連作短歌「東京」2

隅田川上がる花火とぬるい声したたる甘みほおばる二人

秋の香たらふく飲んだ車両内満月眺める二人の世界

駅前で無数の光まとう木々ハチミツ香るはんぶんこ

歴史的意気込み出すも凡庸で非力さ呪い泥すう捨て猫

ごまかした笑顔の奥の焦燥を見て見ぬ振りして狂喜乱舞

夜桜に照らされ振り向く君と朝失うまいとシャッターをきる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?