生徒指導というのは多岐にわたることがわかります。

図の一番左の「生徒指導」と書いてあるすぐ右の3つを見てください。
私たちがイメージしやすいのは、一定の課題を抱えた生徒を指導する「困難課題対応的生徒指導」です。
その他にも、課題を未然に予防するための「課題予防的生徒指導」や、全ての生徒の発達を支えるという意味の「発達支持的生徒指導」があります。
「生徒指導」というのは、特定の生徒にのみ行うものではなく、全ての生徒を対象に行うものです。


では、どのように「指導」していけばいいのでしょうか。

②変容を促す「指導」


私は、「生徒指導をすることにより、生徒に変容がなければ意味がない」と考えています。

つまり、「変容を生まない生徒指導は適切ではない」と思うのです。


学校によっては、「生徒指導部」や「生活指導部」のような名称で校務分掌が存在するでしょう。
業務としては、校則違反をした生徒に対しての指導や、問題行動を起こした生徒に対しての指導などが挙げられます。
何校かの実態を見たのですが、「ただ頭ごなしに怒る人」と「生徒の成長を考えて叱る人」がいました。

「怒る」と「叱る」は以下のような違いがあると考えています。

怒る → 自分の恣意的な気持ちで物事を言う
叱る → 相手を変えようという気持ちで物事を言う

つまり、指導をする側は、「相手の変容を促せるように叱る」ことが大事なのです。

「怒る」モードになっている人の言葉では、当然相手に変容を促すことはできません。生徒の心を閉ざし、話したいことも話してもらえなくなるでしょう。やってはいけない指導となります。


「命令と服従」の関係を、「共感と対話」の関係にすることが大事です。

「つぶやきに耳を澄まし、揺れ動いている子どもの内面を察すること」から「指導」が始まるのだと理解しています。

傾聴し、ときには共感しながら指導をしていくのです。
指導をしなければならない場面は様々ですが、「どうしてそのような行動をしてしまったのか」「次に失敗しないためにはどうしたらいいか」などを常に考えていきたいところです。

生徒の悪を決めつけて差別をしたり、生徒の意見に耳を傾けないといったことはないようにしたいですね。

自尊感情を下げない叱り方として、I(アイ)メッセージというものがあります。
「私は~」と「私」が主語の言い方のことです。

△YOUメッセージ
「何回言ったらわかるの。(あなたは)早くここを片付けなさい。」
          ↓
◎Iメッセージ
「ここを片付けてくれたらきれいになって、(私は)とても助かる。」


教師と生徒も「上から目線」ではなく、「横の関係」で成り立つものだと考えています。
「上から目線」では、生徒は言いなりになるか、反発するかのどちらかです。

指導をするときに限らず、あらゆる場面で不当に「上から目線」にならないようにしたいですね。


③学校現場以外での「指導」


教育者として、教師から生徒への「指導」はイメージしやすいですが、教育現場以外での「指導」とはどのようなものが考えられるでしょうか。

一番に思いつくのは、上司から部下への指導、つまり目上の人からの指導だと思います。

この場合も、注意しなければいけないポイントなどは、学校現場と共通するものがあるのではないでしょうか。

やはり、「変容を生まない指導」は部下のためになりません。
長いスパンで考えて、部下のためにはどのように叱ったらいいかを考えて指導をすべきだと思います。

上司と部下ですから全く対等な関係というのも違うと思いますが、権力の勾配をなるべく小さくし、「命令と服従」の関係から脱却したいですね。

部下から意見をされたらイラッとすることもあるかもしれませんが、もし上司側に否があるときは素直に認め、知らなかったことがあれば知らないと言えるような、ある意味の「弱さ」を見せることができるような関係でいたいところです。(「頼りない」とは違います )

「最近の新入社員は怒るとすぐに辞めてしまう。弱い。」
と考える年配の方もおられるかもしれません。

しかし、もしかしたら指導をする側に問題があるかもしれません。
適切なコーチングができているか、自身の指導に一貫性はあるか、相手の変容を促す指導になっているか、など、自分に矢印を向けられるようになりたいですね。

ただし、「パワハラ」という言葉を逆に利用し、部下が上司を貶めるような行為はいけません。部下自身も自分に矢印を向けることが大切です。矢印は鋭利ですから、相手に向けないようにしましょう。

適切に信頼関係を築いて仕事をやっていきたいですね。


まとめると


「生徒指導」というのは、「悪いことをした生徒へ怒鳴る」ことを指すのではない!

教育現場でも、それ以外でも、指導をするときは「相手の変容を促せるように叱る」ことが大切!

自分に矢印を向けられるようになろう!

でした。

        Saka.先生


*同僚の立場から見ても、どうしても上から目線で「指導」をする先生が苦手でした…。相手のことを考えて𠮟りたいですね。*

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