【読書感想文】下人は盗人になった?『羅生門』芥川龍之介
おすすめポイント
コロナ禍・貧困化においての犯罪、格差について深く考えさせられます。
レビュー
読みやすさ ★★☆☆☆
怖さ ★★☆☆☆
おもしろさ ★★★☆☆
わくわく感 ★★☆☆☆
何度も読み直したい ★★★★★
感想
詐欺や窃盗のニュース記事を見るたびに『羅生門』の下人を思い出してしまいます。
子供の頃に『羅生門』を読み、下人のその後を予想するように先生に言われた記憶があるという方にはぜひお聞きしたいです。
皆さんはどのように下人のその後をどのように予想されましたか?
私は当時「下人は結局盗人にならなかった」と予想しました。
下人は私と同じように窃盗はいけないことだという良心を持っていたから、盗人になるはずがないと信じて疑いませんでした。
しかしそれは恐らく、当時私は住む家があり、その日の食べるものに困っていなかったし、働かなくても学校に行けていたから。
働きたくても働けないことや、衣食住への不安を全く感じていなかったために出した考えです。
結局、自分が下人の立場になってみないと分からないということです。
また、考え方は人それぞれで正解もありません。
そして改めて、大人になって下人のその後を予想してみました。
私は「下人は盗人になった」と考えます。
そもそも下人は盗人にならないと死んでしまうという絶体絶命の状況下にいました。
死ぬか盗人になるか。
死ぬべきか盗人になるべきかと聞かれたら悩みますが、死にたいか盗人になりたいかと聞かれると私は後者です。
飢え死にするくらいならね。
そして子供の頃に同級生がどや顔で言っていた、
「下人は盗人にならずに生き抜く方法を見つけて生き抜いたと思う」
という回答について。
こう言う子、いませんでした?
うーん。
私は少し論点がずれていてずるいと思ってしましました。
下人は恐らく、その日食べるものもなかったはず。
私がぱっと思いつかないだけで案はたくさんあるかもしれませんが、すぐに何とかしなければならないという状況で、それはミラクルすぎますよね。
ただ単に正義を振りかざすことが難しい世の中
今まで以上に有名人もちょっとした発言で炎上してしまったり、どんな意見にも賛否両論が飛び交ったり。
しかし、はっきり言えるのは誰かを傷つける行為や犯罪は良くないということです。
つまり窃盗は正当化できません。
そういう意味で『羅生門』はとても考えさせられますね。
これを小学生に考えさせるというのが凄いです(笑)
みなさんの考えもコメントで教えてください!
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